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僕らに言葉は必要ない――。イヌとヒトとの幸福な毎日。

ことばはいらない ~Maru in Michigan~

ジョンソン祥子/著

1,026円(税込)

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発売日:2013/05/31

読み仮名 コトバハイラナイマルインミシガン
発行形態 書籍、電子書籍
判型 A5判変型
頁数 71ページ
ISBN 978-4-10-334111-6
C-CODE 0072
ジャンル 写真集・写真家、画家・写真家・建築家
定価 1,026円
電子書籍 価格 821円
電子書籍 配信開始日 2013/11/29

兄弟のように育った、柴犬のマルちゃんと2歳の一茶くん。言葉はなくても、目と目を見るだけで、ふれあうだけで、気持ちは通じる。じゃれあい、ケンカし、一緒に眠る……。アメリカの美しい大自然の中、すくすくと育つ二人を、あたたかな写真におさめた大人気ブログが写真集に!! ページをめくるたび、幸せが降ってくる。

著者プロフィール

ジョンソン祥子 ジョンソン・サチコ

アメリカ人男性との国際結婚を機に渡米。在米12年目。現在は夫と息子の一茶君、柴犬のマルとともに、アメリカ・ミシガン州に暮らす。2008年からブログ「Maru in Michigan」で写真を公開。日本のみならず、海外の雑誌でも取り上げられる人気ブログとなる。著書に『ことばはいらない ~Maru in Michigan~』『ぼくのともだち ~Maru in Michigan~』『いつもとなりに ~Maru in Michigan~』『えがおのゆくえ ~Maru in Michigan~」がある。

Maru in Michigan (外部リンク)

書評

波 2013年6月号より 神さまからの宝もの

小澤征良

オオカミは家族意識が強く、自分のパック(群れ)への忠誠心も強い。番いの相手とは一生添い遂げ、子どもを育てる。パック内の子は、自分の子でなくても命がけで守り、大切に育てる。オオカミは嘘をつかないし(つけないし)仲間を騙したり欺いたりもしない。(ちなみにある研究によるとサルは仲間を騙したり、陰謀を企てたり出来るそうだ)オオカミの血を濃く受け継ぐイヌもまた、その性質はとても似ていると思う。飼い主を――そのヒトが何の職業についていても、お金持ちでもそうでなくても、女でも男でも――あの忠実でまっすぐな瞳で、何の見返りも求めずひたすら愛する。仕事を終えてあなたが帰宅すれば、イヌは何日も会っていなかったかのように熱狂的に出迎え、嬉しさのあまりジャンプしたり、ありったけの愛情を込めてあなたの顔を舐めたりするだろう。私のイヌは、たとえ夜明けに起こしても、イヤな顔一つしないどころか途端に上機嫌で温かなキスの雨を降らせてくる。(意味も無く急に起こされたりしたら、私なら恐らく不機嫌になっちゃうのに!)
イヌはあなたに嘘もつかないし、「この人に愛想よくしたらひょっとして得かも」なんていう、ニンゲンにありがちな損得計算で生きてはいない。(もちろん、美味しいビスケットなら、いつでも大歓迎だろうけれど!)
イヌと暮らせば暮らすほど、イヌの魂は人間のそれよりも高貴じゃないかと考えるようになった。というか、今ではそう、確信している。私たちが生きる上で、イヌから学ぶことってあまりに多いものだから。
そもそもの話、Dogを逆さまから読めば、God――神さまに一番近い動物だからじゃないかな――そう、おもうのだ。
本書には、そんなイヌのマルと著者の息子の一茶くん、そして、カメラのこちら側でシャッターを押す著者の、ミシガン在住のパックに流れるやわらかな時間のかけらが、ぎゅっとつまっている。一茶くんを見つめるマルの目をみれば、どんなにマルが一茶くんを愛しているか一目瞭然だ。もしも一茶くんに何らかの危険が迫ったのなら、マルは必ず一茶くんを守るだろう。マルは、彼のパックの大切な子どもを守り、育てているのだ。イヌとともに生きる幸運を得て、その特別さやすばらしさを体感出来る人は、ほんとうに幸せだ。それがある人生と無い人生を比べたならば、大きな宝石がまぶしく輝く指輪と、石を失くし輝きを欠いた指輪ぐらいの差があるだろう。(もちろん、猫も、あるいは人と愛を共有している他の動物も、きっと同じなのだろうけど!)いま、イヌと暮らしていない人も、本書をみれば、ほっこり温かな幸せな気もちになれることは間違いない。私はこの本を、旅先で拝見した。海を越えた旅先にイヌを連れてくるわけにいかず、すっかりイヌシックになっていた時だった。本書に見入りながら、イヌとの時間にしか味わえない豊かな感覚にしばし浸った。早く家にかえって、毎日今か今かと私を待っている、四つ足の家族を抱きしめたくなった。
大事な存在がじっとあなたを待っていると思うだけで、途端に、世界はとくべつな場所になる。
赤ん坊のときに、すでにそんな相手を持っている一茶くんは、なんて幸せな男の子だろう。きっといまマルが一茶くんに教えていることは、一茶くんの一生にすばらしく優しくて、大きな影響を及ぼすに違いない。それって、言葉にしがたい、尊い、神さまからの宝ものだ。もちろん、マルは著者にも同じ宝ものを、毎日ボトムレスコーヒーみたいに注いでいることを、私は知っている。それがページの隅々から溢れているからだ。だからこそ、本のこちら側にいる一読者の私も、こんな幸せな気もちになれるのだろう。


(おざわ・せいら 作家)

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