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三島由紀夫の愛した美術

宮下規久朗/著 、井上隆史/著

1,650円(税込)

発売日:2010/10/25

  • 書籍

めくるめく退廃・幻想・陶酔……。ヴィジュアルで味わう三島の美学!

三島がこよなく愛した“アンティノウス”の像や“聖セバスティアヌス”の殉教図を筆頭に、欧米紀行『アポロの杯』ほか数々のエッセー・評論で言及された絢爛たる美術作品の数々を名文とともに一挙収録! 本人による素描や、こだわりぬいた自邸の内装写真、稀少な特装本、幻の舞台装置案なども併せて紹介する。

目次

フランス語の翻訳から装丁、図版の選択まで、三島が心血を注いだ1冊。
『聖セバスチァンの殉教』
ガブリエレ・ダンヌンツィオ原作
三島由紀夫・池田弘太郎共訳 昭和41年 美術出版社刊
撮影=青木登


撮影=青木登

はじめに
第一部
三島とめぐる
欧州美術の旅
第二部
三島と読み解く
西洋美術史
コラム
Ugly Victorian
三島由紀夫の家
本造りのたのしみ
三島由紀夫の絵と劇画
芸術の神としての三島
『アポロの杯』行程図
『アポロの杯』ローマ地図

三島由紀夫
美術関連略年譜

書誌情報

読み仮名 ミシマユキオノアイシタビジュツ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 128ページ
ISBN 978-4-10-602211-1
C-CODE 0395
ジャンル ノンフィクション
定価 1,650円

担当編集者のひとこと

三島由紀夫の愛した美術

 とんぼの本シリーズ『カラヴァッジョ巡礼』の著者にして無頼の異色美術史家、宮下規久朗先生と神戸・三宮駅前を歩いていたときのこと、先生がふと口にされた。


――「山中湖文学の森 三島由紀夫文学館」※にて毎年、開催されている“レイクサロン”で、三島の愛した美術について鼎談を行ったことがある。その記録をベースに、とんぼの本を作れないだろうか?―― 三島由紀夫といえば、国内はもとより海外にも、あまたの読者と研究者を持つ大作家。ところが、意外にも視覚芸術の面から彼の作品世界へのアプローチを行った書籍は見かけない。没後40年の今年、ぜひとも刊行すべきと思った。


 後日、“レイクサロン”の仕掛人であり、宮下先生の旧友であり、『決定版三島由紀夫全集』で編集協力を務めた井上隆史先生からもご快諾をいただき、さらにまた数多くの関係者の方々のご協力を得て、この本が出来上がった。


 三島が紀行文やエッセーで言及した美術作品の図版を、原文と併せてできるかぎり収録し、両先生の対談形式による明快な解説によって三島の美学が浮き彫りに。三島文学の根幹に新たな側面から迫っている。より深く三島を知りたい方には異色の参考書として、まだ三島をよく知らない方には異色の入門書として、ぜひとも手にとっていただきたい1冊である。




山中湖文学の森 三島由紀夫文学館
〒401-0502 山梨県南都留郡山中湖村平野506-296
TEL 0555-20-2655/FAX 0555-20-2656
http://www.mishimayukio.jp/





三島が“ゼウスの宮居”と読んで賛美した、アテネのオリュンピエイオン。
撮影=野中昭夫




昭和42年2月号「芸術新潮」掲載の「三島由紀夫の選んだ青年像」で採り上げられた8つの作品のひとつ《デルフォイの馭者》。
デルフォイ考古博物館 撮影=野中昭夫

2016/04/27

著者プロフィール

宮下規久朗

ミヤシタ・キクロウ

美術史家。神戸大学大学院人文学研究科准教授。1963年愛知県生れ。東京大学大学院人文科学研究科修了。2005年、『カラヴァッジョ―聖性とヴィジョン―』(名古屋大学出版会)によりサントリー学芸賞および地中海学会ヘレンド賞。著書に『バロック美術の成立』『イタリア・バロック―美術と建築―』(ともに山川出版社)、『西洋絵画の巨匠11 カラヴァッジョ』『モディリアーニ モンパルナスの伝説』『フェルメールの光とラ・トゥールの焔―「闇」の西洋絵画史―』(いずれも小学館)、『食べる西洋美術史』『ウォーホルの芸術』(ともに光文社新書)、『カラヴァッジョヘの旅』(角川選書)、『刺青とヌードの美術史 江戸から近代へ』(NHKブックス)、『カラヴァッジョ巡礼』(新潮社)、『裏側からみた美術史』(日本経済新聞出版社)など多数。

井上隆史

イノウエ・タカシ

1963年横浜市生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院博士課程中退。現在、白百合女子大学教授、山中湖文学の森 三島由紀夫文学館研究員。著書に『三島由紀夫 虚無の光と闇』(試論社)、『豊饒なる仮面 三島由紀夫』(新典社)、『決定版 三島由紀夫全集 第42巻 年譜・書誌』(共著、新潮社)などがある。

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