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完本 大江戸料理帖

福田浩/著 、松藤庄平/著

1,540円(税込)

発売日:2006/03/24

  • 書籍

これぞ日本のスローフード! 見て美しく、読んで驚き、作って楽しく、食べて美味しい。

花のお江戸の食文化を、江戸時代に刊行された幾多の料理本を教科書に、江戸っ子料理人が再現する。四季折々、旬の食材の持ち味を活かした料理の数々を美しい器に盛りながら、史実に、落語に、詩歌に、川柳に、そして物語に語り継がれた江戸っ子たちの台所事情も楽しく読み解く。旧版を全面増補改訂した全40品、レシピ付。

目次

春の膳より、花見重
落語「長屋の花見」で八つぁん熊さんが持っていきたかったのはこんなのだった?


鰹料理より 初鰹刺身
江戸時代は生姜でもニンニクでもなく、芥子をつけて食べるのが普通だった


鰯vs鮎 二番勝負より 鮎飯
蓋をあけたら鮎の香が部屋中に満ちた
鮎が蒸れたら身をほぐして茶飯に混ぜる


秋の膳より 華豆腐
どうやってやわらかい豆腐をこんな形に切って広げるのか? 料理本図解付


菓子より 麩の焼き
利休が好んで茶菓子に用いたという
小麦の皮に包まれた餡の正体は?


冬の膳より 軍鶏鍋
仕掛人の梅安も、剣客商売・秋山小兵衛も鬼平も愛した軍鶏鍋を再現
はじめに
春の膳 江戸の春は“初物”から
花見重
長命寺の桜餅
蛤鍋
玉子ふわふわ
白魚蕎麦仕立て
筍羹
いちご汁
 ◎鰹料理三種◎
女房を質に置いても
初鰹刺身
松魚筒切きじやき
生利小鉢

夏の膳 花火、祭に鮎、初茄子
白瓜冷汁
夏の凝り
豆腐麪
玉子蓮
小茄子蓼漬

◆紫は藍に勝るか? 鰯VS鮎 二番勝負
鰯焼味噌和え
鰯はんぺん
鮎飯
鮎南蛮漬
 ◎もどき◎
  鰻もどき
  香魚もどき
  精進鮑

秋の膳 食べ物の一年が始まる季節
蒸し蕎麦
茄子おろし汁
華豆腐
鯖船場煮
 ◎菓子◎
  砂糖の和菓子は贅沢品
  麩の焼き
  椎茸煮しめ
  利休卵
  はじき葡萄
  西瓜糖
  焼柿

冬の膳 食べ物がいちばん旨い「寒」
蒸し蕎麦
茄子おろし汁
華豆腐
鯖船場煮
 ◎菓子◎
  雑煮は家長が汲んだ若水で
  数の子和え物
  合歓豆腐
  くわい金団
  玉子焼

書誌情報

読み仮名 カンポンオオエドリョウリチョウ
シリーズ名 とんぼの本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 128ページ
ISBN 978-4-10-602140-4
C-CODE 0377
ジャンル クッキング・レシピ
定価 1,540円

担当編集者のひとこと

完本 大江戸料理帖

「大江戸料理帖」が雑誌「SINRA」で連載を始めたのは1997年のことでした。丸2年たったところで、第一期が終わり、その24回分が《とんぼの本》としてまとめられ、1999年に刊行されています。でも、連載はその後再開され、さらに16回分の料理が残っていました。せっかく作った料理を残すなんて、食いしん坊の沽券に関わる、というわけで、今回、その16品を加えて全面改訂し、全40品を1冊に再編集したのがこの本です。 特に見て、読んで、作って、食べていただきたいのが、実はこの増補した16品の方なんです。江戸時代の俳句や川柳、芝居や落語、さらに史実に語り継がれた江戸っ子たちの食生活を、時にユーモラスに、時に大まじめに語りながら、当時刊行された料理本の記述をたよりに再現してみました。料理本といったって、その記述はほんの数行、しかも読みにくい変体仮名で書かれたものが多く、食材だって当時と同じものが手に入るわけじゃない。そんな厳しい条件の中、江戸料理研究家で大塚のべ家のご主人、福田さんは想像力を駆使してひとつひとつの料理を仕上げていきました。
 四季折々、旬の素材の持ち味を最大限に生かした料理の数々。もちろんおいしくて、それだけでも大満足なんですが、その食材や料理の背後にある江戸っ子たちの悲喜こもごもを読んでから、レシピを参考に実際に作って食べると、さらに味わい深くなること請け合いです。
 中でも、ちょっと変わっているのが「もどき」料理。写真を見ただけでは、いや、実際に実物を目の前にしても、口に入れるまで素材の正体が○○だなんて信じられない! そんな珍品もいくつか紹介しました。すべてレシピ付ですから、ぜひ作って、食べてみてください。

2016/04/27

著者プロフィール

福田浩

フクダ・ヒロシ

料理家。大塚「なべ家」主人。1935年東京都生れ。早稲田大学文学部卒業。家業のかたわら古い料理書の研究や江戸時代料理の再現に力を注ぐ。著書に『完本 大江戸料理帖』(新潮社とんぼの本)、共著に『江戸料理百選』(2001年社)、『料理いろは庖丁』(柴田書店)、『豆腐百珍』(新潮社とんぼの本)など。

松藤庄平

マツフジ・ショウヘイ

1937年生まれ。法政大学経済学部卒。1959年新潮社入社、「週刊新潮」写真部を経て、「芸術新潮」の写真を担当。1990年に個展「熊野」(新宮市)、1992、1993、1994年の「風の会」展に出品。現在フリー。福田氏との共著に『完本 大江戸料理帖』(新潮社・とんぼの本)がある。

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