ホーム > 書籍詳細:誇りと復讐〔下〕

胸のすく結末が見事な裁判劇。被告の無実を確信し、大法廷で死力を尽す弁護士父子の秘策とは?

誇りと復讐〔下〕

ジェフリー・アーチャー/著、永井淳/訳

810円(税込)

本の仕様

立ち読みする

発売日:2009/06/01

読み仮名 ホコリトフクシュウ2
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-216129-6
C-CODE 0197
整理番号 ア-5-29
ジャンル 文芸作品、ミステリー・サスペンス・ハードボイルド、評論・文学研究
定価 810円

自分を陥れ、親友の命を奪い、最愛のベスを苦境の淵に突き落した男たちを絶対に許すことはできない! 収監中、身に付けた知識を武器に計画は着々と進む。しかし再び囚われて五つの大罪で告発され、絶体絶命の時を迎えたダニー。彼の無実を確信し、大法廷で死力を尽すレドメイン弁護士父子の秘策とは? 完璧な構成、周到な伏線、胸のすく結末が見事な、巧者アーチャーの裁判劇。

著者プロフィール

ジェフリー・アーチャー Archer,Jeffrey

1940年英国生れ。1966年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー、1969年には最年少国会議員として下院入りを果した。一代貴族(ロード)。自らの体験をもとにした『百万ドルをとり返せ!』や『ケインとアベル』『ゴッホは欺く』などの著書はすべてベストセラー。

Official Web site for Jeffrey Archer (外部リンク)

永井淳 ナガイ・ジュン

(1935-2009)1935年秋田生れ。埼玉大学卒業後、編集者を経て翻訳家。アーチャーの作品の他、A・ヘイリー、S・キング、R・ダールなど訳書多数。

書評

波 2009年6月号より 命がけの圧倒的な物語

山本一力

初めて『ケインとアベル』を読んだのは、まだ三十代の始まりころだった。文字通りの一気読みを果たしたあとで……。
「こんな小説が書けたあとは、もう一作も書けなくてもいいと作者は思うだろうなあ」
わたしはこんなことを思ったものだ。それほどに素晴らしかった。
「こんな小説が書けたあとは……」については、自分が物書きになったあとで、なんたる無礼な思い違いだったかと、おのれの不明を深く恥じた。
作者に終点はない。
どの作者にも、次に発表する著作こそが我がベストだろうから。
わけてもアーチャー氏はそういう作家だ。
自分が詐欺に遭った体験から生まれたという傑作『百万ドルをとり返せ!』。この一作で、わたしは氏の次作を待ちわびる熱狂ファンの列に並んだ。
国会議員になった氏は、サッチャー元首相にきわめて近い席にも座り、我が国をおとずれたりもしていた。
が、なんとその後は入獄も経験した。
獄中の体験をもとにした短編も、何作も著している。
入獄は名作中の名作『ケインとアベル』を著してから、長き年を経たのちのことだ。
次作こそ我がベストを、氏ほど命がけで実践している作者はいない。
本作を読んで、わたしはそれを確信した。
先の読めない波瀾万丈こそが、氏の長編のなによりの持ち味。物語の一部を抜き書きしたり、話の成り行きを先読みさせることは、断じてしてはならないことだろう。
しかし、本作は違う。
上下巻の目次を見れば明らかだ。
プロローグのあとの第一部は『裁判』だ。続く第二部は『刑務所』とある。あとに続くのは『自由』『復讐』『救済』『審判』だ。
第一部裁判の次に刑務所がくれば、読書好きならおよその先行き見当はつくだろう。
本作は律儀にも、その見当通りに展開する。
それでいながら読了後に抱いた思いは、前述の通りである。
熱狂ファンを自任する者がいまさら言うことでもないが、アーチャー氏の筆力にはあらためて深い感銘を受けた。
読後には、身体の芯から汲めども尽きぬ満足感が湧き上がってくる。得た満足感は感銘を受けた理由のひとつだが、第一ではない。
なによりの理由は、本作の目次にある。
目次は本編の水先案内役だ。つまり目次を読んだ読者は、成り行きにおよその見当(予断)を抱いて読み進む。
氏はあえてネタバレ同然の目次を著した。どれほど読者が先の展開を予測しようが、そんなものは屁でもないほどに、物語が読者を圧倒するとの自負があったからだろう。
最終第六部は、『審判』。
本作は裁判に始まり、裁判で終結する。
この第六部の、まさに終幕間際に、ある重要な登場人物がみずから答弁する。
その人物に、それを言わしめた。
この一行あるがゆえに、読者は深い満足感を得ることができる。
さらには英国人気質とでも称すればいいのか、尊厳をも感ずることがかなう。
アーチャー氏は、まごうかたなき英国人だ。
氏が獄中でなにを思って過ごしたかは、知るよしもない。
しかし獄を出た氏は、著作の結末において、この人物にこの答弁をさせた。
歳を重ねるにつれて、執筆は体力勝負となるのはいずこの国であっても同じはずだ。
もはや高齢域にある氏が、このような傑作を著された。しかも結末に尊厳をもって。
読了するなり、次作を待つ列にあなたも並ぶであろうこと、請け合いだ。

(やまもと・いちりき 作家)

目次

第三部 自由(承前)
第四部 復讐
第五部 救済
第六部 審判
解説 関口苑生

関連書籍

感想を送る

新刊お知らせメール

ジェフリー・アーチャー
登録する
永井淳
登録する
文芸作品
登録する
ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
登録する
評論・文学研究
登録する

同じジャンルの本

書籍の分類

誇りと復讐〔下〕

全国の書店、または以下のネット書店よりご購入ください。

※ 書店によっては、在庫の無い場合や取扱いの無い場合があります。あらかじめご了承ください。
※詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

  • amazon
  • 楽天ブックス
  • 7net
  • e-hon
  • HonyaClub
  • TSUTAYA ONLINE
  • 紀伊國屋書店
  • エルパカBOOKS - HMV
  • honto