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小林秀雄が「当代随一の評論」と称賛した型破りの“美術批評家”の軌跡を追う!

洲之内徹 絵のある一生

洲之内徹/著、関川夏央/著、丹尾安典/著、大倉宏/著、他

1,728円(税込)

本の仕様

発売日:2007/10/25

読み仮名 スノウチトオルエノアルイッショウ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 143ページ
ISBN 978-4-10-602163-3
C-CODE 0370
ジャンル ノンフィクション、歴史・地理、芸術一般
定価 1,728円

洲之内徹とは一体、何者だったのか? “美術批評家”にして風変わりな“画廊経営者”、そして生涯一チンピラを自任した破天荒な“生活者”。絵を語って自らを語り、自らを語って絵を語ることにより、美術批評に新たな領域をひらいた洲之内徹の美の世界を、彼の愛した絵の数々とともにグラフィックに紹介。

著者プロフィール

洲之内徹 スノウチ・トオル

(1913-1987)松山市生れ。左翼運動に参加して東京美術学校建築科中退。郷里で運動を続けるも、検挙。1938(昭和13)年、中国へ赴き軍の諜報活動に関わる。戦後、田村泰次郎の尽力で小説を発表、芥川賞候補三回。1960年に田村の現代画廊を引継ぎ、1973年『絵のなかの散歩』を上梓。1974年より死の直前まで「芸術新潮」に「気まぐれ美術館」を連載、その鋭い作品理解と独特の文体で、多くの読者を獲得し続けた。

関川夏央 セキカワ・ナツオ

1949(昭和24)年、新潟県生れ。上智大学外国語学部中退。神戸女学院大学特別客員教授。2001(平成13)年、『二葉亭四迷の明治四十一年』など、明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞受賞。著書に『ソウルの練習問題』『海峡を越えたホームラン』(講談社ノンフィクション賞)『昭和が明るかった頃』(講談社エッセイ賞)『白樺たちの大正』『現代短歌 そのこころみ』『家族の昭和』『汽車旅放浪記』など多数。

丹尾安典 タンオ・ヤスノリ

1950年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒業。専攻は近代美術史。主著に『男色の景色―いはねばこそあれ―』(新潮社 2008)、とんぼの本シリーズ(新潮社)に『パリ オルセ美術館と印象派の旅』(1990)、『こんなに面白い上野公園』(1994)、『洲之内徹 絵のある一生』(2007)があるほか、多数の編著書、論文、評論を発表している。

大倉宏 オオクラ・ヒロシ

1957年、新潟県生れ。1981年、東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。1985~1990年、新潟市美術館学芸員。以後フリーとして、新潟を拠点に美術評論を行う。著書に『東京ノイズ』(アートヴィレッジ 2004)、共著に『越佐の埋み火』(新潟日報事業社 1996)、編集・構成に『洲之内徹の風景』(春秋社 1996)。現在(2007年10月)、新潟絵屋代表、砂丘館館長。

目次


岸田劉生〈野童女〉と洲之内徹。この絵は洲之内が発掘したといっていいものである。


浅草オレンジ通りの喫茶店「アンヂェラス」。浅草びいきの洲之内徹がしばしば訪れた店内には、森芳雄、鳥海青児らの作品がある。『気まぐれ美術館』には、汚れた森芳雄の絵を洲之内が洗いに行ったエピソードが紹介されている。


『気まぐれ美術館』で取り上げられたコモちゃんこと古茂田守介のテーブル。目覚まし時計、フォークにスプーン、パイプ、灰皿……天板には古茂田が小刀でこつこつと彫った絵が残されている。日めくりに書かれた「26」という数字は、古茂田の結婚記念日だという。
第一部 洲之内徹のいた風景
[撮影]野中昭夫 松藤庄平
松山
帰りたくない風景 [文]丹尾安典
残んの月――松山時代の洲之内さん―― [文]由井厚子
新潟
漂泊の人と新潟の縁 [文]大倉宏
東京
水面に映る風景 洲之内徹の東京 [文]関川夏央

スノウチの塗りつぶし
“美術批評”として読む洲之内徹 [文]丹尾安典

第二部 懐かしの「気まぐれ美術館」名作選
「気まぐれ美術館」あとさき [文]山崎省三

「あのさあ」のつきあい [文]原田光
「洲之内コレクション」と宮城県美術館 [文]有川幾夫

【附一】洲之内徹の単行本未収録エッセイ二篇
   校歌で思い出すこと
   正体不明の「じゃらじゃら人間」

【附二】洲之内徹の処女放送劇
   信夫の笛

担当編集者のひとこと

洲之内徹 絵のある一生

「芸術新潮」の編集者だった時、ある物故画家の新発見とされる絵に出会ったことがあった。雑誌上で紹介したいのだが、読者に新発見の作品を自分の筆で伝えたいとあせる少し尊大な編集者と、真贋の恐れから逃れられない小心者の編集者がいた。当時は未熟と思い、今では不熟と悟っているが、だらしのないこと、このうえない。洲之内さんのところに、その絵を見ていただきたい、とお願いにあがるしかなかった。 洲之内さんは次のように言われたと思う。絵を見に行くことは簡単ですが、それで決めていいのですか。あなたはその作品を紹介したいのでしょう。それなら、気持ちのぶれさえもふくめて、自分の思うところを納得のいくようにお書きになって、最後の判断を読者にゆだねる(問いかける)ような結末にしたら、どうでしょう。
 ハッとした。洲之内徹のしのぎ方の極意のようなものの一端にふれた思いがしたのだ。だから洲之内さんは自分の足で歩いていたのだ、と。〈わざわざ猿江裏町の中を歩きまわってから関根正二の家の跡へ行ってみるということは、その人にとって、また近代日本美術史研究にとって意味はなくても、私にとっては意味がある。何と言ったらいいか、うまく言えないが、言ってみれば、そうすることで、関根正二が私の経験の中へ入ってくるのである。〉(村山槐多ノート(二)/『セザンヌの塗り残し』)
 今回、久しぶりに『絵のなかの散歩』以下の「気まぐれ美術館」シリーズを読み直してみて、ここには、美術に興味ある人だけでなく、いよいよ生きにくくなる世の中を生きていくヒント満載だな……などとも考えていた。

2016/04/27

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