ホーム > 書籍詳細:通訳ダニエル・シュタイン(上)

「必要なのは論争じゃなくて、理解なんだ」20世紀の過酷な戦場に刻まれた奇跡の足跡。

通訳ダニエル・シュタイン(上)

リュドミラ・ウリツカヤ/著、前田和泉/訳

2,160円(税込)

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発売日:2009/08/31

読み仮名 ツウヤクダニエルシュタイン1
シリーズ名 新潮クレスト・ブックス
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 318ページ
ISBN 978-4-10-590077-9
C-CODE 0397
ジャンル 文芸作品、評論・文学研究、通訳
定価 2,160円

ポーランドのユダヤ人一家に生まれ、奇跡的にホロコーストを逃れてゲシュタポでナチの通訳をしながらユダヤ人脱走計画を成功させた男は、戦後カトリック神父になりエルサレムへと渡った。――ナチズムの東欧からパレスチナ問題のイスラエルへ。心から人を愛し、共存の理想を胸に戦い続けた、魂の通訳ダニエル・シュタインの波乱の生涯。

著者プロフィール

リュドミラ・ウリツカヤ Ulitskaya,Ludmila

1943年生れ。モスクワ大学(遺伝学専攻)卒業。『ソーネチカ』で一躍脚光を浴び、1996年、フランスのメディシス賞とイタリアのジュゼッペ・アツェルビ賞を受賞、2001年には『クコツキイの症例』でロシア・ブッカー賞を受賞した。また『敬具シューリク拝』でロシア最優秀小説賞(2004年)とイタリアのグリンザーネ・カヴール賞(2008年)を、『通訳ダニエル・シュタイン』でボリシャヤ・クニーガ賞(2007年)とドイツのアレクサンドル・メーニ賞(2008年)を受賞。他に『子供時代』『それぞれの少女時代』『緑の天幕』など。2011年、シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞を受賞。2016年2月現在ロシアで最も活躍する人気作家である。近刊に『ヤコブの梯子』がある。

目次

第一部
1 一九八五年十二月、ボストン
   エヴァ・マヌキャン

2 一九八六年一月、ボストン
   エステル・ハントマン

3 一九五九-八三年、ボストン
   イサーク・ハントマンの手記より

4 一九四六年一月、ヴロツワフ
   エフライム・ツヴィクより、アヴィグドル・シュタイン宛書簡

5 一九五九年、ナポリ、メルジェリーナ港
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

6 一九五九年、ナポリ
   ダニエル・シュタインより、アヴィグドル・シュタイン宛電報

7 旅行パンフ「ようこそハイファへ」

8 一九九六年、ガリラヤ、モシャブ〈ノフ・ア・ハリル〉
   エヴァ・マヌキャンとアヴィグドル・シュタインの会話より

9 一九八一年、ハイファ
   ダニエルより、アーロン宛書簡
  一九八三年、ハイファ
   ダニエルより、アーロン宛書簡
  一九八三年、ネゲヴ
   アーロンよりダニエルへ
  一九八三年
   ダニエルよりアーロンへ

10 一九九〇年十一月
   ダニエル・シュタイン神父とフライブルク市の小学生たちとの対話より

11 一九八六年、パリ
   パヴェル・コチンスキより、エヴァ・マヌキャン宛書簡

12 一九八六年、ボストン
   エヴァ・マヌキャンの日記より

13 一九八六年一月、ハイファ
   リタ・コヴァチより、パヴェル・コチンスキ宛書簡

14 一九八六年六月、パリ
   パヴェル・コチンスキより、エヴァ・マヌキャン宛書簡

15 一九八六年、サントリーニ
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

16 一九六〇年、アッコ
   ジュリアン・ソミエの日記より

17 一九六三年、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

18 一九五九-八三年、ボストン
   イサーク・ハントマンの手記より

19 一九六四年二月、エルサレム
   ヒルダ・エンゲルより、ダニエル・シュタイン司祭宛書簡
  一九六四年三月、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヒルダ・エンゲル宛書簡
  一九六四年五月、エルサレム
   ヒルダ・エンゲルより、ダニエル・シュタイン宛書簡
  一九六四年六月、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヒルダ・エンゲル宛書簡

20 一九九〇年十一月、フライブルク
   ダニエル・シュタイン神父と小学生たちとの対話より

21 一九六五年六月、ハイファ
   ハイファのアラブ・カトリック聖母マリア昇天教会入口の掲示板

22 一九六四年、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

23 一九六四年一月
   イスラエルの新聞記事から

24 一九六四年七月、ハイファ
   カルメル山の聖母マリア男子跣足修道会レバノン地区主任司祭宛書簡
  一九六四年八月
   カルメル山の聖母マリア男子跣足修道会レバノン地区主任司祭より、カルメル会総長宛書簡

25 一九九六年、ガリラヤ、モシャブ〈ノフ・ア・ハリル〉
   エヴァ・マヌキャンとアヴィグドル・シュタインの会話の録音より

26 一九六五年八月、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

二〇〇六年三月一日、モスクワ
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡
第二部
1 一九六五年九月、ハイファ
   ヒルダ・エンゲルより、母親宛書簡

2 一九六一年、クファル・タボル
   グラジナより、ヴィクトリア宛書簡
  一九六五年三月、クファル・タボル
   グラジナより、ヴィクトリア宛書簡

3 一九六五年四月、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

4 一九六五年十二月、クラクフ
   ヴワディスワフ・クレフより、ダニエル・シュタイン宛書簡

5 一九六六年九月、ハイファ
   ヒルダ・エンゲルより、母親宛書簡

6 一九六六年九月、ハイファ
   その晩、ヒルダが自分のバッグの中に見つけたメモ

7 一九九六年、ハイファ
   ヒルダとエヴァ・マヌキャンとの会話より

8 一九六六年十二月
   〈泉のほとりのエリヤ教会〉でのブラザー・ダニエルの談話テープ

9 一九六六年十二月
   ブラザー・イリヤより、エルサレム大司教マッタン・アヴァト猊下宛報告書

10 一九六七年六月
   ヒルダ・エンゲルの母親宛書簡より

11 一九六七年、エルサレム
   ヒルダの記録

12 一九六七年、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

13 一九九〇年十一月、フライブルク
   ダニエル・シュタインと小学生たちとの対話より

14 一九八七年、レッドフォード、イギリス
   ベアタ・セミョーノヴィチより、マリーシャ・ヴァレヴィチ宛書簡

15 一九八七年十二月、ボストン
   エヴァ・マヌキャンの日記より

16 一九八八年四月、ハイファ
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

17 一九八八年四月、ボストン
   エステル・ハントマンのエヴァ・マヌキャン宛書簡より

18 一九八八年四月、ハイファ
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

19 一九八八年、ハイファ
   リタ・コヴァチからパヴェル・コチンスキに送られたカセットテープ

20 一九八八年、ハイファ
   リタ・コヴァチより、パヴェル・コチンスキ宛書簡

21 一九八八年五月
   エヴァ・マヌキャンの日記より

22 一九九六年、ガリラヤ
   アヴィグドル・シュタインより、エヴァ・マヌキャン宛書簡
  一九六九年、ハイファ
   ダニエルがノエミに宛てた書簡のコピー

23 一九九〇年、フライブルク
   ダニエル・シュタインと小学生たちとの対話より

24 一九六九年、ハイファ
   ヒルダの日記より

25 一九六九年五月、ハイファ
   ムーサより、ヒルダ宛書簡

26 一九六九年、ハイファ
   ヒルダの日記より

27 一九五九-八三年、ボストン
   イサーク・ハントマンの手記より

28 一九六九年五月、ゴラン高原
   ダニエル・シュタインより、ヴワディスワフ・クレフ宛書簡

29 一九六九年五月、ハイファ
   ヒルダより、母親宛書簡

30 一九六九年六月、ハイファ
   五旬祭でのブラザー・ダニエルの説教

31 一九九〇年十一月、フライブルク
   ダニエル・シュタインと小学生たちとの対話より

32 一九七二年
   ヒルダの日記より

33 一九七二年、ドゥブラヴァ強制収容所-モスクワ
   ゲルション・シメスと母ジナイーダ・ゲンリホヴナ・シメスの往復書簡より
  一九七六年、ウィーン発ロッド行き機内
   ゲルション・シメスよりジナイーダ・ゲンリホヴナ・シメス宛書簡
  一九七七年、ヘブロン
   ゲルション・シメスよりジナイーダ・ゲンリホヴナ・シメス宛書簡
  一九七八年、ヘブロン
   ゲルションより、ジナイーダ・ゲンリホヴナ宛書簡
  一九八一年、ヘブロン
   ゲルションより、ジナイーダ・ゲンリホヴナ宛書簡

二〇〇六年六月
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡

関連書籍

短評

▼Matsunaga Miho 松永美穂
ダニエル・シュタインのような人が、この地上に生きていたと思うだけでも嬉しい。ホロコーストの悲劇をくぐり抜け、非難や憎悪にさらされながら、神の愛を伝え続けることができたその生涯は、まさに奇跡の連続から成り立っている。著者のウリツカヤはこの作品で、ホロコーストのことだけでなく、イスラエルとパレスチナの問題も含めた非常に大きなテーマに取り組んでいる。奥が深い重厚な作品だが、読み物としてもドラマティックで面白く、一作で小説十冊分の価値がある。世界はこんなに広く複雑で多様なんだと感じさせてくれると同時に、それに絶望しない前向きな気持ちにもなる、素晴らしい小説である。

▼Московский комсомолец モスコフスキー・コムソモレツ紙
リュドミラ・ウリツカヤの新しい小説が誕生してまだ数日だが、早くも熱狂が燃え盛っている。〔中略〕これは男性のための本でも女性のための本でもない。これは人間のための本だ。ここにはゲットーや共産主義者、ラーゲリ、ユダヤ人、ポーランド人、ユダヤ教、キリスト教etc.のことが書いてある。読者は、これは自分とは関係ない話だと思うかもしれない。だが中程まで進むと、もう読むのを止められなくなり、登場人物たちと別れがたくなっているのを感じる。

▼Интерфакс インテルファクス通信
ウリツカヤのこの小説は、真に才能ある文学作品が常にそうであるように、複雑かつ様々な読み方が可能である。〔中略〕これは開かれた結末の物語である。

▼Monsters and Critics モンスターズ・アンド・クリティクス
様々な民族と宗教を持つ人々の間に橋をかけたこの人物の物語には、二十世紀という時代もまた映し出されている。

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