フユノイヌ
冬の犬


アリステア・マクラウド 中野恵津子

カナダ東端の厳寒の島で、自然と動物と共に生き、人生の時を刻む人々を描く傑作短篇集。

役立たずで力持の金茶色の犬と少年の、猛吹雪の午後の苦い秘密を描く表題作。白頭鷲の巣近くに住む孤独な「ゲール語民謡最後の歌手」の物語。灰色の大きな犬の伝説を背負った一族の話。ただ一度だけ交わった亡き恋人を胸に、孤島の灯台を黙々と守る女の生涯。人生の美しさと哀しみ、短篇小説の気品と喜びに満ちた8篇。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮クレスト・ブックス
判型 : 四六判変型
頁数 : 262ページ
ISBN : 978-4-10-590037-3
C-CODE : 0397
ジャンル : 外国の小説
外国の小説
発売日 : 2004/01/30

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アリステア・マクラウド
MacLeod,Alistair

1936年、カナダ・サスカチェアン州生まれ。作品の主舞台であるノヴァ・スコシア州ケープ・ブレトン島で育つ。きこり、坑夫、漁師などをして学資を稼ぎ、博士号を取得。2000年春まで、オンタリオ州ウインザー大学で英文学の教壇に立つ。傍らこつこつと短編小説を発表。1999年刊行の唯一の長編である『No Great Mischief』がカナダで大ベストセラーになったため、翌年1月、1976年と1986年に刊行された短編集2冊の計14篇にその後書かれた2篇を加え、全短編集『Island』が編まれた。31年間にわずか16篇という寡作であるが、短編の名手として知られる。*『Island』は、クレスト・ブックスより『灰色の輝ける贈り物』『冬の犬』の2冊に分けて刊行しました。



中野恵津子 


▼Ikezawa Natsuki 池澤夏樹
アリステア・マクラウドの小説の中では、人生の素材が違う。今のぼくたちの日々はアルミとプラスチックだが、彼の世界では人は鉄と針葉樹と岩に囲まれて生きている。風が騒ぎ、死とセックスと労働は強い匂いを放ち、家畜の吐息が耳にかかる。氷雪に閉ざされた冬の、ゆっくりと過ぎる時間。
すべての話に、今はいなくなった気丈な人々への哀惜がつきまとっている。
つい20年前まで、人はこんな風に生きることができたのだ。

▼Hugh MacLennan ヒュー・マクレナン
マクラウドは、現存する短編作家の、というより歴史上これまでに存在した短編作家の、最高峰のひとりである。

▼Toronto Star トロント・スター紙
これは宝物のような本だ。ここに収められたどの作品にも、読むほどに徐々に姿をあらわしてゆく豊かな層が横たわっており、何度も読み返す価値がある。最高の一冊だ。

▼San Francisco Chronicle サンフランシスコ・クロニクル紙
厳しい気候風土のケープ・ブレトン島は、読者の忘れられない場所となり、それを浮かびあがらせた作家の名は、いつまでも記憶されるだろう。

▼The New York Times ニューヨーク・タイムズ紙
すばらしい読書体験。マクラウドにはあきらかに独特の文学的表現がある。そのスタイルはなめらかで、ハイフェッツのCDや、シナトラやフィッツジェラルドの歌を聞いているようだ。
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