ホーム > 書籍詳細:午後の曳航

少年は覗き穴から母の裸を凝視した――。大人の世界を許せない少年たち。その心理を克明に描く問題作。

午後の曳航

三島由紀夫/著

497円(税込)

本の仕様

発売日:1968/07/15

読み仮名 ゴゴノエイコウ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-105015-7
C-CODE 0193
整理番号 み-3-15
ジャンル 文芸作品
定価 497円

船乗り竜二の逞しい肉体と精神に憧れていた登は、母と竜二の抱擁を垣間見て愕然とする。矮小な世間とは無縁であった海の男が結婚を考え、陸の生活に馴染んでゆくとは……。それは登にとって赦しがたい屈辱であり、敵意にみちた現実の挑戦であった。登は仲間とともに「自分達の未来の姿」を死刑に処すことで大人の世界に反撃する――。少年の透徹した観念の眼がえぐる傑作。

どういう本?

タイトロジー
(タイトルの意味)
 房子と登は、タグ・ボートに曳かれた洛陽丸が船尾のほうから、少しずつ岸壁を離れるのを見た。岸壁と船との間にかがやく水幅は、扇なりにひろがって、二人の目が船尾船橋に立つ竜二の白い海員帽の、金モールの光輝が遠ざかるのを追ううちに、みるみる洛陽丸は向きを変えて、岸壁とほぼ直角になった。
 角度が一瞬々々に変るにつれ、船は複雑な変幻ただならぬ姿を示した。これほど長い岸壁を占めていた船の全長は、タグ・ボートに曳かれてゆく船尾が遠ざかると共に、次第に屏風のように折り畳まれて、甲板のあらゆる建造物は、重複し、緊密に押し重なり、しかもあらゆる凹凸に夕日の光線を丹念に彫り込んで、中世の城のような賑やかな重層感を以て聳え立った。(本書100〜101ぺージ)

著者プロフィール

三島由紀夫 ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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