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子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ!

おっぱいがほしい!―男の子育て日記―

樋口毅宏/著

1,404円(税込)

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発売日:2017/06/30

読み仮名 オッパイガホシイオトコノコソダテニッキ
装幀 町山智浩/装画、新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 週刊新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 236ページ
ISBN 978-4-10-316933-8
C-CODE 0095
ジャンル 妊娠・出産・子育て
定価 1,404円

無頼のハードボイルド作家である俺なのに、いつのまにか専業主夫になっている。一体、何故?――美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛んだ妻を“満足させ”つつ、あらゆる家事と育児を「完璧に仕切る」俺のファンキーな毎日。こんな楽しいこと女に独占されてたまるかっ!

著者プロフィール

樋口毅宏 ヒグチ・タケヒロ

1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。小説作品に『民宿雪国』『日本のセックス』『雑司ヶ谷R.I.P.』『二十五の瞳』『テロルのすべて』『ルック・バック・イン・アンガー』『愛される資格』『甘い復讐』『ドルフィン・ソングを救え!』『太陽がいっばい』が、また新書『タモリ論』、コラム集『さよなら小沢健二』、『おっぽいがほしい! 男の子育て日記』の著作がある。

書評

イクメンとは次元がちがう

眞鍋かをり

 タイトルを見て「ああ、最近よくあるイクメンの育児日記でしょ?」と思った人。その予想、大ハズレですよ。
 そもそも、私はイクメンという言葉が苦手である。男性の育児参加を促進するという目的においては非常にキャッチーで浸透しやすいワードだったと思うけれども、最近巷に増殖している「いかにもファッション的にイクメンぶる輩」や「イクメンの旦那を持つアタシ♡アピールをする女」はうすら寒く感じ、生理的に受け付けない。
 この本の著者である樋口毅宏さんは、イクメンとは次元が違う。手伝いなんてレベルではない、男によるガチの子育て。でも、本当にすごいのはそこじゃない。父親として全力で乳児に向き合うことよりも遥かに壮絶に思えるのが、彼の夫としての奮闘っぷりだ。
 TBSの朝の情報番組「ビビット」で共演させてもらっていた女性弁護士、三輪記子さんの旦那さんが週刊新潮で連載をしているらしいと聞き、さっそく買って読んでみたのが、このコラムを知ったきっかけ。初めて読んだときは、何かの間違いじゃないかと二度、いや三度も読み返してしまったほどの衝撃を受けた。
 三輪さんとは同じくらいの子供を持つ母として、毎回の打ち合わせ中やCMの合間、一緒にママトークで盛り上がっていた。「習い事とかやらせますか?」「本人の才能を伸ばしてあげたいですよね~!」「いい知育ツールあったら教えてください♡」東大卒で頭の回転が速く、産後も弁護士やタレントとしてバリバリ働いている三輪さんは、私にとって憧れの先輩ママ。ぜひぜひ東大ママの子育て法を参考にさせてもらおう! と、私はすっかり「ママ友モード」で、いつも彼女とホンワカした子育てトークを繰り広げていたのだ。
 そ、そんな三輪さんが……。
「ヤリマン」「絶倫」「夫への暴言」etc.……コラムに「妻」として登場する三輪さんは、なんだかもう、とにかく凄いことになっていた。え……? コレ、本当に三輪さんのことなの……? にわかには信じられない。
 しかしながら、これまでのことを思い返してみると、ただならぬ違和感を感じる瞬間は確かにあった。
「子供を産むと、それまで素敵だなと思っていた人とか、若いイケメンとかが無理になりません?」
 私がそう三輪さんに質問したときのこと(ちなみに私は、プロレスラーの中邑真輔選手が大好きだったが、産後は彼のクネクネした動きがセクシー過ぎて受け付けなくなった)。すると彼女は激しく相槌を打ちながら、食い気味にこう仰ったんですよ。
「わかります、わかります! この私ですら、そうなりましたから!」
 ん……? この私で……「すら」……? ちょっと待て、あんた一体何者なんだ!?
 そのとき感じた違和感が、コラムを拝読して「なるほど、そういうことね」と、キレイに解消したのだった。三輪さんて、“やべえヤツ”だったんですね。
 次の週に直接本人にそれを確認すると、彼女もあっさり「そうなんですよ!」と認めたため、それからは憧れのママ友改め“やべえヤツ”として交流することにした。CM中の時間が、何十倍も楽しくなった。
 最初こそびっくりしたものの、男の子育て日記を読み続けると、不思議なことにフッと肩の力が抜けて楽になる瞬間がある。子育てをしていると、世間からの「聖母光線」にさらされて無意識のうちに自分を「良き母像」に寄せようとしてしまうところがあるのだが、彼らのぶっ飛んだ子育てエピソードは、そんな聖母もどきの私を見えない圧力から解放してくれたのかもしれない。親になったからといって「生まれてきてくれてありがとう」のような耳ざわりのいい言葉ばかり口にする必要なんてないのだと、改めて気付かされたのだった。
 もちろん、子を持つ親ならだれもが共感するであろう息子の一文くんへの愛情も、本書の端々にちりばめられている。我が子がもたらしてくれる幸せ、どんな人間に成長するのだろうという希望が、樋口さんの豊富な知識とボキャブラリーで語られていてとても楽しい。これから先、一文くんのイヤイヤ期や思春期をこのご夫婦がどのように過ごしていくのか、楽しみでならない。ぜひ、続編をお待ちしています。

(まなべ・かをり タレント)
波 2017年7月号より

目次

第1章 子育てってこんなに大変なの!?
子育てはじめました
子供を持って初めてわかること
そして妻は20キロ肥えた
樋ロ一文の由来
妻の悪行を義弟から間く
ウチの子可愛い自慢
三輪記子ヤリマン伝説
『ママだって、人間』
#保育園受かったの私だ
主夫に向く男の条件
おっばいがほしい!
高齢出産のダメージ
俺はそろそろ浮気をすると思う
〔園日さんの子供、産んでもいいですか?|出会いから結婚まで〕
第2章 妻の愚痴、夫の不満、されど赤子はすくすく育つ
四ヶ月健診
東大妻に本を薦める
保育園デビュー
下病騒動でわかったこと
俺は使い勝手のいい家政夫じゃない
いつかこの子もオナニーをする
今ならデビッド・ボウイの気持ちがよくわかる
卒乳、離乳食
従妹の結婚式でダウン(親が)
「どんなに疲れていても帰ってきたら笑顔で迎えろ」だと?
松江哲明さん御家族と
〔お腹はだんだん大きくなっていった|妊娠期〕
第3章 呆れた親を手本にこの子は育つ
三輪記子暴走日記
ツイッターでフォロワーさんに訊いてみた
子供の体調が悪くなるたび、気を揉むのが親というものなのか
「子供お断り」の店
あたし、見ちやったんです
三輪記子のグラビア撮影が決まった
読者の皆様にお詫びがあります
僕と記子のキューピッドに一文を抱っこしてもらった
原因不明の病気(親が)
保育士さんって、エラい
『ボブ・グリーンの父親日記』
三輪記子ヤリマン伝説Ⅱ
この女はどこまで最低なのだろう
〔初めまして。パパとママだよ|出産〕
第4章 されど子育ての日々
「あんたたちは今に別れるんやろうけど」と義母は言った
子育てあるある
この映画監督のおかげで妻は弁護士を目指しました
夫は雑用係じゃない
誰に似たんだ
セレブママ向け雑誌「VERY」の取材を受ける
一文、一歳になる
怒り頂点の日
結婚して失敗したと思った瞬間
一文は僕の最高傑作です
妻が過去最大のキレまくり
激動の二〇一六年、ようやく終了
〔父へ〕

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