セイギデチキュウハスクエナイ
正義で地球は救えない


池田清彦 養老孟司

「環境を守りましょう」という“精神運動”は、どこまで暴走していくのか!?

環境保護という美辞のもと、あまりに無益なCO2排出量削減キャンペーンが展開され、ひどく不合理な「自然の生態系保護」政策が施されていく。エコを利用した“やさしいファシズム”に支配されているこの国の行く末は? 好評の既刊『ほんとうの環境問題』よりさらに踏み込んで「ほんとうの問題」とは何かを考えるための一冊。

発行形態 : 書籍
判型 : 四六判変型
頁数 : 190ページ
ISBN : 978-4-10-423105-8
C-CODE : 0095
ジャンル : サイエンス・テクノロジー
テクノロジー
発売日 : 2008/10/24

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池田清彦
イケダ・キヨヒコ

1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。生物学者。現在、早稲田大学国際教養学部教授。著書に『構造主義科学論の冒険』『昆虫のパンセ』『だましだまし人生を生きよう』『新しい生物学の教科書』『他人と深く関わらずに生きるには』『環境問題のウソ』『38億年 生物進化の旅』『「進化論」を書き換える』『ほんとうの復興』(養老孟司との共著)等がある。



養老孟司
ヨウロウ・タケシ

1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。解剖学者。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。1989年、『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。その他の著書に『唯脳論』『身体の文学史』『人間科学』『バカの壁』『いちばん大事なこと』『死の壁』『超バカの壁』『養老訓』『養老孟司の大言論』(I~III)等。

はじめに 池田清彦
I ニセモノの環境問題…………池田清彦

一 「地球温暖化脅威論」こそ脅威
なおも続く「CO2排出を減らそう」の大合唱/「前提」は正しいのか/各地の気温が上がっているという測定結果は地球温暖化の証拠にはならない/CO2の排出量と気温上昇の関係はパラレルになっていない/何でもかんでもCO2のせい/CO2の濃度が上がれば気温はどれだけ上がるか/気候変動に適応するしかない

二 北海道洞爺湖サミットでわかったこと
洞爺湖サミットでのG8の宣言は「順当」?/日本はEUに嵌められた/京都議定書の約束をもとに排出権を買わなければならないのは日本だけ!?/「キャップ・アンド・トレード」が引き起こす事態/セクター別アプローチは有効か/どうしたら排出権を買う金を払わずに済むか/石油急騰によって露わになったこと

三 日本にエネルギー戦略はあるか
石油に代わるエネルギー技術を開発できるか/バイオ燃料の問題は複合的/日本は「地熱資源大国」?/水素燃料電池実用化の虚実/石油を使って石油以外のエネルギーを

四 生物多様性の保全という「正義」
生物種の数はどれぐらいか/今の時代が生物種の数は最多/「生物多様性」とは何か/見せかけの天然記念物保護/「生態系の保全」なんて、できるのか?/何でも「野生のままがいい」わけではない/「わかってない奴」の原理主義/何でもかんでも外来種のせい/駆除は税金の無駄遣い/役所が一度決めたことはなかなか覆らない/ナチスのごとき「正義」/何のための「保護」か

五 人口――ほんとうにほんとうの環境問題
「ストップ・ザ・隕石」?/環境問題の行き着くところ/キャリング・キャパシティとニッチ
II 人間と環境のあいだ…………池田清彦×養老孟司

一 ねじれた正義
「どうでもいい」はずのCO2排出量削減を謳う理由/おかしなことだらけ/多数派の圧力/誰も責任をとらないシステム/コンピュータのシミュレーションで未来は予測できない

二 人間は環境を乱暴に見ている
気候変動に合わせて生物は移動する/生物の環境要求性/価値の一律化/「情報」と「システム」をめぐる倒錯/「ほどほど」が失われた社会

三 エネルギー問題のゆくえ
資源がない国の立国方法/誰が、いつ、どこで、誰を、どのように殺すか/石油という不幸/「バイオ」の可能性/地熱発電にもバクテリアの力が要る?/システムの規模/エネルギーをめぐる認識の無さ/結局は「モノ」に

四 ほんとうの「エコ生活」とは
道から外れない現代っ子/何が「エコ」か/「都会の子」と「田舎の子」
あとがき 養老孟司

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