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僕は9歳のときから死と向きあってきた

柳田邦男/著

693円(税込)

発売日:2014/04/30

  • 文庫

ヒロシマ、水俣、薬害、航空機事故、がん、そして次男の自死――。「生と死」を巡る著者50年の集大成。

幼少時に体験した空襲の恐怖。「原風景」となった敗戦直後の兄と父の静かな病死。ジャーナリストとして調査報道で向きあった原爆や水俣病、災害、薬害、航空機事故の被害者たち。尊厳死という選択、「がん」で死ぬことへの考察。そして次男の自死――。幾多の死を見つめ、「現代におけるいのちの危機」に取り組んできた著者が、半世紀をかけて綴った「生と死」を巡る仕事の集大成。

目次
はじめに
1 私の「生と死」の原風景~小学生時代から大学生時代まで
人生を支配した恐怖のトラウマ
次兄の死、父の死――その心の遺産
生の危うさへの気づき
赤ん坊の死に涙して
道しるべとなった二冊の写真集
2 「自分の死を創る」時代への気づき~四十歳代の死生学事始め
死を生きた人々からの啓示
がん死一位時代と人間の生き方
「自分の死を創る」時代の提言
医療の思想を転換させた「死の臨床」
私は突然死よりがん死を望む
3 私の尊厳死への思い
尊厳死と安楽死への視点
私にとっての「尊厳ある死」
4 息子の自死に直面して~五十七歳の夏の衝撃
なぜ『犠牲』を書いたか
「成熟」という心の座標軸
自己分析――私はなぜ命を絶たなかったのか
5 河合隼雄先生から学んだこと
「死後生」の問題は生き方にもかかわってくる
いかに生き、いかに死ぬか
物語を生きる人間と「生と死」
6 この困難な時代の中で
「負の遺産」と再生の道
相次ぐ身近な「死」、そして『「死の医学」への日記』
死が生に問いかけるもの――人生最大の課題を考える
「これが私の人生」と言えるための在宅ホスピス
7 「色即是空」との歩み、そしてこれから
母の遺したもの
兄、二十二歳の発心 八十三歳にして成就
「色即是空」の風景との五十年
「悲しみ」こそ真の人生のはじまり
言葉は「いのち」の伝導者
おわりに
文庫版あとがき
出典一覧
使命と宿命 徳永進

書誌情報

読み仮名 ボクハキュウサイノトキカラシトムキアッテキタ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 384ページ
ISBN 978-4-10-124925-4
C-CODE 0195
整理番号 や-8-25
ジャンル 哲学・思想
定価 693円

著者プロフィール

柳田邦男

ヤナギダ・クニオ

1936(昭和11)年、栃木県生れ。1995(平成7)年『犠牲―わが息子・脳死の11日』とノンフィクション・ジャンル確立への貢献が高く評価され菊池寛賞受賞。災害・事故・公害問題や、生と死、言葉と心の危機、子どもの人格形成とメディア等の問題について積極的に発言している。主な近著に『壊れる日本人』『「気づき」の力』『生きなおす力』『人の痛みを感じる国家』『新・がん50人の勇気』『僕は9歳のときから死と向きあってきた』『「想定外」の罠―大震災と原発』『生きる力、絵本の力』『終わらない原発事故と「日本病」』『言葉が立ち上がる時』がある。翻訳絵本に『ヤクーバとライオン』『少年の木』『その手に1本の苗木を』『やめて!』等多数。

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