▼Rio Shimamoto 島本理生
物語の冒頭から秘密の影はすでに現れている。読者はまず、その影を追うように物語へと引き込まれ、次第に、戦争や愛、そして深い絶望と孤独の中へ踏み込んでいく。ごく普通の一家の背後に隠されていた、人間の苦しみの全てを凝縮したような過去。それでも真実を受け止めようとする主人公の強い意志と、必死に生きようとする人々の姿が、容易に感動という言葉では語り尽くせないほどの切実なリアリティを持って、胸に迫ってくる。
▼Edith Serero エディト・セレロ[パリ・マッチ]
『ある秘密』について語るときには、声をひそめなければならない。これはあなたの心にとりついて忘れられなくなる、稀な書物のひとつである。
▼Pascale Frey パスカル・フレ[ファム]
読み出したら最後、止まらなくなる。あなたは、読み終えるときが訪れないようにと願うことだろう。読書の喜びをそれほど強く感じさせてくれる作品なのである。
▼Mohammed Aïssaoui モハメド・アイサウイ[フィガロ]
内容から言っても、形式――驚くべきシンプルさ――から言っても、きわめて美しい作品。作者は家族の重大な秘密を物語りながら、安易なうち明け話の罠をみごとに免れている。
▼Jérôme Garcin ジェローム・ガルサン[ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール]
ドヴォルザークの『悲しみの聖母』を聴くときのような心震える感動を読者に与える作品。今後この物語は、読者から読者へと受けつがれていくことだろう。