▼Aoyama Minami 青山南
途切れ途切れの言葉というよりは、閉じることを拒む文章。大作家ドストエフスキーへの想いが、連想を、情景を、無数に誘いこみながら、千々に乱れ、時と場所を超えて、かぎりなくつづいていく。これは、なにを見てもドストエフスキーを思いだしてしまうという幸福と愉悦と不幸と悪夢につかまえられた男の物語なのか、それとも、ドストエフスキーの物語か。本を読むことの、偉大な文学にひたることの、ほとんど肉体的な歓喜が伝わってくる幸運な書だ。
▼Donald Fanger ドナルド・ファンガー[ロサンジェルス・タイムス]
人の心を捉えて離さず、不思議な魅力があり、たいへん感動的で、完壁な芸術作品だ。
▼Карен Степанян カレン・ステパニャン[ロシアの文芸評論家]
作者は、ひたむきで、息もつまりそうで、はりつめて震えているような、何ページも続く長い文を巧みにつらね、他の現実など考えられないというふうに、読者を自分の世界へ引きこむ。
▼The New York Times ニューヨーク・タイムズ
『バーデン・バーデンの夏』は、愛よりも複雑な何かについての物語だ。ドストエフスキーが神と四つに組んで闘ったように、この素晴らしい作品でツィプキンはドストエフスキーとがっぷり取り組んでいる。