はじめに 池田清彦
I ニセモノの環境問題…………池田清彦
一 「地球温暖化脅威論」こそ脅威
なおも続く「CO2排出を減らそう」の大合唱/「前提」は正しいのか/各地の気温が上がっているという測定結果は地球温暖化の証拠にはならない/CO2の排出量と気温上昇の関係はパラレルになっていない/何でもかんでもCO2のせい/CO2の濃度が上がれば気温はどれだけ上がるか/気候変動に適応するしかない
二 北海道洞爺湖サミットでわかったこと
洞爺湖サミットでのG8の宣言は「順当」?/日本はEUに嵌められた/京都議定書の約束をもとに排出権を買わなければならないのは日本だけ!?/「キャップ・アンド・トレード」が引き起こす事態/セクター別アプローチは有効か/どうしたら排出権を買う金を払わずに済むか/石油急騰によって露わになったこと
三 日本にエネルギー戦略はあるか
石油に代わるエネルギー技術を開発できるか/バイオ燃料の問題は複合的/日本は「地熱資源大国」?/水素燃料電池実用化の虚実/石油を使って石油以外のエネルギーを
四 生物多様性の保全という「正義」
生物種の数はどれぐらいか/今の時代が生物種の数は最多/「生物多様性」とは何か/見せかけの天然記念物保護/「生態系の保全」なんて、できるのか?/何でも「野生のままがいい」わけではない/「わかってない奴」の原理主義/何でもかんでも外来種のせい/駆除は税金の無駄遣い/役所が一度決めたことはなかなか覆らない/ナチスのごとき「正義」/何のための「保護」か
五 人口――ほんとうにほんとうの環境問題
「ストップ・ザ・隕石」?/環境問題の行き着くところ/キャリング・キャパシティとニッチ
II 人間と環境のあいだ…………池田清彦×養老孟司
一 ねじれた正義
「どうでもいい」はずのCO2排出量削減を謳う理由/おかしなことだらけ/多数派の圧力/誰も責任をとらないシステム/コンピュータのシミュレーションで未来は予測できない
二 人間は環境を乱暴に見ている
気候変動に合わせて生物は移動する/生物の環境要求性/価値の一律化/「情報」と「システム」をめぐる倒錯/「ほどほど」が失われた社会
三 エネルギー問題のゆくえ
資源がない国の立国方法/誰が、いつ、どこで、誰を、どのように殺すか/石油という不幸/「バイオ」の可能性/地熱発電にもバクテリアの力が要る?/システムの規模/エネルギーをめぐる認識の無さ/結局は「モノ」に
四 ほんとうの「エコ生活」とは
道から外れない現代っ子/何が「エコ」か/「都会の子」と「田舎の子」
あとがき 養老孟司