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おそめ―伝説の銀座マダム―

石井妙子/著

880円(税込)

発売日:2009/03/30

  • 文庫

白洲次郎が通った。川端康成が愛した。時代の寵児たちを魅了したあるマダムの半生。

かつて銀座に川端康成、白洲次郎、小津安二郎らが集まる伝説のバーがあった。その名は「おそめ」。マダムは元祇園芸妓。小説のモデルとなり、並はずれた美貌と天真爛漫な人柄で、またたく間に頂点へと駆け上るが――。私生活ではひとりの男を愛し続けた一途な女。ライバルとの葛藤など、さまざまな困難に巻き込まれながらも美しく生きた半生を描く。隠れた昭和史としても読める一冊。

目次
序章 出会い
第一章 高瀬川のほとり
生家は石炭問屋
美貌の母
義父の情欲
姉妹の成長
生き地獄
角田秀から上羽秀へ
再会の日
新橋で芸者修業
祇園芸妓おそめ
第二章 祇園芸妓おそめの誕生
「おそめ見る会」
廓のいじめ
初恋の人
因縁の旦那
落籍されて
自由への希求
終戦まで
再びの祇園
運命の出会い
俊藤浩滋という男
父との再会
第三章 木屋町「おそめ」の灯
女給暮らし
木屋町「おそめ」開店
思い出の一見客――服部良一と門田勲
大佛次郎作品と「おそめ」
白洲正子と青山二郎のおそめ評
俊藤との関係
突然の訪問者
高まる東京への思い
第四章 「おそめ」の銀座進出
銀座という街
東京の京都
開店の日
「空飛ぶマダム」へのやっかみ
小説『夜の蝶』の誕生
「エスポワール」川辺るみ子
白洲次郎と川口松太郎
個性の違い
文士劇への差し入れ
川端康成と「おそめ」
「おそめ」の全盛
「おそめ」の女たち
第五章 凋落の始まり
八丁目への移転
京都御池の「おそめ会館」
クラブ「ラ・モール」の銀座進出、企業資本の参入
偽洋酒事件
高まる非難
変わる文壇
「眉」長塚マサ子との確執
「おそめ会館」の苦戦
第六章 俊藤浩滋の妻として
俊藤浩滋の転進
傍らの女
常連たちの死
娘の結婚
「おそめ」閉店の日
川辺るみ子の死
客たちとの晩年
帰郷
母・よしゑの死
はじめての結婚
俊藤浩滋の死
上羽家の墓
終章 流れの人よ
あとがき
参考文献一覧
解説

書誌情報

読み仮名 オソメデンセツノギンザマダム
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 488ページ
ISBN 978-4-10-137251-8
C-CODE 0123
整理番号 い-95-1
ジャンル ノンフィクション
定価 880円

著者プロフィール

石井妙子

イシイ・タエコ

1969(昭和44)年、神奈川県茅ヶ崎市生れ。白百合女子大学卒、同大学院修士課程修了。1997(平成9)年より、毎日新聞囲碁欄を担当。囲碁の記事を書く傍ら、約5年の歳月を費やして『おそめ』を執筆。綿密な取材に基づき、一世を風靡した銀座マダムの生涯を浮き彫りにした同書は高い評価を受け、新潮ドキュメント賞、講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補作となった。著書に『日本の血脈』『満映とわたし』(共著)など。『原節子の真実』で第15回新潮ドキュメント賞を受賞した。

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