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就活のため、拓人は同居人の光太郎や留学帰りの瑞月らと集まるが――。直木賞受賞作!

何者

朝井リョウ/著

637円(税込)

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発売日:2015/07/01

読み仮名 ナニモノ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-126931-3
C-CODE 0193
整理番号 あ-78-1
ジャンル 文芸作品、文学賞受賞作家
定価 637円
電子書籍 価格 702円
電子書籍 配信開始日 2015/12/18

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

著者プロフィール

朝井リョウ アサイ・リョウ

1989年5月生まれ。岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年、『何者』で第148回直木賞を受賞。他の著書に『チア男子!!』(第3回高校生が選ぶ天竜文学賞)、『少女は卒業しない』『星やどりの声』『もういちど生まれる』『世界地図の下書き』(第29回坪田譲治文学賞)、『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『ままならないから私とあなた』エッセイ集『時をかけるゆとり』がある。

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直木賞受賞記念特別インタビュー

直木賞受賞作『何者』 映画化2016年秋公開

まだ「何者」でもない若者たちへ
いまも「何者」でもない大人たちへ
――観る者に突き刺さる青春映画完成!


共感する感覚を伝えたい――

 朝井さんという作家の、物事を理屈づけしていく観察眼は、自分の理系の感覚とも共通していて、よくわかるんです。
 新刊の『何様』に収録されている作品を読んで、理詰めでセックスまで突き進んでいく描写がすごくエロティックで……そういうところは共有していると思います。
 映画では、原作にある拓人への瑞月の言葉を、自分の解釈に引きつけて、ラストで増幅させています。これを伝えたいと強く思ったので――。
 この作品はSNSによるコミュニケーションの変容が大切なテーマで、自分も使っていていろいろなことを感じます。こういうツールを使い慣れた人たちの意識はさらに変化していると思いますから、彼らがこの映画を観て、どう感じるかを知りたいです。

監督・脚本 三浦大輔



退屈なシーンがひとつもない映画

 この作品が映画化されるということは知っていましたが、自分がやるとは思いませんでした。この主人公を演じるのは大変だろうな、と。
 原作を読んで感じたのは、原作者はなんて性格が悪いのだろう、そしてそれに共感している自分も、性格が悪いな、ということでした(笑)。
 拓人になるための、演じる手がかりとして、原作者の朝井リョウさんをイメージして、同じ髪型にしてみたりもしました。もちろん拓人は、朝井さんではないのですが、そういうことから始めて、自分じゃないものになろうとしたんです。
 撮影してすぐは、その作品について客観的になりにくいものですが、出演者の誰もが素晴らしくて、とにかく見逃せないシーンの連続で、退屈な時間がまったく無い映画になっています。

主演・拓人役 佐藤 健

波 2016年9月号より

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コラム 新潮文庫で歩く日本の町

宮崎香蓮

 私は早稲田大学に在学中なのですが、幸いというか、「就活」という体験をせずに大学を卒業します。でも入学した年だったか、「君たちの頃は景気が上向いているよ」と言われたのは覚えていて、実際、昨年はまあまあ売り手市場だという評判でした。
 もっとも、就活が大学生のたいへんなストレスになっていることは変わらなくて、自分をじっくり見詰めなきゃいけないし、面接官相手に白々しいとお互い思うような言葉も口にしなければいけないし、理由がハッキリ分らないまま自分が否定されることもままあるわけです。私の友人たちもSNSで〈こんなに就活やってます〉みたいな努力アピールとか〈面接の実況中継〉などを、盛んに書いていた時期がありました。そんな形ででも発散していかなかったら、とても立っていられない……という厳しさと寂しさが就活にはあるみたいです(こんなふうに、他人事で書いて申し訳ないなと思います。ただ演技の仕事をしている時、新しい役を解釈し咀嚼するには、結局自分と向き合って、さらけ出して、何が生まれるかが勝負だ、という感覚は就活と似ているのかもしれない、と思い直しもしました)。
 就活中の友人に絶対読ませられない、と思ったのが(今月号表紙の)朝井リョウさんの『何者』。最初に読んだのが大学二年の時だったので、まだこの作品の本当のリアルさを分っていませんでしたが、就活とSNSをめぐるこの小説は、就活生の心のたまらなく怖い部分まで抉っていきます。
 ちょうどこの十月に映画が公開されるので、新潮文庫版には映画のオビが使われていますが、そこの紹介を借りると――拓人@冷静分析系男子→→片想い瑞月@地道素直系女子→→元カノ光太郎@天真爛漫系男子→→信頼サワ先輩@達観先輩系男子→←見下す隆良@空想クリエイター系男子→←同棲中理香@意識高い系女子(→←見下す拓人)の六人が主な登場人物。みんな就活中(あるいは就活をしないと決めていて)、拓人の視点で物語が進みます。
 拓人は他人の言動やSNSでの発言を、悪く言えばあげつらうのが巧みですが、自分の弱みも認めているように見えます。
 例えば大学最初のクラスコンパの回想場面。ユリナという派手な女子が会計(一人三千円)を買って出て、まめに働く。
「イイ子に思われたいんじゃない」みたいに言う拓人に、瑞月は「それでもすごいよ」と真直ぐに答えます。「ユリナさんのことを疑いの眼差しで見ていたことを瑞月さんに知られたくなくて、俺は、三枚以上あるとわかっている千円札の数を数える。飲み会に来る前に一万円札を千円札に両替しておくくらいには、俺は臆病者だ」。
 そんな繊細さも持つ拓人は模擬ESを前に「想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。他の人間とは違う自分を、誰かに想像してほしくてたまらないのだ」と呟き、二十ページ後では「やっぱり、想像力が無い人間は苦手だ」と思います。ところがその百二十ページ後で、信頼するサワ先輩に「お前はもっと、想像力があるやつだと思ってた」と否定されるのです。何が起きたのか? しかも物語はまだ百三十ページ続きます。拓人は自分の想像力を過信していたのか? 就活生でなくても怖い(そして面白い)小説だなあと再読して、嘆息が出ました。


(みやざき・かれん 女優)
波 2016年9月号より

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