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20世紀最後の巨匠は、なぜ少女を描き続けたのか。賞賛と誤解に彩られた92年間の生涯。

バルテュスの優雅な生活

節子・クロソフスカ・ド・ローラ/著、夏目典子/著、芸術新潮編集部/編

1,512円(税込)

本の仕様

発売日:2005/09/22

読み仮名 バルテュスノユウガナセイカツ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 127ページ
ISBN 978-4-10-602135-0
C-CODE 0371
ジャンル アート・エンターテインメント、絵画、画家・写真家・建築家
定価 1,512円

画壇の流行に背を向け、長きにわたり半・隠遁生活を送りながら、少女という「完璧な美の象徴」を画布に塗り込めたバルテュス。取材を拒み、アトリエに他人が入ることを決して許さず、1枚の絵の完成に数年間を費やした「孤高の画家」の人生の物語を、夫人の回想と初公開写真の数々でたどり、真実のバルテュス像を浮き彫りにする!

著者プロフィール

節子・クロソフスカ・ド・ローラ セツコ・クロソフスカ・ド・ローラ

東京生まれ。1962年、上智大学フランス語科在学中に画家バルテュスと出会う。1967年、結婚。ローマのアカデミー・ド・フランス館長職にあったバルテュスを支え、退任の1977年までをローマの公邸メディチ館に暮らす。1970年代より自らも画家として活動を始め、欧米で個展を開催。2001年にバルテュス没、翌年、バルテュス財団発足とともに名誉会長に就任する。2005年、ユネスコ「平和のアーティスト」の称号を授与される。同年から2006年にかけて、「節子の暮らし展 和の心」開催。随筆家としても活躍中。主な著書に『「和」をつくる美』(祥伝社)、『グラン・シャレ 夢の刻』、『グラン・シャレの手作り暮らし』(ともに世界文化社)、『見る美 聞く美 思う美』(祥伝社、朝日文庫)、『めぐり合う花、四季。そして暮らし』(角川マガジンズ)、『きものを纏う美』(扶桑社)、『バルテュスの優雅な生活』、『ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし』(ともに新潮社)などがある。在スイス、ロシニエール。

夏目典子 ナツメ・ノリコ

東京生まれ。1960年代、出版社で編集に携わる。1970年渡仏。さまざまな芸術家と親交が深く、多くのインタビューを手がける。バルテュスとその家族との交流は1991年から現在に至る。画家の愛猫“ミツ”の子と暮らす。著書に『パリ近郊芸術家の館』(婦人画報社)『フランスとっておき芸術と出会う場所』(学陽書房)ほか。日本現代詩人会会員、フランスのサン・ソヴール コレット友の会会員。

目次


スイス、ロシニエールの屋敷グラン・シャレで、節子夫人と。1992年6月。
撮影=景山正夫


寝室のサイドボードには、バルテュスの愛した煙草やマッチ、菩提樹の香りのコロンが今も置かれている。
撮影=山下郁夫


あの映画監督フェリーニさえ、なかなか入れてもらえなかったアトリエにて。制作は大きな窓から射し込む自然光のもとで行われた。
撮影=景山正夫


1754年に建てられたスイス最大の木造建築グラン・シャレ(「大きな山小屋」の意)を庭側から望む。
撮影=山下郁夫
第1部
 バルテュスがバルテュスになるまで

第2部
 愛した館、慈しんだもの

第3部
 バルテュス交遊録

第4部
 音楽のように、空気のように
 夫バルテュスとの40年間
 節子・クロソフスカ・ド・ローラ

「描くことは祈り」バルテュス略年譜
バルテュスの遺志を継ぐ
バルテュス作品が見られる美術館
バルテュスの愛したスイスの小さな村々

コラム
 “猫たちの王”と分身たち
 なぜあなたは少女を描くのですか?
 モティーフとして、道具として
 出会いの頃の思い出がつまった手控え帳
  節子・クロソフスカ・ド・ローラ

担当編集者のひとこと

バルテュスの優雅な生活

 あれは約20年前、1984年のことです。京都市立美術館で、ある画家の展覧会が開催されました。画家の名はバルタザール・クロソフスカ・ド・ローラ、通称バルテュス。当時すでに「20世紀最後の巨匠」と呼ばれていましたが、ほとんどの作品が個人蔵であるため、実際に画を観るチャンスはめったに巡ってきません。そのバルテュスの回顧展が日本で初めて、それも東京でなく京都でのみ開かれたのです。よく晴れた初夏の昼下がり、ひとりで会場に出かけました。出品数は少なかったけれども、初期の代表作である《山(夏)》《美しい日々》《コメルス・サン・タンドレ小路》などが放つ、えもいわれぬ神秘と不思議なエロティシズムに圧倒され、魅入られたものです。今回、本書を編集するにあたり、あのときの感動が鮮やかに甦ってきました。 バルテュスはまた「孤高の画家」とも呼ばれていました。シュルレアリスム全盛の時代に生きながら、画壇の流行には背を向け、ひたすら自らの信じる美を追求。彼にとっては、幼い少女たちこそ「完璧な美の象徴」であったため、その画は賞賛を浴びるいっぽう、誤解され非難されることもあったといいます。極貧の時代を経て画家としての地位を確立するも、40代半ばにしてフランスの田舎に隠遁。その後7年間、めったに人前に姿を現すことなく、謎に包まれた生活を送ります。後にローマのアカデミー・ド・フランスの館長に就任。初仕事で訪れた日本で待ち受けていたのが、後に夫人となる節子さんとの運命の出会いでした。
 終の棲家となったのは、スイス山中の屋敷グラン・シャレ。節子夫人は、愛娘・春美さんとともに、今もここに暮らしています。あの京都の夏を思い起こさせる緑かぐわしい季節にこの館を訪れ、節子夫人のお話をうかがいました。そして、めったに他人が入ることを許されなかったアトリエ、鏡や絵筆など遺品の数々、未公開の素描帳などを撮影することができました。
 本書では、そうした貴重な写真や関係者の肉声をもとに、バルテュスの人生の物語をたどっています。もちろん、代表作も多数収録。バルテュスを愛する方々はもちろん、やはり画家でもある節子夫人のファンの方々にも、ぜひ手にとっていただきたい1冊です。



画業に進むきっかけとなったのは、11歳の頃、愛猫ミツとの出会いと別れを描いたドローイングだった。以来、猫はバルテュスの大切なパートナー。この2代目ミツは愛娘・春美さんからの贈り物。
撮影=景山正夫

2016/04/27

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