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闇夜の国から二人で舟を出す

小池真理子/著

565円(税込)

発売日:2008/04/25

  • 文庫
  • 電子書籍あり

生きて恋して書いてゆく。生の証しを刻んだエッセイ集。

学園紛争に揉まれながらひたすらに読書を愛した十代から、今日まで。「私は未だに、あのころの自分をそっくりそのまま引きずりながら、やみくもに舟を漕ぎ続けているような気もする」小池真理子が明かす、運命の瞬間、創作の秘密、小説と男への愛、人生への情熱。瑞々しい言葉の連鎖に浮かび上がる「生」の航跡が、静謐な輝きを放つエッセイ集。文庫化に際し「時の水脈」を収録。

目次
I 書くことに向かって
本の香り
虚構と現実のはざまで
作家になりたい症候群
ひとときの至福
クラシックと小説宇宙
神が降りた
冬の夜の出来事
エロスとタナトス
平戸から物語は始まった
短編=額縁に囲まれた一枚の絵
「夫婦で直木賞」 かくも長き五年
愛と死、エロスの連鎖を書く
II 偏愛読書歴
ページの中に自分の足跡
もう一度読みたい一冊 カミュ『裏と表』
モラヴィア偏愛
絶望的な悦楽 ナボコフ
デュラスの扉を叩く
無垢なエロティシズム
サガン『冷たい水の中の小さな太陽』
催涙弾・パリ・男と女 フランソワーズ・サガンのいた時代
夏の読書特集 ロマンス
アニーの恋人
安吾のバクダン
風貌への追想 高橋和巳
風貌への追想 三島由紀夫
狂おしい精神
三島由紀夫と同性愛
人生最後の恋の痕跡 『谷崎潤一郎=渡辺千萬子 往復書簡』を読む
「クラハシ」という胸おどる文学的記号
あの時代の空気
III イメージをめぐる映像
吉行淳之介における男の色気
森瑤子さんのこと
再会
土着的エロティシズムと神聖さ 吉永小百合
倒錯は妖しい美をはらんで
恋はつねに一篇の小説
私の勧める「恋愛映画」
肉体を得る
世紀末の画家
IV きらめくエロスの旅
水蜜桃の少女
大人の女
もう一つのエロス
男たちを愛する方法
口説き、口説かれ……
妹たちへ
知らないことは、知らないままに
講演嫌いの弁
夢とうつつ
小池真理子のひとりごと 1 恋におちる
小池真理子のひとりごと 2 なるようになる
小池真理子のひとりごと 3 豊饒のひととき
小池真理子のひとりごと 4 色気について
年齢幻想
V ひとそれぞれに生きる
父の書棚
時の流れ、私の住まい その一
時の流れ、私の住まい その二
45回転の青春 古き佳き日の恋
懐かしい家の匂い
母子像
やはり桜の樹の下には……
夕立という名の水の檻
クマは走る
触れる
壮大な宇宙の法則
霊の話
非日常の夢
水が流れるように
私を自由にさせる場所
独りでいることの美意識
永遠の宿題 人はなぜ恋をするのか
さよなら、ゴブ
一年ののち
ひとそれぞれに生きる
VI 時の水脈
あとがきにかえて
文庫化にあたって

書誌情報

読み仮名 ヤミヨノクニカラフタリデフネヲダス
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 368ページ
ISBN 978-4-10-144023-1
C-CODE 0195
整理番号 こ-25-12
ジャンル エッセー・随筆、文学賞受賞作家
定価 565円
電子書籍 価格 627円
電子書籍 配信開始日 2016/12/09

著者プロフィール

小池真理子

コイケ・マリコ

1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。1995(平成7)年『恋』で直木賞、1998年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、『無花果の森』で2011年度芸術選奨文部科学大臣賞、2013年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞した。代表的な長編作品に『狂王の庭』『虚無のオペラ』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『神よ憐れみたまえ』がある一方、短編の名手としても知られ、『水無月の墓』『夜の寝覚め』『雪ひらく』『玉虫と十一の掌篇小説』『Kiss』といった短編集も多数発表している。また、エッセイ集に『月夜の森の梟』などがある。

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