▼Issey Ogata イッセー尾形
ロンドン下町の酒場に四人の男と「骨つぼ」がひとつ。別の人生を歩もうとした途端、亡くなってしまった飲み仲間の遺灰を「海に撒く」ために集まったのだ。道中、静かに寝かせておいた、穏やかならざるシガラミや秘められた思いが、言葉にならないまま浮上しはじめる。故人の妻が言う。「仕事ばかりで遊びを知らない人だった。カウンターにひじをついてるのが遊びだっていうんなら別だけど」――結局は、蛸つぼに潜りこんだ人生だったのかもしれない。一人芝居を選んだ僕は、二十代半ばに「人間関係のスイッチ」をOFFしたんじゃないだろうか、そんな気がした物語だった。
▼Gary Kamiya ゲアリー・カミヤ
『最後の注文』は登場人物を深く理解するだけでなく、彼らに深い敬意を払う作家でなければ書けない本だ。哀調を帯びつつも高らかに、友情と名誉と正直と愛とを肯定する人間賛歌が謳いあげられる。衒いのない堂々たる傑作である。
▼Salman Rushdie サルマン・ラシュディ
みごとに書かれていて、やさしく、おかしく、真実を語っていて、胸を打ち、深い。
▼Michael Herr マイケル・ヘア
もはや小説は昔のように深い感動を与えないと言う人には、スウィフトの『最後の注文』を差し出したい――最も決定的で、最も美しい反証として。