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偽りの薬―降圧剤ディオバン臨床試験疑惑を追う―

河内敏康/著 、八田浩輔/著

605円(税込)

発売日:2018/08/29

  • 文庫

日本医学ジャーナリスト協会賞大賞。
カネのためなら薬の効果をでっち上げ!
巨大企業ノバルティスファーマの不正を暴く。

きっかけは1通のメールだった。〈論文不正〉――。製薬業界で売上高世界トップクラスに君臨する巨大企業・ノバルティスファーマ。同社の降圧剤ディオバンは脳卒中や狭心症をも抑えるとして売上累計1兆円超の大ヒット薬であった。だがその原点ともいえる臨床試験に疑義が呈されたのだ。飛び交う札束。操作されたデータ。偽りに満ちた効果……。製薬企業と大学病院の癒着を暴くドキュメント。

  • 受賞
    第2回 日本医学ジャーナリスト協会賞大賞
目次
はじめに
第一章 疑惑
「懸念」/医師の指摘/ブロックバスター/壁/“Shirahashi”Who?/謎の動き/取材チーム結成/痛恨
第二章 スクープ
企業の関与は/突然の辞職劇/1億円/“Shirahashi”と京都府立医大/対峙/スクープ/激震、京都府立医大/飛び火/独白/「社員関与」/非難/CONFIDENTIAL/官邸動く
第三章 不正
データ操作/迷走/反響/実行者は?/謝罪/データ操作再び
第四章 薬とカネ
検討委始動/「肩書は都合よかった」/探偵ごっこ/かみ合わない証言/「誇大広告」/会員資格停止/三つ目のデータ操作/5大学調査出そろう/学会との「蜜月」/広告と化す学術誌
第五章 立件
厚労省の告発/新たな疑惑/隠された利益相反/家宅捜索/「製薬会社丸抱えの研究」/更迭/第4のデータ操作/逮捕/残った謎と時効の壁/循環器学会の内実/パンドラの箱/「ひも付き」禁止へ/臨床試験の制度設計/それぞれの「その後」
あとがき
文庫版あとがき
解説 患者はどこへ行った 柳田邦男

書誌情報

読み仮名 イツワリノクスリコウアツザイディオバンリンショウシケンギワクヲオウ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 広瀬達郎(新潮社写真部)/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 336ページ
ISBN 978-4-10-121606-5
C-CODE 0195
整理番号 か-85-1
ジャンル 科学、暮らし・健康・料理
定価 605円

著者プロフィール

河内敏康

カワチ・トシヤス

1970(昭和45)年愛知県生れ。1997(平成9)年、毎日新聞社に入社。千葉支局、科学環境部などを経て、毎日新聞東京本社医療福祉部副部長。

八田浩輔

ハッタ・コウスケ

1979(昭和54)年広島県生れ。2004(平成16)年、毎日新聞社に入社。京都支局、北陸総局、科学環境部、外信部などを経て、毎日新聞ブリュッセル支局特派員。

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