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こんなきれいな飛行機見たことがない!──新しい伝説が、いま飛翔する。

ホンダジェット―開発リーダーが語る30年の全軌跡―

前間孝則/著

1,728円(税込)

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発売日:2015/09/25

読み仮名 ホンダジェットカイハツリーダーガカタルサンジュウネンノゼンキセキ
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 316ページ
ISBN 978-4-10-328922-7
C-CODE 0095
ジャンル ノンフィクション、産業研究
定価 1,728円
電子書籍 価格 1,382円
電子書籍 配信開始日 2016/03/11

航空ショーに出展されるや一躍、アメリカの航空ファンを虜にした超小型機、ホンダジェット。エンジンから座席シートに至るまで自社設計にこだわった「創業者・本田宗一郎の夢」を乗せた機体が、いま離陸する! 無謀だ、ドン・キホーテだと揶揄されながらも、決して諦めなかった三十年の苦闘に迫るビジネスノンフィクション!

著者プロフィール

前間孝則 マエマ・タカノリ

1946(昭和21)年、佐賀県生まれ。石川島播磨重工業(現IHI)でジェットエンジンの設計に20年余従事する。1988年に同社を退職、執筆活動に入る。著書に国産旅客機MRJ飛翔』『なぜ、日本は50年間も旅客機をつくれなかったのか』『悲劇の発動機「誉」―天才設計者中川良一の苦闘』『朝日新聞訪欧大飛行』『マン・マシンの昭和伝説―航空機から自動車へ』『YS-11―国産旅客機を創った男たち』『飛翔への挑戦―国産航空機開発に賭ける技術者たち』など。

目次

まえがき
序章 ホンダ航空機事業参入の衝撃
航空機生産の新会社設立
自動車から航空機進出は稀有な例
四五歳の若さで社長就任
出展して見学者の反応を探る
民間機ビジネスはスポーティーゲーム
ビジネスジェット機の市場とは
ビジネスジェット機元年
第一章 創業者精神の水脈
マン島レースへの出場宣言
世界最高峰のF1レースで優勝
宗一郎が追った飛行機への夢
自動車から航空機部品へ方向転換
第二章 五里霧中の日々
「自動車工業不要論」を超えて
基礎技術研究センターを設立
受け継がれるホンダスピリット
小型ジェット機をやれ
父親は「白菊」特攻隊に
難関の東京大学へ
日本の航空機産業に失望
こんなことを学ぶために米国に
ガスタービンをやれ
空飛ぶシビックを目指す
革新的なエンジンの開発
NASAの限界突破を狙う
全複合材の前進翼を目指す
MH‐02飛翔する
もう一度、基礎に戻ろう
HFX01エンジンの開発
航空機開発を終わらせたくない
川本社長に研究継続を願い出る
新たな小型ジェット機開発を直訴
千載一遇のチャンス
オヤジさんに騙されちまった
第三章 ハードウエアで世界を変える
あまりにもユニークなコンセプト
ハードウエアで攻めていこう
日本のクルマに範をとる
革新的なアイデアの閃き
過去の失敗例
自分を無にする
飛行機はいかなる原理で飛ぶのか
自然層流翼とは
専門家の落とし穴
主翼の上にエンジンを置く
念には念を入れて検証
少人数での総動員体制
フラットな組織でトップとやり取り
世界最先端のエンジンを
アルミより一〇パーセント軽量化
機体のデザインまでも手掛ける
最先端のコックピットシステム
胃が痛む荷重試験
複雑な思いの初飛行
再び立ちはだかる事業化の壁
飛ばすところまではやる
エンジン部門は他社との連携を模索
新たなエンジンを
第四章 飛翔への道程
足らざるところを補い合う
エンジン事業の旨味とは
ホンダ エアロ インクを創設
米学会やNASAが高く評価
日本人だから受賞は難しい
見通せない事業化への道
航空ショーに出展してみよう
福井社長が事業化を決断
いきなり一〇〇機以上受注
機体工場の建設
得意分野を合体させたHF120
FAAから激励される
技術は失敗から学ぶ
型式証明取得への道
サプライヤー・コンファレンス開催
工場およびR&Dセンター見学
販売・カスタマーサポートの体制
リーマンショックを超えて
世界的な賞を三つも受賞
藤野流経営とリーダーシップ
偉大な開発リーダーに学ぶ
大きなビジョンを示す
終章 グローバル時代の新次元へ 
国産とは何か
日本の航空機産業への疑問
さまざまなカルチャーを融合
日本流モノづくりで世界に挑む
欧米航空機企業の弱点
リスクを取って開発するスタイル
トヨタの航空機進出の可能性は
ホンダジェットがウイチタを変える
航空機開発二九年間を振り返って
先人たちの生き方に励まされて
“日本人だから”の時代は過ぎ去ったのか
本田宗一郎とのたった一度の出会い
あとがき
主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

チャレンジ精神は死なない

前間孝則

 日本は敗戦による荒廃から、わずか二十数年にして世界第二位の「経済大国」にのし上がった。その大きな要因の一つは、小資源国ゆえ、モノづくりを中心に据えて多大な情熱を注ぎ込んできたからであろう。ところが、最近はいま一つ元気がない。その典型例がソニーである。かつては、独創的な製品を次々に生み出して、世界の注目を集めたものだ。
 だが、この十数年は鳴かず飛ばずである。それは日本の産業全般においても当てはまりそうだ。
 近年、国民の誰もが拍手を送りたくなるような独創的な製品開発の事例が思い浮ぶであろうか。新興国の追い上げが目立つ中で、「今後も、モノづくりで発展していかねばならない日本は、これから先、本当に大丈夫だろうか?」との不安感が国民の間にじわじわと広がってきている。
 今年の四月二十三日、そんな日本の空気を吹き飛ばすように、“日本のモノづくりここにあり”とばかりに羽田空港に降り立ち、その雄姿を披露したのが小型ビジネスジェット機の「ホンダジェット」である。
 一九八六年、二輪および四輪車のメーカーであるホンダは、「無謀! 自動車屋だから、航空界の常識を知らない」との嘲笑も恐れず、若い技術者ら五人を“航空機大国”アメリカに送り込み、ゼロからの研究開発を秘密裡にスタートさせた。そしてNASA(米航空宇宙局)が取り組んでも実用化できなかった革新的な実験機を開発して飛ばした。
 その後、「これまでの常識(タブー)を破る革新的なコンセプト」、「燃費や性能、居住性、快適性のすべてにおいて既存機を上回る」現在のホンダジェットを開発してこの業界を驚かせ、すでに「一〇〇機以上の受注を獲得した」と発表している。
 ホンダジェットのコンセプトを考案し、スタッフ達の反対も押し切って実現させたリーダーの藤野道格みちまさは、この功績により、“航空機設計者のノーベル賞”といわれる世界的な賞などを三つも受賞した。これは世界初の快挙である。
 彼のチャレンジ精神や強力なリーダーシップと並んで注目すべきことがある。この間の三〇年、五代にわたる経営のトップがいずれも、航空機の研究開発を支持し続けたことである。このときの舞台裏を少しばかり紹介すると、研究開発途上で計三機種の実験機を飛ばしたのだが、その過程で研究開発を継続するか否かで、トップは何度も逡巡した。ハイテクの頂点を極める航空機開発は、失敗の可能性も大きく、しかも金食い虫だからだ。
 それを乗り越え、高性能のホンダジェットの開発に成功した。ところが、いざ事業化する段階でまたもトップは逡巡する。なにしろ航空機は事故が死に直結するだけに、高い安全性や信頼性を要求され、それらを裏付けるための豊富な経験や実績も求められる。さらに顧客の信頼を得るためには、十分なアフターサービス網や販売体制の構築が不可欠、その初期投資も巨額になる。ホンダのように新規参入しようとすると、会社にとって、ハードルは極めて高く、リスクも大きい。
 だがその時、彼らの背中を押したのは、ホンダの底流にある創業者・本田宗一郎の無類のチャレンジ精神であった。
 十数年にわたり、筆者は開発リーダーや歴代の経営トップなどに取材を重ね、このほど、『ホンダジェット―開発リーダーが語る30年の全軌跡―』を発刊した。その中の一人で、ホンダジェット開発の断を下したホンダ四代目の社長・川本信彦氏は語った。
「オヤジ(宗一郎)さんは『あれをやってみろ、これをやってみろ』と常に檄を飛ばし、未知なるものへの挑戦を続けた。最近の日本は、失敗を恐れてチャレンジをしなくなってきた」

(まえま・たかのり ノンフィクション作家)
波 2015年10月号より

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