ホーム > 書籍詳細:どうしていつも俺なんだ?!―悪童マリオ・バロテッリ伝説の真実―

サッカー界随一のお騒がせ男。この悪童の一挙手一投足から目が離せない!

どうしていつも俺なんだ?!―悪童マリオ・バロテッリ伝説の真実―

フランク・ウォラル/著、森田義信/訳

1,836円(税込)

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発売日:2014/06/30

読み仮名 ドウシテイツモオレナンダアクドウマリオバロテッリデンセツノシンジツ
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 292ページ
ISBN 978-4-10-506751-9
C-CODE 0075
ジャンル スポーツ
定価 1,836円

ブラジルW杯でも注目度赤丸急上昇、イタリア代表マリオ・バロテッリの評伝が登場。ガーナ移民の子として生れ、差別と戦いながら幼少時からサッカーの溢れる才能を発揮。その一方で奔放な野性のハートをもてあまし、名門チームを渡り歩きながら欧州サッカー界に毎日話題を提供中! 今もっとも愛される悪童の素顔を目撃せよ!

著者プロフィール

フランク・ウォラル Worrall,Frank

イギリスの『サン』、『メイル』、『タイムズ』紙などに寄稿するスポーツ・ジャーナリスト。ロイ・キーン、ウェイン・ルーニー、ライアン・ギグス、アレックス・ファーガソンなど、プレミア・リーグのマンチェスター・ユナイテッドに関連する選手・監督の評伝を多く手がける。2012年には処女小説「Elvis Has Left The Building」を刊行。

森田義信 モリタ・ヨシノブ

1959年福岡県生れ。大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て翻訳家・文筆家に。翻訳書にニック・ホーンビィ『ハイ・フィディリティ』、『ぼくのプレミア・ライフ』、『ガツン!』、ドクター・ジョン&ジャック・ルメル『フードゥー・ムーンの下で』、ロン・マクラーティ『ぼくとペダルと始まりの旅』、スーザン・マイノット『いつか眠りにつく前に』、ビート・タウンゼンド『ビート・タウンゼンド自伝フー・アイ・アム』などがある。海外のサッカー番組の翻訳も手がける。

書評

波 2014年7月号より やんちゃで何が悪い  

森田義信

やっぱり、やんちゃなプロ・スポーツ選手が好きだ。
評伝『どうしていつも俺なんだ?!―悪童マリオ・バロテッリ伝説の真実―』を訳して、改めてそう思った。
もちろん、優等生のスーパー・スターも悪くない。明るく朗らかで笑顔もさわやか。マスコミへの対応もうまく、もちろん本番でもきっちり仕事をし、誰にも負けない「華」を持った選手。何かのスポーツを見はじめ、そのとりこになっていくときのきっかけは、やはりそんなスーパー・スターの存在だろう。現代のサッカーなら、たとえばメッシ。彼の鮮やかなテクニックと類い稀な存在感が、多くのファンを魅了していることは、まぎれもない事実だ。
しかしどんなスポーツにおいても、観戦する人は、初心者の段階を通りすぎて試合をいくつか見ていくにつれ、そんなさわやかなスーパー・スターのかたわらに、どこかひねくれた表情を浮かべ、問題発言や問題行動で紙面を賑わせ、マスコミやファンと摩擦を起こしながらも独特の輝きを放つ選手たちがいることに気づかされる。型にはまらず自由奔放。大言壮語にして有言実行。気むずかしい一面を見せたかと思えば、子供のようにはしゃぎまわる。今のサッカー界において、そんなやんちゃなスターを探すとすれば、まず目につくのは、ACミランとイタリア代表のストライカー、マリオ・バロテッリだろう。
詳しいことは本書をお読みいただくとして、この人、とにかくエピソードに事欠かない。黒人として差別を受けたこと。監督との様々な軋轢。反則と退場。とてつもない身体能力。目の覚めるようなすばらしいゴール。「自宅花火ボヤ事件」をはじめとするいくつもの騒ぎ。そんなエピソードから透けて見えるのは、バロテッリという男の強烈な個性と、どうしようもないほどの人間臭さだ。もちろん、そんな部分を魅力的だと思うか、それとも単に「臭い」と思うかで、彼に対する評価は二分するだろう。しかし、やんちゃ好きのファンにしてみれば、評価の分かれるところがまた魅力でもある。
バロテッリには、こんな逸話がある。交通事故を起こしたときのこと。現場を調べた警官が、とんでもない額の現金を発見。どうしてこんな大金を持っているのかと質問されたバロテッリ、涼しい顔でこう答えたという――「俺、金持ちだから」。
思い出すのはNBAのスターだったチャールズ・バークリーだ。アメリカ南部の貧しい家庭に育った彼はスターになったのち、共和党支持であることを表明。母親から「どうして金持ちの味方ばかりする党を応援するの?」と詰問され、やはりこう答えた――「だってママ、俺、金持ちだよ」。
あたりまえのことをあたりまえのように発言すると、ときにカドが立つ。しかし、やんちゃなスターたちはそんなことなど気にしない。あたりまえのことをあたりまえに言って、何が悪い。大事なことを覆い隠して当たり障りのない発言をするより、俺は自分に正直でいたい。
やんちゃなスターが多くのファンを魅了するのは、そんな覚悟があるからだ。
ただしバロテッリに関して言えば、あと少し、覚悟に見合うだけのユーモアと知性を身につけてほしい、とも思う。たとえば「どうしていつも俺なんだ?!」と書いたTシャツを誇示したとき、多少見せかたを工夫していたら、そして鮮やかなゴールを決めたとき、もう少しにこやかにしていたら、彼に対する風当たりはいささかなりとも弱まっていたはずだ。
と、ここまで書いて現段階での最新情報を(とは言ってもこれを皆さんがお読みになっている段階では、もうかなり古い情報だろうが)。ブラジルW杯、イタリアの第1戦、イングランドを2対1で破ったときのこと。ゴールを決めて勝利に貢献したバロテッリは、試合後ピッチを歩きながらカメラの前で2本指と1本指を立ててウィンク。にこりと笑って人差し指を唇に当て「シーッ」とやって見せた。そこには、何とも言えない愛敬と品があった。数年前のイングランド時代には、ほとんど見せたことのなかった仕草と表情だった。
こんな仕草や表情ができるんだったら、バロテッリは、やんちゃを貫いたまま、さらに多くの人に愛されるスーパー・スターになれるはずだ。そう思った。

(もりた・よしのぶ 翻訳家)

目次

1 トラブルド・ボーイ
2 インテル・ザ・ビッグ・タイム
3 モウリーニョとの確執
4 マンチーニという“父親”
5 幸運のキス
6 マンチェスターへようこそ
7 ボーイ・ブルー
8 ゴールデン・イヤー
9 バナーの数字
10 痛みの終わり
11 イタリアの雄馬たち
12 正直者は“赤”を見る
13 シティのカントナ
14 ジャスト・チャンピオン
15 真実と虚構
解説 西岡明彦

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