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双頭の船

池澤夏樹/著

605円(税込)

発売日:2015/11/28

  • 文庫

その船は動く島か、不思議の方舟か。奇想の中に被災地再生の祈りを込めた痛快な航海記。

巨大な波が押し流した町、空が落ちて壊れた土地――災厄に見舞われた沿岸へ、舳先と艫が同じ形をした小さなフェリーは、中古自転車と希望を載せて進む。失恋したての青年、熊を連れた男、200人のボランティアと小動物たち。そして被災地では、心身を傷めた人々を数限りなく受け入れながら。東日本大震災の現実をつぶさに見つめた著者による被災地再生への祈りに満ちた魅惑の物語。

目次
ベアマン
北への航海
千鶴さんとヴェット
金庫ピアニスト
さくら丸
オオカミが来た
フォルクローレ
さくら半島
解説 大和田俊之

書誌情報

読み仮名 ソウトウノフネ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 304ページ
ISBN 978-4-10-131822-6
C-CODE 0193
整理番号 い-41-12
ジャンル 文芸作品、文学賞受賞作家
定価 605円

著者プロフィール

池澤夏樹

イケザワ・ナツキ

1945(昭和20)年、北海道生れ。埼玉大学理工学部物理学科中退。ギリシア詩、現代アメリカ文学を翻訳する一方で詩集『塩の道』『最も長い河に関する省察』を発表。1988年「スティル・ライフ」で芥川賞を、1992(平成4)年『母なる自然のおっぱい』で読売文学賞を、1993年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎賞を、2000年『花を運ぶ妹』で毎日出版文化賞を受賞。著書に『言葉の流星群』『憲法なんて知らないよ』『静かな大地』『世界文学を読みほどく』『きみのためのバラ』『カデナ』『氷山の南』『アトミック・ボックス』等多数。他に『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』もある。

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