ナショナル・ストーリー・プロジェクトI
737円(税込)
発売日:2008/12/22
- 文庫
猫がボールを木の枝から落としてくれた。グラブも、バットも、悠然と。←それは確かに起こったこと。全米選りすぐりの実話、胸を打つ180篇。
「誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は想像しがたい」。元はラジオ番組のためにオースターが全米から募り、精選した「普通の」人々の、ちょっと「普通でない」実話たち――。彼の小説のように不思議で、切なく、ときにほろっとさせられ、ときに笑いがこみ上げる。名作『トゥルー・ストーリーズ』と対になるべき180もの物語。
目次
編者まえがき
動物
鶏/ラスカル/黄色い蝶/ニシキヘビ/プー/ニューヨークの迷い犬/ポークチョップ/B/二つの愛/ラビット・ストーリー/カロリーナ/アンディと蛇/青空/抵抗/ヴァーティゴ
物
星と鎖/ラジオ・ジプシー/自転車物語/お祖母ちゃんの食器セット/ベース/母の時計/一件落着/写真/屋根裏で見つかった原稿/ア・テンポ/学ばなかった教訓/ファミリー・クリスマス/僕のロッキンチェア/一輪車/モカシン/縞の万年筆/人形/ビデオテープ/ハンドバッグ/金の贈り物
家族
雨天中止/隔離/つながり/クリスマス前の水曜日/父はいかにして仕事を失ったか/ダニー・コワルスキー/復讐/クリス/プット・ユア・リトル・フット/マートルおばさん/アメリカン・オデュッセイア/グリーンピース一皿/罪を洗うこと/二重の哀しみ/人生の縮図/マージー/一千ドル/別れを告げる/思い出す営み
スラップスティック
大陸の両岸で/フェルトの中折れ帽/人間対コート/ザッツ・エンタテインメント/ケーキ/アンディと乗る/ソフィスティケイテッド・レディ/初めて司祭服を着た日/ジューイッシュ・カウボーイ/友を獲得し人を動かす方法/パパは花粉症/リー・アンとホリー・アン/私が毛皮を嫌いになったわけ/エアポート・ストーリー/雛鳥狂騒曲/ラウンジカー/ブロンクス流どたばた/ヒグリーでの一日
見知らぬ隣人
七十四丁目のダンス――一九六二年八月、マンハッタン/ビルとの会話/グレイハウンドに乗って/ニューヨーク小話/わがあやまち/転居先不明/新顔の女の子/マーケット通りの氷男/ベイブと私/詩人たちの生活/迷子の国/虹/神の救い/ある経験/世間は狭い/一九四九年、クリスマスの朝
書誌情報
読み仮名 | ナショナルストーリープロジェクト1 |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 368ページ |
ISBN | 978-4-10-245111-3 |
C-CODE | 0198 |
整理番号 | オ-9-11 |
ジャンル | エッセー・随筆、評論・文学研究、ノンフィクション |
定価 | 737円 |
著者プロフィール
ポール・オースター
Auster,Paul
1947年生れ。コロンビア大学卒業後、数年間各国を放浪する。1970年代は主に詩や評論、翻訳に創作意欲を注いできたが、1985年から1986年にかけて、『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表。一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた。他の作品に『ムーン・パレス』『偶然の音楽』『リヴァイアサン』『ティンブクトゥ』『幻影の書』『ブルックリン・フォリーズ』『写字室の旅/闇の中の男』『冬の日誌/内面からの報告書』などがある。
柴田元幸
シバタ・モトユキ
1954年、東京生れ。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、『ケンブリッジ・サーカス』『翻訳教室』など著書多数。文芸誌「Monkey」の責任編集を務める。
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