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ここには、20世紀の歴史に秘められたドラマがあり、愛と驚きと感動がある!

通訳ダニエル・シュタイン(下)

リュドミラ・ウリツカヤ/著、前田和泉/訳

2,376円(税込)

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発売日:2009/09/30

読み仮名 ツウヤクダニエルシュタイン2
シリーズ名 新潮クレスト・ブックス
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 382ページ
ISBN 978-4-10-590078-6
C-CODE 0397
ジャンル 文芸作品、評論・文学研究、通訳
定価 2,376円

奇跡的にホロコーストを逃れ、ゲシュタポの通訳として働きながら300人のユダヤ人を逃亡させた若者は、カトリック神父となってイスラエルへ渡った。すべての人に惜しみない愛情を注ぎ、命を賭けて寛容と共存の理想のために闘った一生。実在のユダヤ人カトリック神父をモデルにし、21世紀を生きる勇気と希望を与える長編小説。

著者プロフィール

リュドミラ・ウリツカヤ Ulitskaya,Ludmila

1943年生れ。モスクワ大学(遺伝学専攻)卒業。『ソーネチカ』で一躍脚光を浴び、1996年、フランスのメディシス賞とイタリアのジュゼッペ・アツェルビ賞を受賞、2001年には『クコツキイの症例』でロシア・ブッカー賞を受賞した。また『敬具シューリク拝』でロシア最優秀小説賞(2004年)とイタリアのグリンザーネ・カヴール賞(2008年)を、『通訳ダニエル・シュタイン』でボリシャヤ・クニーガ賞(2007年)とドイツのアレクサンドル・メーニ賞(2008年)を受賞。他に『子供時代』『それぞれの少女時代』『緑の天幕』など。2011年、シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞を受賞。2016年2月現在ロシアで最も活躍する人気作家である。近刊に『ヤコブの梯子』がある。

目次

第三部
1 一九七六年、ヴィリニュス
   KGB地区支部公文書館のファイル
  一九七七年、ヴィリニュス
   ペレヴェゼンツェフ少佐よりチェルヌィフ中佐宛報告書

2 一九七八年一月、ヴィリニュス
   テレーザ・ベンダがワレンチナ・フェルディナンドヴナ・リンツェに宛てた書簡より

3 一九七八年五月、ヴィリニュス
   テレーザがワレンチナ・フェルディナンドヴナに宛てた書簡より

4 一九七八年七月、ヴィリニュス
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

5 一九七八年十月、ヴィリニュス
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

6 一九七八年十二月、ヴィリニュス
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

7 一九七八年十二月、ヴィリニュス
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

8 一九七九年、ヴィリニュス
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

9 一九八四年、ハイファ
   「ハイファ・ニュース」紙「読者の手紙」欄より

10 一九九〇年十一月、フライブルク
   ダニエル・シュタインと小学生たちとの対話より

11 一九七〇年
   ヒルダの日記より

12 一九七〇年、ハイファ
   ヒルダより母親宛書簡

13 一九七二年、ハイファ
   ヒルダより母親宛書簡

14 一九七三年、ハイファ
   ヒルダより母親宛書簡

15 一九七二年、ハイファ
   〈泉のほとりのエリヤ教会〉の信者カーシャ・コーゲンより、アメリカ在住の夫エイタン宛書簡

16 一九七三年、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、トゥールーズのエマヌエル・ルルー宛書簡

17 一九七三年、トゥールーズ
   エマヌエル・ルルーより、ダニエル・シュタイン宛書簡

18 一九七三年、ハイファ
   〈泉のほとりのエリヤ教会〉の掲示板

19 一九七三年、トゥールーズ
   カーシャ・コーゲンより、エイタン・コーゲン宛書簡

20 一九七六年、リオデジャネイロ
   ディーナより、ダニエル・シュタイン宛書簡

21 一九七八年、ジフロン・ヤアコヴ
   オリガ・イサアコヴナより、ダニエル・シュタイン宛書簡

22 一九八九年三月、バークレー
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

23 一九八九年、バークレー
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

24 一九八九年、バークレー
   アレックスより、エヴァ・マヌキャン宛書簡

25 一九八九年、エルサレム
   修復士ヨセフより、エステル・ハントマン宛書簡

26 一九五九―八三年、ボストン
   イサーク・ハントマンの手記より

27 一九七二年、エルサレム
   ノイハウス教授より、ハントマン教授宛書簡

28 一九九〇年三月、バークレー
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

29 一九九〇年一月、ハイファ
   リタ・コヴァチより、エヴァ・マヌキャン宛書簡

30 一九九〇年、ハイファ
   リタ・コヴァチ

31 一九九〇年、ハイファ
   リタ・コヴァチがエルサレムのアグネッサ・ウィドウに宛てた書簡より

32 一九七〇年、ハイファ
   ダニエル・シュタインより、姪のルート宛書簡

33 一九八一年、クファル・サバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

34 一九八一年、エルサレム
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

35 一九八一年
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

36 一九八二年四月、エルサレム
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

37 一九八二年六月、チシュキノ村
   ミハイル神父より、マザー・ヨアンナ宛書簡

38 一九八三年一月、エルサレム
   フョードル・クリフツォフより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

39 一九八二年、クファル・サバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

40 一九八二年、ハイファ
   ダニエルとエフィム・ドヴィタスとの会話

41 一九八三年、クファル・サバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

42 一九八三年、モスクワ
   ワレンチナ・フェルディナンドヴナより、テレーザ宛書簡

43 一九八四年、ハイファ
   ヒルダより母親宛書簡

44 一九八四年
   報告メモ

45 一九八四年
   エルサレム総大司教秘書より、〈ステラ・マリス〉修道院長宛書簡
   エルサレム総大司教より、カルメル会管区長宛書簡

46 一九八四年
   跣足カルメル修道会会長ラウレニス神父より、ローマ教皇庁教育省長官ロックハウス枢機卿宛書簡

47 一九八四年、ハイファ
   ダニエルとヒルダの会話より

48 教皇ヨハネ・パウロ二世のバイオグラフィーより

49 一九八四年、ハイファ
   ヒルダの日記より

50 一九九六年、ガリラヤ、〈ノフ・ア・ハリル〉
   エヴァとアヴィグドルの会話より

二〇〇六年六月八日
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡
第四部
1 一九八四年、クファル・サバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡
  一九八四年、ベエル・シェバ
   テレーザからワレンチナ・フェルディナンドヴナに宛てた書簡より
  一九八四年、ベエル・シェバ
   テレーザからワレンチナ・フェルディナンドヴナに宛てた書簡より

2 一九八五年二月、ベエル・シェバ
   エフィム・ドヴィタスより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛電報

3 一九八五年三月、ベエル・シェバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

4 一九八五年
   「ロシアの道」紙(パリ、ニューヨーク発行)より

5 一九八五年、エルサレム
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

6 一九八五年四月
   エフィム・ドヴィタスからニコライ・イワーノヴィチ・ライコに宛てたメモより

7 一九八五年四月一日
   書類番号一〇七-M

8 一九八四年、ヘブロン
   ゲルション・シメスが母ジナイーダ・ゲンリホヴナに宛てた書簡より

9 一九八四年、モスクワ
   ジナイーダ・ゲンリホヴナより、息子ゲルション宛書簡
  一九八四年、モスクワ
   ジナイーダ・ゲンリホヴナより、息子ゲルション宛書簡

10 一九八五年、ヘブロン
   ゲルション・シメスより、ジナイーダ・ゲンリホヴナ宛書簡

11 一九八七年、モスクワ
   ジナイーダ・ゲンリホヴナより、息子ゲルション宛書簡

12 一九八七年、ヘブロン
   ゲルション・シメスより、ジナイーダ・ゲンリホヴナ宛書簡

13 一九八九年、モスクワ
   ジナイーダ・ゲンリホヴナより、息子ゲルション宛書簡

14 一九九〇年、ヘブロン
   ゲルションより、モスクワのジナイーダ・ゲンリホヴナ宛書簡

15 一九八七年十二月、ハイファ
   ヒルダの日記より

16 一九八八年、ハイファ
   ヒルダの日記より

17 一九九一年、バークレー
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

18 一九九一年十二月、ハイファ
   リタ・コヴァチより、パヴェル・コチンスキ宛書簡

19 一九九二年一月、エルサレム
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

20 一九九一年十一月、エルサレム
   ルヴィム・ラヒシュより、ダニエル・シュタイン宛書簡

21 一九八四年、エルサレム
   フョードル・クリフツォフより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

22 一九八八年、エルサレム
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

23 一九八八年
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

24 一九九二年八月一日、エルサレム
   マザー・ヨアンナより、チシュキノのミハイル神父宛書簡

25 一九九二年、エルサレム
   ナジェージダ・クリヴォシェイナより、チシュキノのミハイル神父宛電報

26 一九九二年、エルサレム
   ラヒシュより、参加者全員宛お知らせ

27 一九九二年八月四日、ハイファ
   ヒルダの日記より

28 一九九二年七月、バークレー
   エヴァ・マヌキャンより、エステル・ハントマン宛書簡

29 一九九二年九月、ハイファ
   教区施設の壁新聞
  一九九二年八月
   ハイム・ズスマノヴィチ師の演説

30 一九九二年八月、フランクフルト発ボストン行きの飛行機内
   エヴァとエステルの会話より

31 一九九二年八月、バークレー
   エヴァより、エステル宛書簡

32 一九九二年八月、レッドフォード、イギリス
   ベアタ・セミョーノヴィチより、マリーシャ・ヴァレヴィチ宛書簡

33 一九九二年九月、テル・アヴィヴ
   ナフタリより、エステル宛書簡

34 一九九四年、ベエル・シェバ
   テレーザより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

35 一九九四年、モスクワ
   ワレンチナ・フェルディナンドヴナより、テレーザとエフィム宛書簡

36 一九九五年、ベエル・シェバ
   エフィム・ドヴィタスより、ワレンチナ・フェルディナンドヴナ宛書簡

37 一九九五年、ベエル・シェバ
   エフィム・ドヴィタスより、ラテン・エルサレム総大司教宛書簡

38 ブラザー・ダニエル・シュタインの編纂による、ハイファのユダヤ・キリスト教会のいわゆる「記念の晩餐」(典礼)テクスト

39 一九九〇年十一月、フライブルク
   ダニエル・シュタインと小学生たちの最後の対話

40 一九九四年、ハイファ
   ヒルダの日記より

二〇〇六年六月、モスクワ
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡
第五部
1 一九九四年、イスラエル
   新聞より

2 一九九四年二月二五日、ヘブロン
   ゲルション・シメスの尋問調書より
  一九九四年二月二五日
   ビニオミン・シメスの尋問調書より

3 一九九四年三月、クファル・シャウル
   精神科病院。デボラ・シメスとフレイディン医師との会話より

4 精神科医の診察結果

5 精神科医の診察結果

6 一九九四年、クファル・シャウル
   精神科病院の内部通告より

7 一九九四年、クファル・シャウル
   クファル・シャウル精神科病院より警察当局捜索課宛通知

8 一九九四年
   ヒルダの日記より

9 一九九四年
   ビニオミン・シメスより、母デボラ宛書簡

10 一九九四年、ハイファ
   ダニエルとヒルダの会話より

11 一九九四年
   電話での会話より

12 一九九五年
   教区施設の掲示板

13 一九九六年、ガリラヤ、モシャブ〈ノフ・ア・ハリル〉
   エヴァ・マヌキャンとアヴィグドル・シュタインの会話より

14 一九九五年、ヘブロン、警察署
   ビニオミン自殺後のデボラ・シメス事情聴取記録

15 一九九五年、ヘブロン、警察署
   ビニオミン自殺後のゲルション・シメス事情聴取記録

16 一九九五年十一月、ハイファ
   ヒルダが母親に宛てた書簡より

17 一九九五年十二月一日、エルサレム
   「ハダショット・ハ=エレヴ」紙より

18 一九九六年、ハイファ
   ヒルダとエヴァ・マヌキャンの会話より

二〇〇六年六月
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡

19 一九九五年十二月、エルサレムからハイファへ

20 一九九五年十二月、ハイファ、〈泉のほとりのエリヤ教会〉
   ブラザー・ダニエル・シュタイン宛に届いた通知より

21 一九九五年十二月十四日
   クムラン近郊から〈泉のほとりのエリヤ教会〉へ

二〇〇六年七月、モスクワ
   リュドミラ・ウリツカヤより、エレーナ・コスチュコヴィチ宛書簡
あとがき
訳者あとがき

関連書籍

短評

▼Horie Toshiyuki 堀江敏幸
久しぶりに総合小説と呼べる作品を読んだ気がした。ストーリー、人物、歴史的な重層性、どれをとっても特別な手ごたえがある。著者は、人種も宗教もばらばらな人々が、そのまま共存して生きていくことを強く肯定している。主人公ダニエル・シュタインは、言葉と言葉の通訳であるだけではなく、宗教と宗教の橋渡しをする通訳でもあるのだ。神父である彼が、人々を好きになっていくエピソードは宗教的とも言えるが、恋愛小説を読んでいるような魅力もある。登場人物たちの個々の物語にも、それぞれが短篇小説のような面白さがあった。

▼Итоги イトーギ誌
この本の持つ意義と影響力は果てしなく大きい。〔中略〕『通訳ダニエル・シュタイン』は、自分と違うことを信じている者に対する寛容と忍耐についての本だ。だがもちろん、考える力を持つ読者がもっと注意深く読めば、より高いレベルでの理解に達するだろう。多くのエピソードは矛盾をはらみ、反感すら呼び起こすこともあるが、それが最終的には心に平安と秩序をもたらしてくれるのである。

▼Газета по-киевски ガゼータ・ポ・キエフスキ紙
本書の執筆にあたって、ウリツカヤは大量の資料を集め、たくさんの証言者に聞き取り調査を行った。後に彼女は正直にこう告白している。「書いていて涙が止まりません。私は本物の作家ではないのです。本物の作家というのは泣いたりしません」。だが、この言葉には嘘がある。もはや作家としてのウリツカヤが「本物」であることに疑いを持つ者はない。この本が出た後ならなおさらである。

▼Metro France メトロ・フランス紙
実に濃密でスケールの大きい、くらくらするほどの小説。

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