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初めてなのに懐しい。「地元菓子」をめぐる旅。

地元菓子

若菜晃子/著

1,728円(税込)

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発売日:2013/05/30

読み仮名 ジモトガシ
シリーズ名 とんぼの本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 126ページ
ISBN 978-4-10-602245-6
C-CODE 0377
ジャンル グルメ
定価 1,728円

ところ変わればお菓子も変わる。「そこ」に行かなければ出会えない、愛すべき「地元菓子」をめぐる旅。一色のえびせん街道、銚子の木の葉パン、桜餅は長命寺? 道明寺? バターせんべい伝播の謎、雪国の冬は水ようかん、各地の買い食い図鑑、東海地方のあんこ愛、そして九州へ餅の旅。「地方出身女子の甘い記憶」座談会も。

著者プロフィール

若菜晃子 ワカナ・アキコ

1968年神戸市生まれ。編集者。学習院大学国文学科卒業後、山と渓谷社入社。『wandel』編集長、『山と渓谷』副編集長を経て独立。山や自然、旅に関する雑誌、書薯を編集執筆。著書に『地元菓子』(新潮社)他。『murren』編集・発行人。幼少時より石井桃子の本を読んで育つ。

書評

波 2013年7月号より ゆる菓子

猿田詠子

福井に旅行したときのこと。福井出身の友人にオススメはないかと尋ねたら「福井の冬と言えば『味で一番』! コンビニでも売ってる」との返答。何のことかと探してみると、ある和菓子店の水ようかんのキャッチコピーだった。若菜晃子『地元菓子』によれば、由来は諸説があるが、それらは丁稚ようかんと呼ばれ、他にも冬に水ようかんを食べる地域があるようだ。
自分が育った新興住宅地には、残念ながら立派な地元菓子と呼べるようなものはなかったが、本書を読んでいると、有馬の炭酸煎餅、熊本の朝鮮飴、長崎の一口香、輪島のえがらまんじゅう、新潟のプラリネ……親戚の家で食べていたり、地方出身の友人にもらっていたり、教えてもらっていた地元菓子がずいぶんあった。旅行したはずなのに知らなかったものは、なんだか悔しい。由緒ある老舗の品から、ここ数十年で定着したものまで、買い食いの定番から婚礼菓子まであって、地元菓子の定義を考えてみるとややこしい。けれど、どれも食べてみたいというだけでなく、その背景を知りたくなるのは共通している。どうしてこんな食材が? 味付けが? 形が? 名前が? 組み合わせが? 風習が? ルーツはどこ? そういえば、秋田出身の友人は、ババヘラ・アイスなるものについて熱弁してくれた。冒頭の福井の水ようかんといい、地元菓子は、時として人を熱くさせる、アイデンティティに関わるものかもしれない。
ここで、『地元菓子=ゆるキャラ』説を唱えてみようと思う。すっかり一大産業化してしまったゆるキャラ界隈だが、みうらじゅん氏の挙げる三か条と照らしあわせてみると、「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること」……地元の名産を使ったり、名所をモチーフにしたり、すばらしい観光大使になっている。「立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること」……不安定というと失礼かもしれないが、大規模工業製品にはない手作りの“味”があるのは確かだ。店舗ごとのバリエーションがある場合も。「愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること」……本書を眺めるだけでも頰がゆるむたたずまい、言うまでもないですね。地方の人口減少や後継者の問題があったり、いつ消えてしまってもおかしくないはかなさがある地元菓子だが、街の産業が衰退しても、お菓子にその面影が残っているという坂出でのエピソードにもあるとおり、案外しぶとく生き残るものなのかもしれない。


(さるた・うたこ 編集者)

目次

はじめに
地元菓子の謎

ばっかりのまち
東京近郊|酒まん街道
愛知県一色|えびせん街道
静岡県島田|小饅頭
千葉県銚子|木の葉パン
インパクトお菓子

雪形お菓子

うさぎ二題

すてきな地元菓子司
半田/弘前/大津/水戸/桑名/鎌倉
遠近の飴
飴屋の木造建築/東西南北飴の国
カタパンを訪ねて
一枚のメモ/集まれ全国のカタパン
神戸舶来菓子からの使者
東京ドイツ菓子の店
おかしなまち
松本/水戸/弘前
餅の旅
九州日向路 餅街道
四国の柏餅/高知朝市
けいらんについて/もちのまち
門前の餅/峠の餅川越の餅
みんなのおやつ
買い食い図鑑/地方出身女子の甘い記憶
炭酸煎餅の思い出/集まれ地元の袋菓子
いつもの町にいつものお菓子

四国のお嫁入り菓子
地元で人気の全国引き菓子
お供え菓子の世界

おかしなたび
岡崎/栃尾
木の実草の実のお菓子
青春18きっぷと栃の実/一覧/ぎんなんと立山

エッセイ◇お菓子の友
     お菓子の縁
お店一覧

担当編集者のひとこと

地元菓子

著者の若菜晃子さんは「山と渓谷」という雑誌の元副編集長で、フリーになったいまは「ミューレン」という小さな素敵な雑誌をひとりでつくっています。今回の『地元菓子』も、取材も撮影も文章も編集も、若菜さんおひとりの仕事でした。取材といっても、この本のため(の取材ももちろんたくさんしてくださいましたが)というより、たぶん20年くらい(か、もっと)の体験の集大成です。打合せのはじめのころは、まさかこんな本になるとは想像もしていなかったので、いまはほんとうにおどろいてよろこんでいます。デザイナーの大野さんいわく、「これまででもっともキリヌキ図版が多かった本」とのこと。キャプションの数も「ハンパない」です。お店のことなどがこまかく書きこまれた手描き地図(歩く地図)もいくつもあって、たとえばその地図ひとつだけを手にその街へ旅しても、心はずむ2、3日がすごせると思います。
〈甘くやさしい味のお菓子は無論食べることも好きだが、それ以上に国や地域や風土によってさまざまに姿を変えることがたまらなくおもしろい。そして旅に出ると、どんな町にもお菓子屋さんだけは必ずあるのを見るたびに、人間とはかくもお菓子が好きな生きものなのかと実感する〉(「はじめに」より)

2016/04/27

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