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算数のしくみ大事典

坪田耕三/著

2,750円(税込)

発売日:2015/06/30

  • 書籍
  • 電子書籍あり

カリスマ先生の楽しい解説で、子どもの「苦手」を「大好き」に変える!

「分数の割り算はどうして逆数をかけるの?」「円の面積はどうして半径×半径×3.14なの?」「反比例って何?」など、大人でも間違えそうな算数のしくみを図入りで解説。たし算から小数、分数、図形やグラフ、文章題の解き方まで、小学生のつまずきやすいポイントを一気に解消する、カラフルなイラスト満載の算数大事典。

目次
算数(さんすう)の言葉(ことば)を学(まな)ぼう
数(かず)は,ものの数量(すうりょう)や順序(じゅんじょ),位置(いち)を表(あらわ)している/計算(けいさん)で数量(すうりょう)を求める

【数(かず)】
数(かず)の表(あらわ)し方(かた)と数(かず)の仲間(なかま)を学(まな)びます。

【計算(けいさん)】
場面(ばめん)に合(あ)わせて,使(つか)う計算(けいさん)を考(かんが)えます。
大(おお)きさの表(あらわ)し方(かた)を学(まな)ぼう
量(りょう)は,ものの大(おお)きさを表(あらわ)している/量(りょう)は,測定(そくてい)して求(もと)める

【量(りょう)】
量(りょう)の表(あらわ)し方(かた)や単位(たんい)について学(まな)びます。

【測定(そくてい)】
ものの大(おお)きさは,道具(どうぐ)などを使(つか)って調(しら)べます。
形(かたち)の調(しら)べ方(かた)を学(まな)ぼう
図形(ずけい)は,ものの形(かたち)を表(あらわ)している/図形(ずけい)の性質(せいしつ)を使(つか)って図形(ずけい)をかく

【図形(ずけい)】
形(かたち)のかき方(かた)や調(しら)べ方(かた)を学(まな)びます。

【図形(ずけい)の調(しら)べ方(かた)】
辺(へん)・頂点(ちょうてん)・角(かく)や,位置関係(いちかんけい)などを調(しら)べます。

【作図(さくず)する】
図形(ずけい)の性質(せいしつ)を使(つか)って,作図(さくず)します。
問題(もんだい)の解(と)き方(かた)を学(まな)ぼう
いろいろな関係(かんけい)を表(あらわ)す/数量(すうりょう)の関係(かんけい)を調(しら)べる/式(しき)を使(つか)って説明(せつめい)する

【数量関係(すうりょうかんけい)】
算数(さんすう)で学(まな)ぶ,特別(とくべつ)な数量関係(すうりょうかんけい)があります。

【数量(すうりょう)の関係(かんけい)を調(しら)べる】
表(ひょう)やグラフ,図(ず)を使(つか)って数量関係(すうりょうかんけい)を調(しら)べます。

【式(しき)を使(つか)って説明(せつめい)する】
問題(もんだい)の解(と)き方(かた)を,式(しき)を使(つか)って説明(せつめい)します。
【ひろがる算数(さんすう)】
知(し)っておくと役(やく)に立(た)つことや,中学校(ちゅうがっこう)や高校(こうこう)で学(まな)ぶような少(すこ)し難(むずか)しいけれど,とてもおもしろい算数(さんすう)の話(はなし)をのせています。
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書誌情報

読み仮名 サンスウノシクミダイジテン
発行形態 書籍、電子書籍
判型 B5判
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-339391-7
C-CODE 6541
ジャンル 教育学、小学教科書・参考書
定価 2,750円
電子書籍 価格 2,200円
電子書籍 配信開始日 2015/12/11

インタビュー/対談/エッセイ

算数は自由だ

坪田耕三

 算数は同じ理由で好きと嫌いが分かれます。
「答えが一つに決まっているから、とてもすっきりしていて好き」、「いや、公式に当てはめるだけのあんな窮屈な勉強は嫌いだ」と。
 皆さんはどうですか。
 算数の問題は、本当にいつも答えが一つに決まっているのでしょうか。本当に窮屈な勉強なのでしょうか。
 出来上がったものをしっかり覚えて、後はそれに当てはめて解けばいいのでしょうか。もしそんな勉強であれば、当然、面白くない。
 もちろん、解き方は多様です。
 そして時には答えも一つに決まらない場合がある。オープンエンドと言われる問題がそれです。
 また、問題も教科書や問題集、あるいは先生が出すばかりではない。自らの力でもつくることができる。つくるといっても、一つの問題を解いて終わりにしないで、「もしも~だったらどうか」と考えて、場を広げていくのです。
 そんな自由な勉強が算数なのです。
 円の面積の求め方を考えてみましょう。「半径×半径×3・14」。こんな公式が教科書に載っています。なぜこのような公式が生まれたのでしょうか。まず、円を蜜柑の断面のように切って、面積の求め方を知っている平行四辺形に並べ替えると、「底辺×高さ」が「円の半周×半径」と変形されます。円周が直径の何倍になっているかを表す数「円周率(3・14)」を使い、この式を変えると、「直径×3・14÷2×半径」となり、さらに、直径を半径×2におきかえて「半径×2×3・14÷2×半径=半径×半径×3・14」となるわけです。
 さて、この式変形を見て、直径と半径の両者が登場した時に、なぜ半径に統一したのでしょう。なぜ直径を使わなかったのでしょう。こんなことを考えたことありますか。もしも直径にしてみたら――「直径×3・14÷2×直径÷2」となりますね。すると「直径×直径×0・785」。これも公式。昔の文献では、この0・785を「円積率」と呼んでいました。円に外接する正方形に対して円の面積が78・5%だと言うわけ。面白い見方です。
 こんな自由な学びが算数なのです。
「分数÷分数」の計算、後ろをひっくり返してかけるなんて決まったことなのか。分子は分子でわる。分母は分母でわる。これでできないか。分数は大きさが同じで表現を変えることはいくらでもできます。1/2でも2/4でもいいということです。それを使えば、違った方法が見つかる。自分で方法を見つけ出すなんてとっても面白いことです。
 ちょっと周りを見てごらんなさい。身のまわりには算数がいっぱい。今日の新聞、重なっている紙をばらばらにしてみると、見開きのページの合計はどれも同じ。おやっ、なぜでしょう。
 この不思議の解明は算数の役目です。
『算数のしくみ大事典』は、そんな不思議の解明がいっぱい詰まっている本です。用語には英語も付けました。言葉は違っていても、算数の式や記号は世界共通だからです。
 算数は自由。なんとすばらしいものではありませんか。

(つぼた・こうぞう 青山学院大学特任教授)
波 2015年7月号より

著者プロフィール

坪田耕三

ツボタ・コウゾウ

1947年、東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業。筑波大学附属小学校副校長を務めた後、横浜国立大学非常勤講師、筑波大学教授などを経て、現在、青山学院大学教育人間科学部特任教授。1984年、第32回読売教育賞受賞。全国算数授業研究会元会長。ハンズオン・マス研究会代表。『指導と評価』編集委員。NHK学校放送(算数)番組監修者。著書に、『算数好きにする教科書プラス 坪田算数』1年生~6年生(東洋館出版社)、『坪田式 算数授業シリーズ』(1)~(4)(教育出版)、『素敵な学級づくり 楽しく・優しく 子どもたちのための担任術』(教育出版)ほか多数。

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