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ジルベール、ふたたび。青春の衝撃が甦る! 竹宮ワールドの決定版、誕生!

竹宮惠子カレイドスコープ

竹宮惠子/著、原田マハ/著、石田美紀/著、寺山偏陸/著、さいとうちほ/著、勝谷誠彦/著

2,160円(税込)

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発売日:2016/09/16

読み仮名 タケミヤケイコノカレイドスコープ
シリーズ名 とんぼの本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-602269-2
C-CODE 0379
ジャンル アート・エンターテインメント、サブカルチャー
定価 2,160円

「風と木の詩(うた)」ジルベールが、「地球(テラ)へ…」ジョミーが、「変奏曲」エドナンが、甦る! 少女マンガを変革する“カウンター”でありつづけて50年、いま、竹宮惠子が万華鏡のごとき竹宮ワールドの全貌を語り尽くす、ファン垂涎の決定版。原画130点余、「風と木の詩」クロッキーノート全ページ初公開。カバー表紙は待望の描き下ろし!

どういう本?

タイトロジー
(タイトルの意味)
カレイドスコープは万華鏡(まんげきょう)のこと。筒の中を覗くと、回すたびに景色が変わる。とどまることのない、変幻自在の世界。竹宮惠子先生のマンガは、まさに万華鏡のようにテーマが広く、絵は美しく、どこまでも果てがない。そんなイメージからつけられました。しかし、じつは、本企画の最初の打ち合わせで、竹宮マンガの幅広さについていったいどうまとめていこうか……などと相談中、竹宮先生が口にしたひとことが「私は小さい頃から万華鏡が好きなの」。これでもうタイトルが(先に)決まったようなものでした!
メイキング 70年代~80年代、少女たちの心をわしづかみにした「風と木の詩」の連載開始(1976年)から40年。いまなお鮮烈さを失わない作品力に圧倒されます。なぜ、私たちは竹宮作品に魅了されてしまうのか。その芸術的なまでの創造のセンスはどこからくるのか。そして竹宮マンガはこれからどこへ向かうのか。「風木」や「地球へ…」「ファラオの墓」など竹宮作品をアートワークとしてとらえ、その世界をあますところなく見たい、味わいたい、少しでも理解したい。少女マンガを愛する一人一人の熱い思いに、竹宮先生が真正面から応えるかたちで、本書は生まれました。
装幀 カバー表紙は、待望の描き下ろしジルベール! 作品名は「ミサのあと」。枯葉舞う秋、ラコンブラード学院。聖書と一通の手紙を手に、ジルベールの碧の瞳が見つめるものは……。誰しもが、連載当時から全く変わらない、この美しい筆致に驚かされるのではないでしょうか。竹宮先生にとってジルベールは「別の世界にちゃんと生きている」特別な存在。それを自身のペンで「写し取っている感覚」。移り気で危うさが魅力のジルベールを、見事に、ここに写し取ってくださいました。
反響 「一気に読みました!」「万華鏡というよりキラキラ輝く宝石がぎっしり詰まったかのような本」「少女時代のパッションを思い起こさせる」「自分も一気に少女時代にワープした」……すでに読者から嬉しい感想が届けられていますが、なにより嬉しいのは、「この本は、ファンが読んでも嬉しい内容の濃い一冊であるのと同時に、初心者への入門書としてもとても素晴らしい出来」というご意見。ディープなファンの心にも、これから読んでみようかな、という初心者にも、ともに響くものがある。これは、竹宮先生も一番に願っていたことです。
トピックス 【仕事部屋】
現在、京都精華大学の学長を務める竹宮先生は、京都と自宅のある福岡県朝倉市とを行き来する“二重生活”の日々。都会一極集中を逃れて、2013年に鎌倉から移住した朝倉市の自宅は、先生とマネージャーでもある妹さんが下設計をして、こだわって建てたおうちです。吹き抜けの広いリビング、原画類を展示するギャラリーのようなアトリエ、資料や書籍を詰め込んだ本棚を壁面いっぱいに備えた仕事部屋。絵筆を握る先生には、やっぱりすごいオーラがありました!! 「『風と木の詩』を読んでいなければ、作家になっていなかった」という原田マハさんとの熱烈対談は、この山並みをはるかに望む朝倉市の自宅で実現しました。

著者プロフィール

竹宮惠子 タケミヤ・ケイコ

1950年、徳島市生まれ。徳島大学教育学部美術科中退。1968年マンガ家デビュー。2000年より京都精華大学教授、2014年同大学学長に就任。作品に「ファラオの墓」「風と木の詩」「地球へ…」「変奏曲」「イズァローン伝説」「天馬の血族」など、著書に『少年の名はジルベール』など。

原田マハ ハラダ・マハ

1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後2005(平成17)年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞、デビュー。2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は第25回山本周五郎賞、第5回R・40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」B00Kアワードなどを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』が第9回R・40本屋さん大賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『太陽の疎』『モダン』などがある。

石田美紀 イシダ・ミノリ

1972年、京都府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。2016年9月現在、新潟大学人文学部准教授。専門は映像文化論。共著に『カラヴァッジョ鑑』『入門・現代ハリウッド映画講義』(どちらも人文書院)、『宝塚という装置』(青弓社)など。著書に『密やかな教育――〈やおい・ボーイズラブ〉前史』(洛北出版)がある。

寺山偏陸 テラヤマ・ヘンリック

1949年、兵庫県淡路島生まれ。寺山修司義弟。元演劇実験室・天井棧敷、文芸演出部。作曲家松村禎三に師事し、映画音楽助手を務める。演出家。映像作家。荒木経惟の写真集の編集およびデザインを手掛ける。武医道の府川憲明に師事し、「NPO法人 健康法・武医道」理事。パルコ映画「ウンタマギルー」「Pu」や山田勇男監督「蒸発旅日記」、美術監督木村威夫の初監督作「夢幻彷徨」などの助監督を務める。編著書に『へんりっく ブリキの太鼓』(ワイズ出版)がある。

さいとうちほ サイトウ・チホ

東京都生まれ。漫画家。1982年「剣とマドモアゼル」でデビュー。「青りんご迷宮」「円舞曲は白いドレスで」「少女革命ウテナ」など数々の代表作がある。「花音」で第42回小学館漫画賞受賞。歴史大河ロマンからラブコメ、レディース、児童向けまで、その作品世界は幅広い。2016年9月現在「月刊フラワーズ」で「とりかえ・ばや」を連載中。

勝谷誠彦 カツヤ・マサヒコ

1960年、兵庫県生まれ。私立灘高校を経て早稲田大学第一文学部文芸専攻卒業。文藝春秋入社、記者としてカンボジア内戦や湾岸戦争などの報道を手がける。1996年退社後はコラムニスト、写真家として活躍。雑誌連載執筆やテレビ出演多数。サンテレビ「カツヤマサヒコSHOW」は2013年10月から放送中の人気トーク番組。著書に『ディアスポラ』『獺祭 天翔ける日の本の酒』『バカが隣りに住んでいる』ほか。

勝谷誠彦ウェブサイト (外部リンク)

目次

執念のジルベール!
クロッキーと原画で読む「風と木の詩(うた)」
特別対談 竹宮惠子・原田マハ
「風と木の詩」は竹宮惠子の「ゲルニカ」である
竹宮惠子が語る、竹宮ワールド
選・談=竹宮惠子
なかない風鈴/かぎッ子集団/スーパーお嬢(こい)さん!/カップリングOh!/ギターと三味線/ラブバッグ/アストロ ツイン/ある愛(ロマンス)/森の子トール/雪と星と天使と…(改題=サンルームにて)/空がすき!/ここのつの友情/ヒップに乾杯!/ガラスの迷路/まほうつかいの弟子/ガラス屋通りで/ブラボー! ラ・ネッシー/ロンド・カプリチォーソ―氷の旋律―/ジルベスターの星から/Qの字塔/真夏の夜の夢(ミッド・ナイト・ドリーム)/ファラオの墓/ミスターの小鳥/変奏曲/ウィーン協奏曲(コンツェルト)/地球(テラ)へ…/姫くずし/私を月まで連れてって!/イズァローン伝説/エメレンティア/MIRAGE/エデン2185/>5:00PM REVOLUTION(アフターファイブ・レボリューション)/スパニッシュ・ハーレム/ヴァージン・ラビット/嘘つきな真珠たち/疾風(かぜ)のまつりごと/天馬の血族/紅(くれなゐ)にほふ/吾妻鏡/エルメスの道/時を往く馬
カウンターの50年
竹宮惠子
竹宮惠子の少女たち――「ファラオの墓」から「風と木の詩」へ
石田美紀
[Hommage a Keiko Takemiya]
漫画は世界一のカルチャーぞ!! 寺山偏陸
私にとっての竹宮惠子 さいとうちほ
憧れのケーコタンとバーガンディのゾレを飲みたい 勝谷誠彦×竹宮惠子
革命だよ、人生は!
[キャラクターで楽しむ竹宮ワールド]
「地球(テラ)へ…」「風と木の詩」キャラ相関図 作成=島田世里子
美少年図鑑 作成=阿久津雅子
竹宮惠子全マンガ作品リスト
●イラスト原画集
●原画で読むマンガ作品
パリ・ジュヌビェーヴ通り人形館
薔薇色荘午後のお茶会
銀色の五月 雨の庭
カノン

インタビュー/対談/エッセイ

伝えたいことが強いほど描くことに熱心になれる

竹宮惠子

――少年愛の世界、SF、冒険譚、歴史大河、ファンタジー、音楽、古典文学……先生の作品世界は幅広くて、書名のとおり万華鏡のようです。
竹宮 そうですね。新人の頃、「描くたびにスタイルが異なってわかりにくい」とよく言われましたが、ほんとうにわかりにくいタイプのマンガ家だな、とあらためて思いました(笑)。ウリが1本であれば、そのほうが読者に浸透しやすいわけですけれどもね。

――ちょっと意外だったのは、数ある名作の中から先生ご自身が挙げた代表作ベスト1が「地球テラへ…」。「風と木のうた」だと信じているファンも多いと思いますが……。
竹宮 私にとって「地球へ…」は一番素直に描けたもので、作品の質を考えながらコントロールする、ということが必要なかったマンガなのです。素のまま描きたいように描けた、しかも人気など取れなくてもかまわないという気持ちで描けたというのは、とてもありがたいことでした。同時期に連載していた「風と木の詩」は、絶対に成功させなくてはならない、と自分自身にプレッシャーを与えていたようなところがありましたから。

――2作品のファン層は相当異なるのではないでしょうか。
竹宮 「地球へ…」は少年誌に描いていたこともあって、比率でいえば男性読者の方が多いですし、アニメのキャンペーンもあったので一般的に好まれるマンガらしいマンガですね。一方「風と木の詩」はそもそもマイナーであるべき作品なんです。センセーショナルな部分だけを取り上げるのではなく、これを読んで自分も救われた、という気持ちで読んでくださる方がいる。性質の全く違う作品ですが、両方とも好きといってくださる読者もいらっしゃいます。

――そういう性質の異なる作品を同時に描くとは……。
竹宮 同時期だからこそ、です。「風と木の詩」だけを描いていると、私自身というものが作り変えられてしまう、という怖さがありました。ヒットすればするほど“「風と木の詩」の作家”になってしまうわけです。私自身を抑え込んで描いている「風木」とは違う部分を、「地球へ…」で出したかった。

――それでも、どちらも“竹宮惠子らしい”代表作です。
竹宮 うーん、メッセージ性でしょうか。とくに人間の根源的なところからの問いかけというものが、両作品に共通してあるのでしょう。私は大体、メッセージ性が強すぎて嫌われてます(笑)。伝えたいことが強いほど描くことに熱心になれる。だからポテンシャルがありすぎると、短編の読み切りでは収まりきらない。マンガとしての完成度はともかく、物足りなさが残ります。やっぱり短編は得意じゃないですね(笑)。

――少女マンガの変革を求め常に先頭を走ってこられて、この50年で少女マンガは、実際、変わったでしょうか?
竹宮 私はこうなってほしいという形があって変えようと思ったわけではなくて、とにかく変革が必要だというふうに考えていただけ。普通は認められないようなことを描きたい。だから、私が描きたいことを描く=変革になるわけです。

――竹宮先生はBLの祖、とよく言われてしまいます。
竹宮 そう言われてしまうのはもう仕方がなくて、逃れられない部分だとは思います。自分の描いた作品から、BLというものが……おそらく必要があって育って行ったものだろう、と思っています。その成長には付き合っていないので、その後のことはわかりませんが(笑)。そもそもそういうジャンルができるなんて思ってもみませんでした。「風と木の詩」のような物語は二度と描かないと決めて表明もしていたので、周りも全く要求しませんでしたしね。

――今回、表紙のためにジルベールを描き下ろしてくださいました。先生にとってジルベールはどんな存在ですか?
竹宮 ジルベールって、絵に描こうとするとちゃんと現われてくれない不思議なキャラクターなんです。気まぐれで危うさを持つ少年ですし、いつも同じ顔は見せてくれません。彼は別の世界に実際に生きていて、それを私が写し取っている、という感覚なんです。だから描けたり描けなかったりする。一方で「地球へ…」のジョミーやソルジャー・ブルーたちは私が自分でつくったキャラクターで、不安定なところが全くない。だからいつでも描きやすいんです。

――ジルベール、ちゃんと美しく現われてくれました!
竹宮 そうですね。表紙となると、いろいろと責任重かったです(笑)。


(たけみや・けいこ マンガ家)
波 2016年10月号より

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「風と木の詩」は竹宮惠子の「ゲルニカ」である

ピカソを敬愛し、長篇小説『暗幕のゲルニカ』を発表した原田マハは、「『風と木の詩』を読んでいなければ小説家にはなっていなかった」というほど竹宮マンガに影響を受けた。ピカソも竹宮惠子も、変革を恐れず、新しい表現に挑戦した革命的な作家といえよう。

竹宮惠子先生インタビュー動画

竹宮先生が語る――ジルベールは特別な存在

「風と木の詩」クロッキーノートが語るもの

竹宮惠子「風と木の詩」クロッキーノートが語るもの
上が1971年1月クロッキーノートの鉛筆描きスケッチ、下が76年2月連載第1回目の原画(下図の2組も)。ジルベールとセルジュが初めて触れ合う!

 少年同士がベッドで絡み合う衝撃的なシーンで物語は始まる。少女マンガの常識を打ち破った不朽の名作「風と木の詩(うた)」(1976~84年)は、連載開始から多感な少女たちに熱狂的に支持された。ここには少年愛から人種差別、虐待、近親相姦まで人間の暗部が包み隠さず描かれる。人間の愛っていったいなんだろう……そう考えさせられる作品だからこそ少女たちは心揺さぶられた。その感動は40年を経ても色あせない。
 しかしタブー破りの作品であるがゆえに、発表までの道は険しかった。竹宮惠子が構想を得たのは上京して間もない70年、20歳のとき。作品の意図を理解できない編集者たちに拒まれ続け、じつに足かけ7年の歳月を経て連載をもぎ取った。
 竹宮の手許に残されている71年1月のクロッキーノート。そこには着想してすぐに「一気に描き上げた」という冒頭50ページがすでに展開されている。ことに美少年ジルベールと不細工なブロウとの絡みは、かなりショッキング。5年後、その場面も含め、竹宮はコマ割りからネーム、構図までほぼそのままに描いて作品にした。「もっと問題のないシーンから始めたほうがいい、などと周りからずいぶん勧められました。でも、この物語の掴みとしてこれ以外はあり得ないと信じていた」から、変えなかった。さらに「自分で検閲していたから」という意外な言葉も。検閲?
「ベッドシーンというだけで拒否する人はしかたがないにしても、“拒否してもいい絵”になっているか、というのが重要なこと。それを自分で描いて、検閲して、問題ないと確信したので」、新たな絵を描き起こすより「安全」と思ったというのだ。
 恐るべし、竹宮先生! クロッキーと原画、この2つの間には、竹宮の7年越しの執念ともいうべき熱い思いと、一方で客観的で冷静な眼差しがあった。
 本書『竹宮惠子カレイドスコープ』ではクロッキーノート全ページを初公開。お見逃しなく!

竹宮惠子「風と木の詩」クロッキーノートが語るもの
やや「肉感的」だったセルジュとジルベールを、発表時には少しほっそりさせた。修正したのはそこだけ。
竹宮惠子「風と木の詩」クロッキーノートが語るもの
問題の掴みのシーン。「決して美しくはない男と意に添わないベッドを共にする」場面から物語が始まる。

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