1924年7月3日
かくして彼の地にまどいぬる、金色の羽ひとひら、見知らぬ、見知らぬ異国に
リンゴとナシ
愛の歌
わたしは若さをなくしてしまった、悪いカードを引いたギャンブラーのように
鎖を持っていたら、あなたをわたしのほうへ引き寄せるのに
孤児の道
1925年9月3日
すごいことじゃないかしら、こんなにきれい、きれいなのって?
人は何でできている?
1925年10月5日
つらい時期、つらい時期
おお、麗しき町よ
この世のパン
1926年5月19日
カナンの地で会えますように
我らが儚き人生
訳者あとがき
▼Kurita Yuki 栗田有起
目をおおいたくなるような災難に次々と見舞われながら、愛するものを探して広大なアメリカの地をリリアンはひとり旅する。とりまく人物もそれぞれに難儀な運命をたどるけれども、ここに描かれているのは悲劇ではない。なぜなら誰ひとりとして、みずからの境遇を嘆きも、うらみもしないからだ。読者がつきつけられるのは、彼らの、呆気に取られるほどの生命力だ。それは魔力であり、魅力でもある。そこに引き込まれて夢中で読むうちに、じつは自分もその力を持っているのだと気づかされる。興奮で体が熱くなってくる。
▼Colum McCann コラム・マッキャン[『ゾリ』の作家]
また手にとりたい、とにかくすわって、ひたすら読む喜びに浸りたいと心底思う本に、久々に出会った。『リリアン』は、優しい英知、轟くような洞察、辛辣なユーモア、そして――愛すべき、つむじ曲りな的確さに満ちている。エイミー・ブルームは、忘れがたい登場人物を作り出した。驚くべき本だ。
▼San Francisco Chronicle サンフランシスコ・クロニクル
『リリアン』は、小型の叙事詩であり、冒険小説であり、サバイバル物語であり、ラブストーリーの衣をまとった歴史小説であり、なおかつ奇跡の旅の記録でもある。