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ロッパ、エノケンからたけしまで。この一冊で、〈日本の喜劇人〉の全てが判る!

定本 日本の喜劇人―喜劇人篇・エンタテイナー篇―(2冊セット)

小林信彦/著

10,260円(税込)

本の仕様

発売日:2008/04/30

読み仮名 テイホンニホンノキゲキジンキゲキジンヘンエンタテイナーヘン
発行形態 書籍
判型 A5判
ISBN 978-4-10-331827-9
C-CODE 0095
ジャンル 演劇・舞台、タレント本
定価 10,260円

「日本の喜劇人」「日本の喜劇人2」「おかしな男 渥美清」(喜劇人篇)、「笑学百科」「天才伝説 横山やすし」(エンタテイナー篇)。小林信彦の喜劇人、エンタテインメントに関する評論、評伝、エッセイを完全収録する、ファン必携の決定版。今まで未刊行だった、インタビュー評論「これがタレントだ1963・1964」は必読。

著者プロフィール

小林信彦 コバヤシ・ノブヒコ

1932(昭和7)年、東京・日本橋生れ。「ヒッチコック・マガジン」創刊から編集長を務めた後、作家として独立。主な作品に、『唐獅子株式会社』『ちはやふる奥の細道』『夢の砦』『東京少年』『うらなり』(菊池寛賞)『日本橋バビロン』など。『日本の喜劇人』(芸術選奨新人賞)『天才伝説 横山やすし』『テレビの黄金時代』『おかしな男 渥美清』ほか、大衆文化に関するエッセイ、コラムも多数。『定本 日本の喜劇人』が、2008(平成20)年に刊行された。

書評

波 2008年5月号より 幻のコラムがついに

中野翠

あれはいったいどうなっているんだろう……。長い間、不思議に思っていた。小林信彦さんが三十代の初め頃に『サンデー毎日』に二年ほど連載していたという芸人コラムのことだ。週刊誌に二年間連載すれば、分量としてはかなりのものになる。それなのに単行本のどこにも収録されていない。そのコラムがきっかけになって、やがて名著『日本の喜劇人』が生まれたというのだもの、読んでみたいという人はおおぜいいるだろうに。もったいない。
そんな幻のコラム集がついに! 今回の『定本 日本の喜劇人』で読めるようになった。『日本の喜劇人』『日本の喜劇人2』、『おかしな男 渥美清』、『笑学百科』、『天才伝説 横山やすし』と並んで、『サンデー毎日』連載の芸人コラム――『これがタレントだ 1963・1964』がエンタテイナー篇に収録されたのだ。
『これがタレントだ 1963・1964』はそれだけで一三三ページに及んでいた。私が想像していた以上の分量だった。全部で七十四人(コンビやグループも含まれるので厳密には七十四組)について語られているが、二人をのぞいてはすべて当人にインタビューしたものだという。
連載第一回の登場人物はもちろん谷啓だ。私たちはのちの小林信彦さんを知っているから「もちろん」というふうになるのだが、当時の大人たちにとっては納得のいかない人選だったらしい。編集部の上のほうは「第一回はエノケンでしょう」と主張したという。
クレージー・キャッツの面々をはじめ、青島幸男、渥美清、弘田三枝子、益田喜頓、トニー谷、フランキー堺、岸田今日子……などいかにも小林さん好みの顔ぶれだけれど、時どき意外な人物も登場する。例えば、畠山みどり、三波春夫、玉川良一、てんや・わんや(漫才)……。当時たいへん注目を浴びていた人たちだ。小林さんは好みの強い人だけれど、同時に、大衆の集合的無意識を面白い謎としてつかまえたいという気持も強い。個人的な好みの圏外の人であっても真摯に向き合い、その人の魅力の核心を探ってゆく。関心の持ちようのバランスがいいマニアだ。
畠山みどりの持つ雰囲気を「ヘルス・センターという奇怪な湯治場」にたとえたり、三波春夫に会った印象を「適当に礼儀正しく、適当にあいそがよく、適当に油断がない」と鮮かにキメるところなぞ、もう、あの小林信彦はできあがっているのだった。私自身も含め、'80年代以降のコラムニストは多かれ少なかれ小林信彦が切り開いた道を歩いて来たのだと改めて思った。
私が最も楽しんだのは西村晃のくだりだ。「殿山泰司、小沢昭一とならんで、この人がヌッと長い顔を突き出しただけで、ふんい気ができてしまう。冷酷、好色、淫蕩なムードがすこぶる神秘的にあらわれる」
「得意の役は、旧日本陸軍の上官と“強姦をする男”だ。小沢昭一も“強姦役”が多いが、彼のはいつも“未遂”で、一方、西村晃は“完遂型”である。ソウイウ時、彼があたりを見まわしてニヤリと笑うと、実にもう、破戒ムザンな感じになる」
――と、こう書き写しているだけでも西村晃の姿が目に浮かび、頬がゆるんでくる。「新劇出身の“演技派”がつまらないのは芸に遊びがないからだ」という一行も光る。西村晃と小沢昭一は新劇出身だが、芸の遊びということがわかっているというのだ。
あんまり強調したくはないが、小林さんが『サンデー毎日』にこのコラムを書いていた頃、私は高校生だった。三チャンネルしかなかった小学生の頃からテレビを見ていたので、フランキー堺の『わが輩ははなばな氏』も渥美清が注目された『すいれん夫人とバラ娘』も見ている。ここに取りあげられた七十四人のうち記憶にないのは西城慶子という人、ひとりだけだった。私の頭の中では「あんなにかっこよく面白かった女のドラマは空前絶後」とまで美化されている『男嫌い』が、このコラムではたびたび触れられていたのがうれしく、懐しかった。TVがういういしい活力にあふれていた頃の話です。

(なかの・みどり エッセイスト)

目次

【喜劇人篇】
はじめに
日本の喜劇人
日本の喜劇人2
おかしな男 渥美清
【エンタテイナー篇】
笑学百科
天才伝説 横山やすし
これがタレントだ 1963・1964
あとがき

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