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安寧な家族主義経営に忍び寄る悪魔。日本的思慮と西欧的知性の衝突をアイロニカルに描く傑作。

絹と明察

三島由紀夫/著

680円(税込)

本の仕様

発売日:1987/09/30

読み仮名 キヌトメイサツ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-105037-9
C-CODE 0193
整理番号 み-3-37
ジャンル 文芸作品
定価 680円

駒沢紡績の社長駒沢善次郎は、自分を〈父〉とし従業員たちを〈子〉とみなす家族主義的経営によって、零細な会社を一躍大企業に成長させた。しかし、彼の外遊中に、ハイデッガーを奉ずる政財界の黒幕岡野の画策によってストライキが決行され、三カ月間の争議の後、会社は組合側に屈する――。近江絹糸の労働争議に題材をとり、日本的心情と西欧的知性の闘いを描いた長編小説。

どういう本?

タイトロジー
(タイトルの意味)
 岡野はたしかに駒沢を、未済の箱から既済の箱へ移したのだが、今彼は駒沢の死から必死に遁走しようとしている自分を感じていた。生きているあいだの駒沢は、決して岡野と相犯すことのない、笑うべき遠い人格だったが、死が突然駒沢を不気味に普遍化し、駒沢の存在を、岡野の内部にも外部にも、日常生活のいたるところに滲み込んでゆく悪い香料のようなものにしてしまった。(本書358〜359ページ)

 岡野は、「駒沢の死によって決定的に勝つわけですが、ある意味では負けるのです。“絹”(日本的なもの)の代表である駒沢が最後に“明察”の中で死ぬのに、岡野は逆にじめじめした絹的なものにひかれ、ここにドンデン返しが起るわけです」(「著者と一時間」朝日新聞・昭39・11・23)
 と作者はさらに解説している。(解説・田中美代子 本書367ページ)

著者プロフィール

三島由紀夫 ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

目次

第一章 駒沢善次郎の風雅
第二章 駒沢善次郎の事業
第三章 駒沢善次郎の賞罰
第四章 駒沢善次郎の家族
第五章 駒沢善次郎の洋行
第六章 駒沢善次郎の胸像
第七章 駒沢善次郎の帰朝
第八章 駒沢善次郎の憤怒
第九章 駒沢善次郎の対話
第十章 駒沢善次郎の偉大
解説 田中美代子

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