▼Minami Aoyama 青山南
かつてレイモンド・カーヴァーやトバイアス・ウルフは、アメリカ社会の吹きだまりのようなところでひっそり生きるひとびとを、簡潔な言葉で書いた。そこには夢を持てないことを嘆くブルースみたいな音楽がただよっていたのだが、タワーの作品群にはそういうものがまったくない。彼らはただただ不機嫌なのだ。苛立ち、トゲトゲしている。「奪い尽くされ、焼き尽くされ」た21世紀のアメリカは、ブルースすら生まれない、とほうもない荒涼のなかにある。シニカルを超えた、ほとんどシックなユーモアが、リアルなアメリカをつかまえる。
▼Esquire エスクァイア
我々が必要としているのは『奪い尽くされ、焼き尽くされ』のような本だ。タワーはむやみに希望を与えない。エレジーを歌うこともない。彼の描写するものに壮麗さはないが、その代わりに正確さがある。登場人物たちは物事をうやむやにし、酒に酔い、悲しみ、破産し、ねじれた親切心を起こし、あるいは理由もなく小さな国を侵略したりする。つまり、それは我々アメリカ人の姿なのだ。
▼Michael Chabon マイケル・シェイボン
ウェルズ・タワーの短篇は、紛れもないアメリカの日常のことばで、スリリングに書かれている。暴力的で、滑稽で、荒涼としていて、そして美しい。いますぐ読むべき作品だ。
▼Publishers Weekly パブリッシャーズ・ウィークリー
傑出したデビュー短篇集である。巧みに声色を統御し、さまざまな人物に共感する彼の能力は類まれなもので、それが登場人物たちの中に渦巻くねじれたユーモアと根源的な怒りの間に繊細な緊張感を作り出している。