ミッカイ
密会


ウィリアム・トレヴァー 中野恵津子

英語圏最高の短篇作家W・トレヴァー。人生の苦さ、深みをすくいとった12篇。

自分はあの時、たしかに愚かだった――少しでも幸せでありたいと願う、気難しく不器用な普通の人々。早朝のオフィスで、カフェの片隅の定席で、離婚した彼女の部屋で、寸暇の密会を重ねる中年男女の愛の行方を追う表題作など、アイルランドとイギリスを舞台に、執着し、苦悩し、諦め、立て直していく男たち女たちの有様を描出した12作品。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮クレスト・ブックス
判型 : 四六判変型
頁数 : 278ページ
ISBN : 978-4-10-590065-6
C-CODE : 0397
ジャンル : 外国の小説
外国の小説
発売日 : 2008/03/27

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ウィリアム・トレヴァー
Trevor,William

1928年、アイルランドのコーク州生まれ。少数派である、プロテスタントのイングランド系アイルランド人(アングロアイリッシュ)に属する。トリニティ・カレッジ・ダブリンを卒業後、教師、彫刻家、コピーライターなどを経て、1960年代より本格的な作家活動に入る。1965年、第二作「同窓」がホーソンデン賞を受賞、以後すぐれた長篇、短篇を次々に発表し、数多くの賞を受賞している(ホイットブレッド賞は3回)。短篇の評価はきわめて高く、初期からの短篇集7冊を合せた短篇全集(1992年)はベストセラー。現役の最高の短篇作家と称される。邦訳短篇選集に『聖母の贈り物』がある。英国デヴォン州在住。



中野恵津子 
死者とともに
伝統
ジャスティーナの神父
夜の外出
グレイリスの遺産
孤独
聖像
ローズは泣いた
大金の夢
路上で
ダンス教師の音楽
密会
訳者あとがき


▼Yiyun Li イーユン・リー
トレヴァーは、やさしく突きはなしながらも共感に満ちた筆致で、平凡な人々の孤独、欺瞞、不義、老い、死といった、人生の荒涼とした風景を描きだす。この短篇集の十二篇はいずれも人間の謎と闇を描いているが、トレヴァーはいい悪いといった決めつけをいっさいしない。読んでいると、登場人物に対する彼の同情と理解にときおり呆然としてしまう。そして読後に感じる胸のうずきは、登場人物たちの悲しい運命のせいなのか、それとも人間を見つめる一人の男のまなざしの深さに打ちのめされるせいなのか、わからなくなるのである。

▼San Francisco Chronicle サンフランシスコ・クロニクル紙
トレヴァーの小説は、物悲しいと同時に美しい。そして常に変わらず誠実である。

▼The Newsweek ニューズウィーク誌
偉大な作家は、小さな世界の中でいかに多くのものを明らかにできるか――本書に収められたどの作品も、それを示す手本となっている。

▼New York Post ニューヨーク・ポスト
『密会』は誰をもW.トレヴァーのファンにしてしまう。

▼The New York Times Book Review ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー
現存する作家で、W.トレヴァーのほかにこんな作家がいるだろうか? 毎年毎年、傑作を届けられる、長篇小説を、本書のような短篇小説集を――魅力的な文章と、きらりと光る会話と、忘れがたい人生を詰め合わせた宝石箱を届けることができる作家が。
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