カナタナルウタニミミヲスマセヨ
彼方なる歌に耳を澄ませよ


アリステア・マクラウド 中野恵津子

重ねられた祖先の誇りと記憶。なき人々への思いは今も私たちを突き動かす――。

18世紀末、スコットランド高地からカナダ東端の島に、家族と共に渡った男がいた。赤毛のキャラムの子供たち、と呼ばれる彼の子孫は、幾世代を経ても流れるその血を忘れない――。人が根をもって生きてゆくことの強さ哀しさを、大きな時の流れと、いとしい記憶を交錯させ描いた感動のサーガ。『灰色の輝ける贈り物』『冬の犬』の著者による待望のベストセラー。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮クレスト・ブックス
判型 : 四六判変型
頁数 : 343ページ
ISBN : 978-4-10-590045-8
C-CODE : 0397
ジャンル : 外国の小説
外国の小説
発売日 : 2005/02/25

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アリステア・マクラウド
MacLeod,Alistair

1936年、カナダ・サスカチェアン州生まれ。作品の主舞台であるノヴァ・スコシア州ケープ・ブレトン島で育つ。きこり、坑夫、漁師などをして学資を稼ぎ、博士号を取得。2000年春まで、オンタリオ州ウインザー大学で英文学の教壇に立つ。傍らこつこつと短編小説を発表。1999年刊行の唯一の長編である『No Great Mischief』がカナダで大ベストセラーになったため、翌年1月、1976年と1986年に刊行された短編集2冊の計14篇にその後書かれた2篇を加え、全短編集『Island』が編まれた。31年間にわずか16篇という寡作であるが、短編の名手として知られる。*『Island』は、クレスト・ブックスより『灰色の輝ける贈り物』『冬の犬』の2冊に分けて刊行しました。



中野恵津子 




▼Toyozaki Yumi 豊崎由美
この小説には愛する主人たちを乗せた小舟のあとを追って、どこまでもどこまでも泳ぎつづける犬がいる。情が深すぎて、がんばりすぎる茶色い犬たちがいる。そして、そんな犬とそっくりな人々がいる。彼らはうたう、ケルトの昔から伝わる自分たちの歌を。その歌声は、父祖の時間や土地から遠く離れ、新しい生活を選ぶ途上にあって、いつかどこかで歌を見失ってしまったわたしたちにも、不思議に優しく懐かしい。

▼The Economist エコノミスト誌
フィクションの勝利……マクラウドの語りは凛と張りつめ、透徹している。登場人物たちは力強く、奥深い。彼らがいつまでも心に残って離れない。

▼The Independent インディペンデント紙
マクラウドは、非常に努力しなければ獲得できないような『簡潔な』明晰さで書く……本書は、ユーモアと生彩にあふれ、きわめて鮮烈で、ただひたすらに感動的だ。

▼Trillium Award トリリアム賞選評
読む者を魅了し、さまざまな感情を喚起する、気品と英知に満たされた物語。

▼Alice Munro アリス・マンロー
アリステア・マクラウドがかけるような魔法をかけられる人を、私はほかに思いつかない。この小説のなかの情景が、いつのまにか心に焼き付いていることに気がつく。
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