●ハイパーテキスト小説を書くにあたって ●読者のみなさん( 96.5.8 ) ●助けてください( 96.5.24 ) ●ごめんね( 96.5.31 ) ●にゃー( 96.6.14 ) ●みなさんの声を聞かせてください( 96.7.26 ) ●100人目の乗客!( 96.9.20 ) ●ゼロ( 96.11.15 ) ●明けましておめでとうございます( 97.1.10 ) ●いいわけ( 97.2.14 ) ●ひさびさ( 97.11.14 ) |
ハイパーテキスト小説
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小説は、ふつう、最初のページと最後のページを持っています。 当たり前のことです。 でも、それ、ほんとうに当たり前のことなのでしょうか?
その昔、まだ文字というものがなくて、だからもちろん〈本〉
最初のページ、最後のページ、というものが登場したのは、小
そして、小説は、ふつう、読み進む順番というものが定められ
まれに、小説のラストを最初に読むという人もいるようですが、
小説は〈本〉というメディアに載せられることによって、その
この基本的なルールを小説から剥奪してみたら、どんなことが
私が『99人の最終電車』を書こうと考えたのは、そんな興味
いまここに、私たちは、ハイパーテキストという新しいメディ なのに、小説は、やっぱり最初と最後を持っている……。
WWWのあちこちに、たくさんの小説が置かれています。私が
ハイパーテキストは〈本〉とはまったく違った「読み方」を可
読まれ方が違うということは、書き方も違うということです。
さて、ハイパーテキスト小説『99人の最終電車』は、どのよ (1996.4.5)
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読者のみなさん | |
まだ連載も始まったばかりだというのに、たくさんの方たちか らいっぱいメールをいただきました。どうもありがとうございま す。 そのお一人お一人にお返事を書きたいところなのですが、原稿 も書かずにそんなことをしていると担当の西尾琢郎(仮名)がナ タを振り上げておどすのです。まあ、電話の向こうで何を振り上 げられても、さほど怖くはないのですが、ここでまとめてメール のお礼を申し上げてしまいます。感謝、感謝、です。 今回の『99人の最終電車』は、僕としてもはじめての試みで、 かなり興奮しながら書いています。同時に、どんなふうに読んで いただけるものか、不安もいっぱいでした。メールをたくさんい ただいて、ちょっとホッとしています。(こういうこと、雑誌の 連載でもまずないですよね。連載が始まったばかりで読者からの 応援がいただけるというのも、ネットワークの威力でしょうか。 やめらんないなあ、やっぱり) かなり重いページがいっぱいあって、ダイアルアップでご覧に なっている方には申し訳のないことだと思います。さらに、更新 のたびにインデックスページもその都度書き換わっていってしま いますから、この先、もっともっと重くなる……どうも、すいま せん。 ブラウザのキャッシュが生きていると、更新に気づかないこと があると思います。キャッシュは、なるべく「セッションごとの 更新」に設定してから覗きにきて下さい。(いちいちリロードボ タンをクリックするのも面倒でしょ?) とにかく、どんどん面白くなるようなものにしたいと考えてお りますので、これからもよろしくお願いします。 96.5.8 井上夢人
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助けてください | |
連載が始まってまださほどにはならないというのに、僕のハー ドディスクの中はすでにゴチャゴチャの状態。乗客たちのファイ ルが、古いの、新しいの、書き直したの、放り出したの、消した はずの、紛れ込んだの……と、もうわけがわからん。 思いつくままにディレクトリを建て増しし、分割し、統合した 結果、どこに何が入っているのか探すだけで一苦労なのですね。 もともと、整理の良くないたちだってことは、よーくわかって るつもりだったんだけど、ここにいたってほとんどパニック状態 であります。 ああ、誰か、ハイパーテキスト小説用のワープロなりエディタ なり、作ってくれないものかしらん。 よーするに、大量の文書ファイルのリンク関係、3次元構造を、 そのままGUIインターフェースによって扱えるようなファイラ があればいいってことかな。ついでに、そのまま電子メールにし て西尾(仮名)君のところに送れちゃったりしたら申し分ないん だけどね。 もうずいぶん前にVisual Basic4.0は買い込んで、ちゃんとイ ンストールもしてあるんだけど、それをいじくり回す時間がない のでありますよ。 誰か、助けてくれません? 96.5.24 井上夢人
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ごめんね | |
いやあ、今週の更新は、たったの6ページです。 クリックしてもクリックしても「準備中」の文字しかないじゃ ないか! と、お怒りの諸姉諸兄、まことに相済みません。 推理作家協会賞の選考に時間をくわれただとか、久しぶりに東 京に行ったらえらく疲れて二日ほど死んでたとか、来月出版する ための単行本の見直しに追われてただの、原因不明のマシントラ ブルに襲われてファイルの修復に発狂寸前だったとか……そうい う言い訳はいっさいいたしません。<(めいっぱいしてるぢゃな いか![西尾(仮名)]) まあ、こういうこともあります。はははは。 あ、それから kohyeah@リムネット さん、ご心配いただいてど ーも。 執筆は、パイパーテキストのエディタとブラウザ、及びデータ ベースの併用でやってまして、至近距離のリンクは確認できる状 態にはありますが、ファイル群全体のリンク構造関係を一望でき るようなソフトがないもんかなーと……まあ、難しいですね、こ ういうのは。 さ、書かなきゃ。 96.5.31 井上夢人
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にゃー |
うちのネコです。うちのネコはよく笑います。 96.6.14 井上夢人
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「げんこー、書けないんだってさー。わらっちゃうよなー。キャハハハハ」 |
みなさんの声を聞かせてください | |
豊田正史さん、とても面白いアイデアをどうもありがとう。 実は、同じようなことを、僕自身も考えているんです。ただ、 豊田さんのお書きになったイメージとは、やや違うものですけど ね。 ハイパーテキスト小説では、いろんな形での実験ができるだろ うと思っています。時間軸に関してのリンク構造もその一つです。 ただ、現在のような発表の仕方(毎週、時間軸に沿って書き進め ていくというやり方)だと、かなり難しい部分もあります。時間 を逆行する人物自体を描くことはもちろん可能ですが、その人物 とほかの人物たちをどのようにリンクさせるか、ほかの人物の時 間軸とどんな形での関わりを持たせるかということが非常に難し い。(その人物にとってみると、ほかの人物たちの時間こそ逆行 している(!)ように見えているはずですから) ある意味で、そういった時間軸についての仕掛け(イタズラ?) も作っていきたいと思っていますが、本格的な実現は、連載終了 後、CD-ROMにまとめるときにでも書き加える形でやるしか ないかなあ……とも考えています。 ともあれ、刺激的なメールをありがとうございました。 こういう形で、読者の方が作品に参加してくださるのを、実は 心待ちにしておりました。 オンライン小説は、インタラクティブ小説でもあるわけですか ら、僕が書いていると同時に、読んでくださっている読者の方た ちそれぞれが作り上げていけるものであればいいなあ……と考え ているんです。 とってもうれしいメールでした。 ハイパーテキスト小説は、書いている僕自身にとっても未知の メディアです。 オンラインソフトには、β版というのが存在しますね。この 『99人の最終電車』はβ版なんです。 読者のみなさん、ハイパーテキスト小説に対して持っているご 自分のお考えや、希望や、そして『99人の最終電車』への不満 など、ぜひお聞かせください。 どうぞよろしく。 96.7.26 井上夢人
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100人目の乗客! | |
今週から我孫子武丸さんの書かれた「100人目の乗客」が登 場しています。先月から実施している乗客大募集に、友人で作家 仲間の我孫子さんが、とっても素晴らしい乗客を一人送ってくれ たのです。 我孫子さんをご存じの方はたくさんいらっしゃるでしょうが、 彼のことをもっとよく知りたいとお思いなら、我孫子飯店という 彼のホームページへ行ってみてください。かわいらしいポテ君が お出迎えしてくれますよ。そしてさらに、彼が僕のために書いて くれた『あくむ』の文庫解説もどうぞ。 さあ、我孫子さんの「松戸征夫」を読んで、みなさんもどんど ん乗客を送ってください。 僕や波乗王編集部にしてみれば、これは「オンライン小説にど んなことが可能か」という試みの一つではありますけれど、もち ろんみなさんは気楽に、きらーくに考えていただいてけっこうで す。みなさんご自身が乗客になってくださってもいいのですし、 みなさんのお友達をモデルにして書いてくださってもいいのです。 ただ、一つだけお願いしておきます。乗客は、みなさんのオリ ジナルにしてください。どこかの映画や小説や漫画などから借り てきたキャラクターをそのまま、というのはやめてください。そ ういった人物の登場する原稿をここに載せることはできません。 待ってますよーぉ! 96.9.20 井上夢人
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ゼロ | |
最近、どうも更新ページが少なすぎると、あちこちからお叱 りをいただいておりますが、今週は、なんとゼロであります。 もう、こうなると居直りしかありません。 どうだ、文句あっか。……あるだろうな、やっぱり。ごめん。 その代わり、と言ってはナンですが、今週は、あの岬商店で おなじみのSF作家・岬兄悟さんが乗客を1人乗っけてくれま した。そう、我孫子武丸さんに続いて101人目の乗客であり ます。可愛らしいゾウさんの大冒険(?)をお楽しみください。 岬さんについて詳しいことをお知りになりたい方は彼のミニホ ームページにもアクセスしてみてください。 それから「乗客大募集」に、たくさんのご応募ありがとうご ざいました。ただいま、編集部と僕とで読んでます。ただ、ち ょっとばかり、審議ランプがつきっぱなしで……と、その詳し いところは発表のときにお話ししましょう。 あ、ついでに、衛星放送をご覧になれる方は、17日の0時 10分(16日土曜日の深夜24時10分)NHK・BS1の 「TVインターネット」という番組を覗いてみてください。 「Yumiのネットトーク」ってコーナーで、僕、この『99 人の最終電車』についておしゃべりします。 ヨロシク。 96.11.15 井上夢人
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明けましておめでとうございます | |
みなさん、明けましておめでとうございます。 昨年の4月から連載を開始したこの『99人の最終電車』も、 とうとう2年目に突入してしまうことになりました。なのに進 んだ時間は、たったの「9分」!……いやあ、世界一遅い地下 鉄になってしまいましたよ、ははは。 連載開始当初は、こういう試みを受け入れていただけるもの かどうか、不安もかなりあったのですが、支持してくださる読 者の方々もずいぶん増え、本当にありがたいと思っています。 新しい年の始まりを区切りとして、読者のみなさんにあらため てお礼を申し上げます。 この数年のメディア革命は、世界的な規模で私たちの環境を 変えつつあります。その大変動の中で、自分自身をどう位置づ け、他との関わりをどのように築いていくかということは、私 たち一人一人が考えていかなければならない課題だと思います。 この『99人の最終電車』は、その新しい世界への、僕にと っての第一歩なのだと自覚しています。小さくて、頼りない第 一歩ではありますけれど、地面をしっかりと踏みしめて、次の 一歩へ向かう足がかりにしたいと思っています。 カメ……いや、ナメクジのようにゆっくりした最終電車です が、さらに面白いものに仕上がるよう精一杯書き続けたいと思 います。引き続き、ご感想、ご意見、ご叱正をお待ちしており ます。 ということで、今年もよろしくお願い申しあげます。 97.1.10 井上夢人
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いいわけ | |
ごめんなさい。またまた、今週の更新はゼロです。 先週で24時5分が終わり、さあ、これから6分に突入する ところです。実は、この24時6分には、かなり大勢の人物た ちが新登場するのです。人物たちの関わりがさらに複雑化して くるために、その配置計算にやや時間がかかっている……とい うのが、正直な更新ゼロの理由です。 『99人の最終電車』の登場人物たちは、様々な形で奇妙な連 携プレイを演じます。ある人物たちは目に見える形で関わり合 い、またある人物たちは無関係に時間と場所だけを共有しなが ら、しかしやはり微妙なつながりを持っています。 この〈ハイパーテキスト小説〉では、紙の上に書かれる普通 の小説と違った「計算」をしなければなりません。それは、ど こか連立方程式を解くにも似た奇妙な作業であることに、僕は 書き進めるに従って気づかされることになりました。方程式は、 回を重ねるに従い、登場人物が増えるに従って級数的に複雑化 してきます。そのパズルを解くのは、けっこうホネですが、で もまた面白いところでもあるのです。 今回、いささかパズルが込み入っていて、時間がかかってい るってわけなんですね。 なんてことは、もちろん言い訳にすぎませんので、もう一度、 お詫びします。ごめんなさい。 97.2.14 井上夢人
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ひさびさ | |
談話室ができてから、ほとんどこちらには書いておりませんで した。 書くと、いつもお詫びのようになってしまうのも、ナンであり ますが。はい。 今週はゼロであります。更新なしです。 本日の某編集部との電話での会話。 「すみません。週末まで……」 「週末って……いつなんですか? 土曜日ですか? 日曜日?」 「えーと。土曜中になんとか、と思ってますが、ひょっとすると 日曜日の朝とか……」 「……(無言)……」 「すみません」 「わかりましたっ! 日曜日の朝にお待ちしてます!」 「ごめんなさ――(通話断)」 まあ、こんな会話が毎週のごとく繰り返されているわけであり ます。 ははは。 笑っている場合ではないのですが、人間、ある領域を超えると 笑ってしまうという――ほら、よくあるでしょ。ジェットコース ターに乗って、なんか笑っちゃうのって。あんなもんですな。 わははははは。 97.11.14 井上夢人
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