▼Kawamoto Saburo 川本三郎
思春期の少年が、美しい女の先生に憧れる。私などの世代では1958年に公開された西ドイツ映画「朝な夕なに」が思い出される。ルート・ロイヴェリック演じる高校の先生が大人の女性の美しさを見せた。この小説にあるのも、恋愛というよりもう少し青々とした憧れだろう。まだ大人になる手前にいる少年が年上の女性に憧れる。現代では次第に失われているういういしい「少年の純情」のために、この小説は現代の小説なのにどこか懐しさがある。
▼Tagesspiegel ターゲスシュピーゲル
ジークフリート・レンツは彼の新しい小説で、愛について書いている。これだけでも特筆すべきことだ。そして彼は、考え得る限り最も上品で、しかも難易度の高い方法で、それを行っているのである。
▼Ulrich Greiner ウルリヒ・グライナー[ディー・ツァイト]
これほど貞淑でありながらエロティックなものが読めることはめったにない。『黙祷の時間』は、時代を超えた貴重な作品でありながら、いまの時代にマッチしている。
▼Frankfurter Rundschau フランクフルター・ルントシャウ
自ら長いこと闘病生活を送っていて、妻を亡くしてもいるレンツは、この小説によって思い出のなかに青春を甦らせようとしているかのようだ。レンツの作品をずっと読んできた多くの読者たちは、この嘆きを喜んで分かち合うだろう。
▼Marcel Reich-Ranicki マルセル・ライヒ=ラニツキ[フランクフルター・アルゲマイネ]
感性豊かな散文だ。読者はすべてを感じ、見、聞き、嗅ぐことができる。