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ひらがなの美学

石川九楊/著

1,650円(税込)

発売日:2007/05/25

  • 書籍

「ひらがな」誕生こそ、日本のルネサンス。日本文化を解く鍵が、ここにある!

「ひらがな」ほど私たちに身近なものはない。でも「ひらがな」には謎がいっぱい。漢字からこの新しい文字が生まれたのは、今から千百年前、『古今和歌集』成立の頃。ただし、詳細は不明? しかし、それは、『源氏物語絵巻』から春画まで、日本文化の形を決定づけた未曾有の大事件だった。知的刺激溢れる異色の“日本”論。

目次

本書では、著者・石川九楊氏に、紀貫之に成り代わり『古今和歌集』の当時の書きぶりを再現していただいた!
 【解説】石川九楊
 はじめに
第一章 ひらがな誕生
第二章 女手の小宇宙
第三章 女手のゆくえ
結びの章 ひらがなの美学
 〈つけたり〉カタカナのこと
 《特別企画》石川九楊 紀貫之になる
 ひらがな対談
 小松英雄+石川九楊

書誌情報

読み仮名 ヒラガナノビガク
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 128ページ
ISBN 978-4-10-602158-9
C-CODE 0076
ジャンル アート・建築・デザイン
定価 1,650円

担当編集者のひとこと

ひらがなの美学

 本書の基となった特集「ひらがなの謎を解く」が「芸術新潮」に載ったのは2006年2月号でした。古今和歌集1100年を記念してのことで、その序とでもいうべきところに次のようにありました。
〈をとこもすなる日記といふものを、をむなもしてみんとてするなり。
『土佐日記』のこの有名な冒頭文にじつは重大な言葉遊びが秘められていたことをご存じですか? 「をむなもし」は「女文字」とも読めるのです。つまり日記の作者は女であるという仮構は表向き、ほんとうは女文字=ひらがなによる最初の散文作品を書くぞという、これは紀貫之の革命的ひらがな宣言だった。私たちにとって「ひらがな」ほど身近なものはありません。しかし、謎がいっぱいです。漢字からこの新しい文字が生まれたのは、今から1100年前、貫之らが編んだ『古今和歌集』の成立とほぼ同時代のこと。それは日本文化のかたちを決定づけた未曽有の大事件でした。……〉
 編集者は興奮すると走り出してしまうものです。これは面白い一冊の本になるにちがいない、と。以来1年余り。著者の石川九楊氏と、足りないところを補い、書から絵画の世界へと眼をひろげていきました。日本では書と絵画とは、別々に論じられてきました。それでは解けなかった日本文化の姿が、本書にはあると自負しています。この知的刺激あふれる本を通して見えてくる日本文化の新たな姿にご注目下さい。

2007/05/25

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著者プロフィール

石川九楊

イシカワ・キュウヨウ

書家、評論家、京都精華大学客員教授。1945年、福井県生れ。京都大学法学部卒業。評論活動、創作活動を通じ、「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かす。著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『日本書史』『近代書史』(名古屋大学出版会)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『やさしく極める“書聖”王義之』『ひらがなの美学』(新潮社)、『石川九楊著作集』全12巻(ミネルヴァ書房)、編著に『書の宇宙』全24冊(二玄社)など。

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