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いじめと不登校

河合隼雄/著

649円(税込)

発売日:2009/08/28

  • 文庫

「子どもの個性を大事にしようと思ったら、ちょっと教えるのをやめて、待ったらいいんです。」この困難な時代を生き抜くために、今こそ聞きたい河合隼雄の言葉。

「いじめ」や「不登校」が増えているという。これを乗り越えるには子どもの「生きる力」を鍛えねばならない。その力はどうしたら育つのか? 悪いと知りつつ〈悪〉をやって、それをどう解決しようかと悩むことにより、子どもは鍛えられ「生きる力」が身につく。まわりの大人は手を出すのを我慢して、それを見守ってやらねばならない。この困難な時代を生き抜くために、今こそ聞きたい河合隼雄の言葉。

目次
はじめに
I 生きる力と学ぶ力
子どもの幸福とは何か
生きる力を育てる
学ぶ力を育てる
子どもと悪
親子の絆の逆説性
怒られて「こころのケア」は始まる
攻めの学問
II いじめと不登校
不登校 明るく悩むために vs.奥地圭子
大事なのはこじらせないこと/バッターボックスの選手のごとく/情報化時代の親子/上手に振り回されること/なぜ先生は威張るのか/もっと自分を出せる場に/日本中が個性をすり減らす/子が親を変える/学校と効率/ストレス空間/学校への助言
教育に何ができるか vs.大川公一・芹沢俊介
「父性の復権」を間違えてはいけない/「見守る」とはどういうことか/簡単に決めつけてはいけない/平和に生きることは大変なこと/教師として陥りやすい欠点/大人になることの難しさ/大人の常識の盲点/核家族のなかの子ども/ほめるタイミング/手探りする子どもたち/子どもたちの自発性を尊重する
いじめの深層 vs.赤坂憲雄
小さな塾で見えてきた「いじめ」/畏敬から排除の対象になった転校生/均質化と差異探し/教師のホンネとマスコミのタブー/アメリカのいじめ、日本のいじめ/「いじめ根絶」論の危うさ/ムラハチという「知恵」/暴力の抑圧といじめ/転校・登校拒否の自由化をめぐって/なぜ一九七〇年代後半からなのか/教育に変化のきざし
よろいを脱ごうよ vs.如月小春
不安があおる“お受験熱”/突出を嫌う日本の悪平等/自己肯定感取り戻そう
III 「河合隼雄」に聞く
子どもの成長に「悪」は必要だ
母性社会の変容と現代人の生きる道
ナイフ事件でわかった'98日本
語る 河合隼雄の世界
あとがき
解説 芹沢俊介

書誌情報

読み仮名 イジメトフトウコウ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 352ページ
ISBN 978-4-10-125228-5
C-CODE 0137
整理番号 か-27-8
ジャンル 教育学
定価 649円

著者プロフィール

河合隼雄

カワイ・ハヤオ

(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。日本におけるユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。

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