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一日で鑑賞するルーヴル美術館

小池寿子/著 、芸術新潮編集部/著

1,650円(税込)

発売日:2006/05/25

  • 書籍

モナ・リザも『ダ・ヴィンチ・コード』も気になるけれど――。

広すぎる、多すぎる、くたびれる。たしかにその通り。でもだからといってモナ・リザ見物だけではあまりにもったいない! 名品中の名品から、隠れた逸品、愛らしい小品まで。見どころがわかる、美術史が見える、超厳選・八十八のお宝めぐり。定番コースとはひと味違う、美の迷宮の秘密の急所を教えます! 詳細ルートマップ付き。

目次

古代篇18 《眠るアリアドネ》
この女性が恋する男性を迷宮から救うために送った糸玉を「アリアドネの糸」といいます
ルーヴルはまさに美の迷宮、本書がみなさんのアリアドネの糸となりますように


館長のアンリ・ロワレットさん
ルーヴルの裏舞台も紹介しています


天井や床にもご注目! これは19世紀の画家によるもの
ガイド
精選! ルーヴル八十八宝めぐり 小池寿子
はじめに
1古代篇 3時間コース
 古代エジプト美術/古代ギリシア美術/
 古代エトルリア、ローマ美術
2彫刻篇 1時間コース
3工芸篇 30分コース
4絵画篇 3時間半コース
 北方絵画/フランス絵画/イタリア、スペイン絵画ス
おわりに

コラム
八十八宝寄り道案内 小池寿子
 古代オリエントへのいざない
 中庭でフランスの栄華にひたる  タピスリーの魅力
 フォンテーヌブロー宮殿に集った画家たち
 モナ・リザの部屋、もうひとつの見どころ
裏ガイド
ルーヴルの仕事師たち

ルーブルものがたり
 迷宮への入口
 美の大伽藍1、2

インフォメーション
全館案内図

書誌情報

読み仮名 イチニチデカンショウスルルーヴルビジュツカン
シリーズ名 とんぼの本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 144ページ
ISBN 978-4-10-602143-5
C-CODE 0370
ジャンル 美術館・博物館
定価 1,650円

担当編集者のひとこと

一日で鑑賞するルーヴル美術館

 収蔵作品約35万点、展示してあるだけでも3万5千点にのぼるという、世界でも屈指の大美術館、ルーヴル。すべての展示をちゃんと見るには5週間かかるとも言われるなか、美術史家の小池寿子さんに、これだけは見てほしいという88作品をセレクトしてもらい、たった一日の滞在でルーヴルのエッセンスを味わおうというのが本書のねらいです。
 さて、実際に88宝めぐりをしたい!と思いたち、パリに飛んだのがこの2月。ルーヴル美術館と言えば、モナ・リザ、サモトラケのニケ、ミロのヴィーナスが有名ですが、それに加えていまでは「岩窟の聖母」とか、グランド・ギャラリーのトイレ(!)とか、『ダ・ヴィンチ・コード』をめぐる新たな見どころが加わって、チケット売り場は長蛇の列。そして展示室の中に入ると、いましたいました! 同じ場所をさまよう人、途方にくれて天を仰ぐ人、館内図とにらめっこばかりの人……。ここルーヴルでは、建物の構造の複雑さゆえに、頭を悩まし、館内をさまよい、ついにはお目当ての作品をあきらめて近くのソファに座り込んでしまうという事態にしばしば陥ってしまうのです。でも、大丈夫。そんなことにならないように、本書には88点を効率よくめぐるための、詳細なルートマップがついています。
 さて、そのルートマップに従って古代篇から見てまわり、歩くことおよそ4時間。さまざまな発見がありましたが、37番目の作品、彫刻《裸のヴォルテール》を見つけたとき、ぱっと視界が開けた思いがしました。展示室の中でヴォルテールひとりが、まわりのほかの作品とは違い、皺くちゃで顔にも表情があって、生々しい。小池先生は、この作品には「写実の伝統が生きている」と書かれていますが、原稿を読んだときはなるほど、と思っただけでした。それが、つるんとした美々しい彫刻たちの中に唐突に現れた彼を見て、はじめて作品の意味と美術史が結びついたのでした。そう、本書のもう一つの特徴はここにあります。小池先生は美術史家。その視点で作品のセレクトも順路も工夫されているので、88宝めぐりを終えたときには、おおまかな西洋美術史の流れがわかるという仕組み。見どころがわかり、美術史も学べ、しかもルートマップ付き。超有名作品は敢えて88宝からはずしていますが、心配はいりません。これらの作品はわかりやすいところに展示され、館内のそこここに案内表示があり、おまけに人だかりができているので、まず見逃すことはないからです。さあ、あなたも本書を片手に、定番コースとはひと味ちがうルーヴルめぐりをしてみませんか?

2006/05/25

著者プロフィール

小池寿子

コイケ・ヒサコ

美術史家。國學院大学文学部教授。1956年、群馬県生れ。お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学。ネーデルラント・中世美術を専攻し、美術作品を通じてその死生観・身体観を読み解くことを研究主題としている。主な著書に『屍体狩り』(白水社)、『死者のいる中世』(みすず書房)『死者たちの回廊』(平凡社ライブラリー)、『死を見つめる美術史』(ちくま学芸文庫)、『描かれた身体』(青土社)、『内臓の発見』(筑摩選書)『「死の舞踏」への旅』(中央公論新社)『一日で鑑賞するルーヴル美術館』(新潮社・とんぼの本)など。

芸術新潮編集部

ゲイジュツシンチョウヘンシュウブ

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