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いま小学校が危ない! “スゴ腕”教師のメソッドとは?

学級崩壊立て直し請負人―大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命―

菊池省三/著、吉崎エイジーニョ/著

1,188円(税込)

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発売日:2013/06/28

読み仮名 ガッキュウホウカイタテナオシウケオイニンオトナトコドモデトリクムコトバキョウイクカクメイ
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-334361-5
C-CODE 0095
ジャンル 教育学
定価 1,188円

北九州の地で、荒れた学級を次々と再建。講演や勉強会にも引っ張りだこの“日本一忙しい小学校教師”の実像に、26年前の教え子が迫りました。「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」等、独自のコミュニケーション教育法から、ご両親への子育て提言まで。いじめも学級崩壊も駆逐する、教育現場の“戦い”の最前線からの声――。

著者プロフィール

菊池省三 キクチ・ショウゾウ

1959年愛媛県生まれ。山口大学教育学部卒業。北九州市の公立小学校に教師として長年勤め、独自の「コミュニケーション教育」メソッドによって、学級崩壊したクラスを次々と立て直してきた。2015年3月に退職。現在は、以前から主宰する「菊池道場」(全国から教師が集う研究サークル)を中心に、講演活動で全国各地を飛び回っている。他の著書に『学級崩壊立て直し請負人 大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命』『挑む 私が問うこれからの教育観』『菊池省三流 奇跡の学級づくり』『菊池先生の「ことばシャワー」の奇跡 生きる力がつく授業』など多数。

吉崎エイジーニョ ヨシザキ・エイジーニョ

1974年生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)朝鮮語科卒業。北九州市出身。小学校6年生の時の担任が菊池先生だった。2013年、先生との共著『学級崩壊立て直し請負人 大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命』を刊行。「Number Web」「週刊プレイボーイ」などに執筆するほか、韓国語での取材・執筆活動も数多く行う。著書に『メッシと滅私 「個」か「組織」か?』『オレもサッカー「海外組」になるんだ!!!』『オトン、サッカー場へ行こう!』など。翻訳書も多数。本名は吉崎英治。

目次

構成者まえがき
はじめに
第1章 なぜ学級が崩壊するのか――教室は社会の縮図
学校へのリスペクトの欠如/バラバラな子どもたち/群れるな、集団になれ/ダメ、ダメ、ダメで押し切る先生/他
第2章 公の喪失
師範学校世代の引退/コミュニケーション能力の欠如/体罰問題を考える/ゆとり教育、受験勉強のせいではない!/他
第3章 学級での取り組み
新スタートと「リセット」/一年間の見通しを立てる/自信と安心感を持たせる「ほめ言葉のシャワー」/書くことで自分と向き合う「成長ノート」/おおいにチクりなさい/発表者のほうを、聞く側が向く/自分の意見が言える子を作る「ディベート」/一年を締めくくる/他
第4章 ご家庭でも実践を! 菊池メソッド
「どんな子に育てるか」を考える/MFCを一人の大人が持つ/子どもを眺めてみる/「叱る」と「怒る」の違いを意識してみる/「節目」を意識して親もがんばる/正しい話し方・聞き方は大人にも通じる!/苦しくなったときに振り返る思い/他
第5章 教え子からのツッコミ
おわりに
構成者あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2013年7月号より 教え子のライターが“カリスマ教師”に迫る!

吉崎エイジーニョ

じわじわっと湧き上がってくる幸福感。そこに浸ろうとすると、次に猛烈なプレッシャーが襲い掛かってくる。執筆と校正の期間はそんなことの繰り返しだった。書き手として、得がたい経験をした。
小学校時代の恩師との共著を記したのだ。
『学級崩壊立て直し請負人―大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命―』は、26年前(1987年)の小学校6年生時に、私が1年間だけ担任してもらった菊池省三先生を取材し、構成を担当したものだ。「日本一忙しい」といわれるカリスマ教師の考えを、これまでの先生の著作の中でも最も簡潔かつ明瞭にまとめた一書となっている。
菊池省三先生は、現在54歳。荒れた学校の多い福岡県北九州市で31年間教員を務めている。言葉を重要視した独自の教育メソッドで崩壊した学級を次々と立て直すことで有名となり、今や東京でセミナーを開けば教員としては異例の200人以上を動員するほどだ。
共著を記すきっかけは、ひょんなことからだった。東京でスポーツや朝鮮半島情勢中心のライター生活を送って13年めだった去年の夏の夜、楽しみにしていたK-POPのDVD(書籍には記せなかったが、KARAのものだ!)を見ようとチャンネルをいじっていたところ……間違って地デジにチャンネルを合わせるボタンを押してしまった。NHKの「プロフェッショナル」という番組をやっていた。
「あ、先生……」
四半世紀ぶりに姿を拝見したのだった。
番組を観ながら、すでに決めていた。書籍の企画を提案しようと。番組の中でも出てきた「ほめ言葉のシャワー(ホームルームの時間にクラスメイトが次々に挙手して、日直の子をほめる)」や「成長ノート(先生と1対1の対話で日々の成長を綴る)」は、本書の軸でもある。26年前にもひたすら「話す」「書く」といった基礎的なトレーニングを積み重ねていった記憶が甦った。ずっと憶えていたわけではなく、その時に思い出したのだ。自分の書き手としての礎はこの時代にあるのではないかと。書くにせよ、話すにせよ、何かを伝える情熱を教わったのだろうと。言葉の使い方を教わった先生に、言葉で恩返しするような気持ちで取材・執筆に取り組んだ。ちなみに先生は出版社への企画提案前の時点で、細かいプロットを立てることを提案してきた。おかげで一番最初に提案した新潮社からGOサインが出た。さすがだった。
当初、タイトルは『変われます!』を提案していた。先生の教育には「変化」という醍醐味があるからだ。崩壊していじめが起きていた学級や、厳しい家庭状況にある子ども個人が、言葉の力を得て変わっていく。そのさまを描きたかった。
それゆえ、子ども個々人の変化にも踏み込んだ。本書の前半部分では、暴力団関係者の子息の話も出てくる。先生もこの項目の表現には頭を悩ませたそうだ。自分自身も構成者として考え抜いた。すべての編集作業を終えた後、先生にメールで報告をしたらこんな返事が返ってきた。
「戦いましょう」
また、先生のメソッドを家庭での子育てに活用する方法を紹介することにも力点を置いた。わざわざ1章を設けたほどだ。教育関係者のみならず、子育てに悩むアラフォー世代の親に向けた書籍にしたかった。先生は言う。「教室は日本社会の縮図」。社会全体の問題として学級崩壊を取り上げた。
内容はお堅いものばかりではなく、箸休め的な、先生と私による対談も織り込んだ。お互い言いたい放題だった。「6年の担任が菊池先生と聞いたとき、頭を抱えた。厳しい先生になったなと」。「先生のやっていたことは、めんどくさいことも多かった」。こちらがそう言えば、先生は「吉崎君は空気を読まず意見を言い切るような面があった。時にそれが青臭くてね」と。先生ご自身の子育てでの失敗談も飛び出した。
先生は書籍の中で言っている。「仮にいじめが起きたとき、それに立ち向かう力は言葉からこそ生まれてくる」。取材中も繰り返し口にしていた。“力になれる本にしたい”と。その点をいかに表現していくか。それを考えることもまた、プレッシャーであり、幸福だった。

(よしざき・えいじーにょ ライター)

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