ディビザデロドオリ
ディビザデロ通り


マイケル・オンダーチェ 村松潔

姉妹を引き裂いた、嵐の日のできごと。『イギリス人の患者』の著者による、優美で官能的な最新長篇。

血のつながらない姉妹。記憶を失った賭博師。ジプシーの一家と小説家。いくつかの物語は、その境界線上でかすかに触れ合いながら、時のはざまへと消えていく。和解できない家族。成就しない愛。叶うことのない彼らの思いが、異なる時代といくつもの人生を、一本の糸でつないでいく。ブッカー賞作家が綴る、密やかな愛の物語。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮クレスト・ブックス
判型 : 四六判変型
頁数 : 334ページ
ISBN : 978-4-10-590073-1
C-CODE : 0397
ジャンル : 外国の小説
外国の小説
発売日 : 2009/01/30

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マイケル・オンダーチェ
Ondaatje,Michael

1943年、スリランカで茶農園を営む富裕な地主階級の家に生まれる。両親ともオランダ人、タミル人、シンハラ人の混血。ロンドンのパブリックスクールを経て、1962年、大学進学を機にカナダへ移住。1967年、第一詩集『繊細な怪物』を発表。1970年『ビリー・ザ・キッド全仕事』でカナダ総督文学賞。1992年『イギリス人の患者』で、カナダ作家として初のブッカー賞を受賞。同作は映画化され、アカデミー賞作品賞・監督賞など9部門で受賞。『ディビザデロ通り』でもカナダ総督文学賞を受賞した(オンダーチェの受賞は5度目)。他の作品に『バディ・ボールデンを覚えているか』『アニルの亡霊』など。



村松潔 
1 アンナ、クレア、そしてクープ
孤児/赤と黒/マヌーシュ/過去から抜け出す/かつてはアンナとして知られていた人物/名前につまずく
2 荷馬車の一家
家/アストルフ/旅路/二枚の写真
3 デミュの家
マルセイヤン/到着/広大な世界/犬/シャリヴァリと夜なべ/恋文/夜の仕事/親類/マゼールの森/畑/考え/戦争/休暇/帰還/さよならを言うがいい
謝辞

訳者あとがき


▼Masatsugu Ono 小野正嗣
カリフォルニアの血のつながらない「家族」の崩壊が、いつしか砂漠と海を越え、田舎町に隠棲し、失われた愛を言葉によって取り戻そうとするフランス人作家の生涯の終わりへと至る。オンダーチェは物語には何の必然性もないことを教えてくれる。偶然性と断片性を掟とする物語は、都合よく秩序を押しつけようとするあらゆる試みに異議を唱える。私たちは深い「喪失」を染み込ませた詩的な文体にただ身を委ねる。作家の言葉と読者の想像力が交わるところからつねに道が生じ、そこから息をのむような光景が開かれる。

▼Jhumpa Lahiri ジュンパ・ラヒリ
オンダーチェの新作が出るたびにわたしは、何はさておきそれを読む。この『ディビザデロ通り』にもすっかり夢中になり、これまでの最高傑作であると感じた。情熱について、時間や記憶や暴力について、オンダーチェはこれまでも比類のないほど感動的に描き出してきた。しかしこの作品には、それをも超える強健さ、抑制された筆致の生む強さがある。最高の書き手のみが獲得しうる、哀愁に満ちた静謐さが、この作品にはある。

▼New York Times Book Review ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー
この本には、さまざまな芸術的技巧だけでなく、人の心を惹きつける、何か人間的な要素がある。

▼Herald Tribune ヘラルド・トリビューン
読み手が情熱を注げば注ぐほど、それに相応しいだけの喜びを与えてくれる、そんな作品である。
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