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えっ、虚弱な若だんなと妖怪コンビが猟奇事件を解決!? 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

  • 受賞第1回 吉川英治文庫賞
  • 受賞第13回 日本ファンタジーノベル大賞
  • 舞台化ミュージカルしゃばけ(2017年1月公演)
  • 舞台化しゃばけ(2013年4月公演)
  • テレビ化しゃばけ(2007年11月24日(土)放映)

しゃばけ

畠中恵/著

637円(税込)

本の仕様

発売日:2004/04/01

読み仮名 シャバケ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-146121-2
C-CODE 0193
整理番号 は-37-1
ジャンル 文芸作品、歴史・時代小説
定価 637円

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う……。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。

著者プロフィール

畠中恵 ハタケナカ・メグミ

高知生まれ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。ほかに『ぬしさまへ』『ねこのばば』『おまけのこ』『うそうそ』『ちんぷんかん』『いっちばん』『ころころろ』『ゆんでめて』『やなりいなり』『ひなこまち』『たぶんねこ』『すえずえ』『なりたい』、ビジュアルストーリーブック『みぃつけた』(以上『しゃばけ』シリーズ、新潮社)、『ちょちょら』『けさくしゃ』(新潮社)、『うずら大名』(集英社)、『明治・金色キタン』(朝日新聞出版)、『若様とロマン』(講談社)、『ひとめぼれ』(文藝春秋)、『まことの華姫』(KADOKAWA)、エッセイ集『つくも神さん、お茶ください』(新潮社)などの著作がある。

しゃばけ倶楽部~バーチャル長崎屋~ (外部リンク)

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コラム 新潮文庫で歩く日本の町

宮崎香蓮

 畠中恵先生原作の舞台「若様組まいる」(天王洲銀河劇場八月七日~十四日)に出演させて頂きます。明治二十年の東京で、旧旗本の若様たちが巡査になろうと思い立って教習所に入ってきます。そこには官軍だった薩摩組や、慶喜について行った静岡組、平民組などがいて軋轢も起きる中、ある事件が……。私は、主人公が恋ごころを寄せる大商家のお転婆お嬢様役。
 そんなご縁があって、手にしたことがなかった畠中さんの超人気作『しゃばけ』を読んでみたのですが見事にハマりました!
 シリーズ累計七百万部(!)を超えるという作品を今更紹介するのもアレですが――江戸の大きな廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の若だんな一太郎はめっぽう体が弱く、両親からは「大福餅の上に砂糖をてんこ盛りにして、その上から黒蜜をかけたみたい」に溺愛され、さらに手代たち(正体は犬神や白沢はくたくといったあやかしたち)に守られてもいる。ある夜、こっそり外出した一太郎は人殺しを目撃してしまうが……。
 なぜ一太郎は妖たちと喋ったりできるのか? そんな疑問の湧く間もなく(この謎は後で解かれます)、するすると作品世界へ入りこんでしまいます。時代はハッキリしないのですが、いかにも江戸らしい空気感や、今も残る地名がいくつも出てきて(物語の冒頭で一太郎は殺人を目撃した湯島聖堂前から坂を過ぎて昌平橋、筋違橋御門すじかいばしごもん前、須田町を通り、日本橋を渡って道なりに長崎屋まで帰っていく)、気分はファンタジーというよりリアルな時代小説そのものに見えます。江戸の人びとは妖(屏風のぞき、鳴家やなり、野寺坊など沢山登場します)の存在を信じていたかもしれず、そう考えるとこの小説は妙な具合にますますリアルな感じで迫ってきます。
 そして私は池波正太郎さんの『剣客商売』の時と同様、この柔らかな世界に浸っていたくなりました。〈ここ、好き〉という感覚。小兵衛やおはるがいる世界に住みたくなるように、一太郎や佐助(犬神)や仁吉(白沢)がいる家に泊りたくなります。この読者を巻き込み、もてなす力が凄い。
 そしてやはり池波さんと同じく、畠中さんも人生の苦いところを味わわせてくれます。長崎屋の北隣にある菓子屋・三春屋の跡取り息子栄吉は一太郎の親友ですが、菓子作りが苦手で、悩んでいます。決して仲違いをしたり返事を求めたりする口調でなく、栄吉は告げます。「(一太郎が)うらやましくてたまらないんだよ。(略)おじさんは、仕事をしないからってお前を叱ることはないんだろう?」。
 栄吉の悩みを理解しながらも、一太郎は「大笑いの発作を起こしそうになった。店ではたびたび小言が降ってくる。ただしそれは、張り切って仕事をしようとすると、言われるのだ。父が、母が、妖達が一太郎の指先から仕事を大急ぎで取り上げてゆく。(略)何もできない幼子のような気分になってたまらないと、そう目の前の幼馴染みに言えたらと思う。(略)贅沢な考えだと言われるのがおちだった。まったくそのとおりだと、一太郎自身、そう思っているのだから。/笑い出したいのか、泣き言を言いたいのか、喉の奥が震えて返す言葉が出ない」。こんな繊細な心を持った主人公(と親友たち)のいる世界だから、浸っていたいのです。


(みやざき・かれん 女優)
波 2016年7月号より

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