▼Hori Shigeki 堀茂樹
家族の歴史を書いた小説は山ほどある。たいてい、曾祖父あたりから世代を下ってくる年代記だ。『時のかさなり』では逆に、章を追うごとに世代を遡る。しかも、語り手は常に六歳の子供だ。まず、現代風にスポイルされたアメリカ人の少年(2004年)。次にその父親(1982年)。続いて祖母(1962年)。最後に、なぜかドイツで育った曾祖母(1944-45年)。「時のかさなり」の深部に光が当たるにつれ、物語が充実していく。N・ヒューストンは、人間の悪や愚劣さを語りながら、それらに対する抵抗をも鮮やかに浮かび上がらせている。小説にこんな可能性があったとは!――そう驚かずにはいられない。
▼Marie Claire マリ・クレール誌
カナダ生まれの作家ナンシー・ヒューストンは、彼女自身の子供時代にもっとも近い作品を書いた。普遍性をもったこの小説は自由への讃歌であり、また、差別主義がはびこる野蛮な世界を救済する芸術への讃歌でもある。私たちの望みはただひとつ、この四人の子供を抱きしめることだ。
▼Le Nouvelle Observateur ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール誌
この作品は、たくさんの声が響き合うと同時に、ひっそりとした嘆きにも満ちた英知の書である。また、最初のページで始まるのでも、最後のページで完結するのでもない、いつまでも読者に問いかけ、その心を捉えて離さない物語である。
▼Le Journal du Dimanche ジュルナル・デュ・ディマンシュ誌
作者は、夢中になって読まずにはいられない、ある家系をめぐるミステリー小説を書いた。