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この30年、私たちはどんな器を使ってきたのだろう。

能登ごはん便り うちの食器棚

赤木明登/著、赤木智子/著

1,728円(税込)

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発売日:2013/03/29

読み仮名 ノトゴハンダヨリウチノショッキダナ
シリーズ名 とんぼの本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 126ページ
ISBN 978-4-10-602244-9
C-CODE 0377
ジャンル 住まい・インテリア
定価 1,728円

能登の自然の中で、漆の器職人とその家族は、どのような料理を、どのような器で、何を考えながら日々食べてきたのか。ときにくすくす、ときにしみじみするエッセイに加えて、食器棚4棹の中身を公開。30年間に使ってきた器の移りかわりを見ることで、現代日本の食器文化の変遷もたどる。撮影=鈴木心。

著者プロフィール

赤木明登 アカギ・アキト

塗師。1962年岡山県生れ。中央大学文学部哲学科卒業。編集者を経て、1988年に輪島へ。輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修業、1994年独立。以後、輪島でうつわを作り、各地で個展を開く。著書に『美しいもの』『美しいこと』『名前のない道』、共著に『毎日つかう漆のうつわ』(いずれも新潮社)など。

ぬりもの 赤木明登 (外部リンク)

赤木智子 アカギ・トモコ

エッセイスト。1962年東京都生れ。東京学芸大学卒業後、現代陶芸を扱うギャラリーに勤務。1987年に赤木明登氏と結婚。1988年に輪島へ。2005年より、自身がふだん使う食器や衣類などを展示販売する「赤木智子の生活道具店」を各地のギャラリーで開催。著書に『ぬりものとゴハン』(講談社)、『赤木智子の生活道具店』(新潮社)。

書評

波 2013年4月号より うつわと人の30年。

井出幸亮

「大器晩成」「器が大きい」……「うつわ」が人格や人間性の隠喩として持ち出される理由はよく知らないけれど、塗師の赤木明登とその妻・智子の二人が自宅の食器棚に並ぶ多くのうつわの中から30年間分、一年にひとつずつのうつわを選び、その思い出を語り合った『能登ごはん便り うちの食器棚』を読んでいると、「うつわと人間」がやっぱり分かちがたく結びついているのだ、という不思議な確信に満たされてしまう。まさにいつもの食卓で夫婦二人がリラックスして語り合うようなうつわについてのコメントは、それらのつくり手のほぼすべてと面識を持つ者ならではのあたたかな批評眼が感じられるもの。「かわいらしい人」「こわい兄貴」「深い人」「おしゃれ」「負けずぎらい」「なまいきでおもしろい」……そんな言葉とともにうつわの写真を眺めていると、それらがほとんど人間の貌のように見えてくるのだから面白い、いや恐ろしい。また、この30のリストは赤木家の個人史であると同時に、陶芸をとりまく世界がどのように変化してきたのかという工芸史も透けて見える。土を素材にした彫刻的な作品や、超絶技法を駆使した見せるため、飾るためのうつわが全盛だった1980年代半ばから30年。赤木が作るぬりものに代表される、シンプルで美しい「使うために手作りされた」うつわは、今や多くの人々から支持されるようになった。「うつわは人」であるならば、この間に起きた変化は何を意味するのか。
高峰秀子 旅の流儀』は昭和の時代、夫とともに自分の暮らしを大切にして生きた一人の女優の旅のスタイルが披露される。大の旅行好きだが名所観光にはまるで無関心、宿は「寝心地のよいベッドと、清潔なシーツとタオル、洗面所にお湯が出て、エアコンディションが完全ならば、他のものはいっさい必要ない」と言い切る高峰の旅の原点は、若手女優として人気絶頂だった27歳の頃の、半年間のパリ滞在に遡る。世間から持て囃され、虚像を求められる生活を逃れて、たったひとりで過ごした日々。その経験を回想したエッセイの中で、高峰は「日本での私は、(中略)私が私でいられることは皆無だった」と書いている。「私でいる」とは自分らしさ、すなわち「身の丈」ということだろう。派手を好まず、虚飾を嫌い、生活のすべてにおいて徹底して「自分の丈」にこだわった高峰の生き方に今、注目が集まっている。そこにも、この数十年の間に起きたこの国の社会と人の「変化」の本質が潜んでいる気がしてならない。

(いで・こうすけ 編集者)

目次

食器棚と私 赤木智子
器とぼく 赤木明登
30年間の器を語る 1984─2013
井畑勝江/吉川千香子/小野哲平/東日出夫/角偉三郎/長谷川竹次郎/黒田泰蔵/三谷龍二/横山秀樹/荒川尚也/仁城義勝/李英才/横倉悟/小代焼瑞穂窯/秋田小夜子/クリスチャンヌ・ペロション/安藤雅信/内田鋼一/荒木義隆/大嶺實清/上泉秀人/辻和美/岡晋吾/隆太窯/岡田直人/艸田正樹/新宮州三/佃眞吾/壺田亜矢/広川絵麻
カタログ 赤木家の器 1984─2013
作者名索引
能登ごはん便り 2011─12
赤木明登+赤木智子

ワカメの芽のしゃぶしゃぶ/春ららら/魚の春/そわそわ/くらしのみそ/たとえば筍/ゴリひき/さる鍋/鮑のテロワール/菜っ葉の底力/音楽とお酒と/オタンコ茄子/キノコどこのこ/あなたと小籠包/畳の上で/大きな栗の木の下で/別れの日に/五十の手習い/ぼくのドブロク/お正月のしあわせ/海苔の奥行/白の国から/春の前に/生まれる生まれる

担当編集者のひとこと

能登ごはん便り うちの食器棚

この本の半分は、とんぼの本HPの連載「能登ごはん便り」の1年分をまとめたものです(連載はいまも続いています)。月に2回、輪島から届く赤木夫妻のリレーエッセイで、おいしそうな話ばかり。でも読むと能登の風土の厳しさや、そこで暮す人々のつよさ、あたたかさが伝わってきます。赤木さんは漆の器作家ですが、その器が「生活工芸」でありつつ、ある種の「自然」を感じさせるのは、漆という素材のもつ何かなのかもしれませんが、それだけではなく、赤木さんが身をゆだねているものによるような気がします。

あとの半分をどうしようかという話をしていて、わりとすぐ、器の本にすることにしました。赤木家には古くて大きな水屋箪笥の食器棚3棹と、洋食器用の棚がありました。そこに入っている器をぜんぶ撮影して掲載しよう、という話になったときは、何点の食器を撮影することになるのか見当もつきませんでした。それは撮影当日までそうで、あまりに多いので骨董の器は今回はやめて、現代の器も数物はそのうちのひとつにして、けっきょく、200点くらいを2日で撮りました。撮影は鈴木心さんと彼のスタッフで、MacBook と iPad があわせて7、8台起動している現場は、映画で見た宇宙船のコックピットのようでした。家の外は一面の雪です。それだけでなく、1984年から2013年までの30年間、1年にひとりずつ、作家の器(もちろん赤木家で使っているものです)をあげて、赤木さん夫妻があれこれと語りあう対談のページもあります。80年代の表現主義的なものから、90年代はシンプルな器になり、2000年代に入ると白っぽくなる。そして10年代はまた少し強さが回帰してくる――といった赤木家の器の移りかわりは、この30年に大きくさまがわりした現代日本の食器文化の反映でもあります。

museum as it is で、4月19日から、赤木家の食器棚の展覧会が開かれます。水屋箪笥と200点以上の器もはるばるやってくるはずです。


〈展覧会〉
 《うちの食器棚 展 赤木明登・智子コレクション》
 museum as it is 4月19日(金)-9月29日(日)
 http://asitis.sakatakazumi.com/130419/index.html

2016/04/27

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