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神々に導かれ、いにしえの日本と出会う! 
ビジュアル古事記、ついに誕生。

古事記―日本の原風景を求めて―

梅原猛/著、上田正昭/著、三浦佑之/著、上野誠/著

1,728円(税込)

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発売日:2017/09/22

読み仮名 コジキニホンノゲンフウケイヲモトメテ
シリーズ名 とんぼの本
装幀 大野リサ/ブックデザイン、nakaban/シンボルマーク、広瀬達郎[新潮社写真部]/カバー表
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 126ページ
ISBN 978-4-10-602277-7
C-CODE 0321
ジャンル 日本史
定価 1,728円

オホクニヌシが地上の王国を築いた出雲、天孫ニニギが舞い降りし日向、初代神武天皇が東征の果てに辿り着いた大和――。『古事記』の美しきふるさとには、いまも神々が坐していた! 泰斗による編纂1300年記念対談や、成立の謎に迫る解説、イラストすごろくなども充実。日本最古の歴史書を、分かりやすく徹底案内します。

著者プロフィール

梅原猛 ウメハラ・タケシ

1925年宮城県生まれ、哲学者。国際日本文化研究センター顧問。京都大学文学部哲学科卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター所長などを歴任。縄文時代から近代までを視野におさめ、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する幾多の論考は〈梅原日本学〉と呼ばれる。著書に『隠された十字架一法隆寺論』、『葬られた王朝一古代出雲の謎を解く』、『親鸞「四つの謎」を解く』(以上すべて新潮社)など多数。

上田正昭 ウエダ・マサアキ

(1927-2016)1927年兵庫県生まれ、歴史学者。京都大学文学部史学科卒業。京都大学教授、大阪女子大学(現大阪府立大)学長、島根県立古代出雲歴史博物館名誉館長などを歴任。東アジア全体を視野に入れた古代史研究で知られる。著書に『日本神話』(岩波書店)、『上田正昭著作集 全八巻』(角川書店)、『私の日本古代史 上下』(新潮社)など多数。2016年没。

三浦佑之 ミウラ・スケユキ

1946年三重県生まれ、古代文学者。千葉大学名誉教授。成城大学大学院博士課程単位取得退学。千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。『古事記』研究の第一人者でありながら、通説にとらわれない論を展開しつづけている。著書に『口語訳 古事記』、『古事記を旅する』(以上文藝春秋)、『古事記・再発見。』(KADOKAWA)など多数。

上野誠 ウエノ・マコト

1960年福岡県生まれ、奈良大学文学部教授。国学院大学大学院博士課程単位取得満期退学。万葉文化論を標榜し、歴史学・民俗学・考古学など周辺領域の研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案している。著書に『古代日本の文芸空間―万葉挽歌と葬送儀礼』(雄山閣出版)、『大和三山の古代』(講談社)、『万葉集から古代を読みとく』(筑摩書房)など多数。

書評

呼吸する日本神話

藤村シシン

 突然だが、私は『古事記』と少々変わった因縁を持っている。父が日本古代史の教師であったために、子供の頃から周りに日本神話の世界が溢れていたのだ。休日に連れて行かれる娯楽地といえばディズニーランドより古墳であったし、初恋の相手がアマテラスだった話を当たり前のようにされるし、サンタさんからのプレゼントは弥生土器の欠片だった。
 しかし、友人との会話から「世間のサンタさんは割れた土器の破片を枕元に置いたりしない」と知った私は、高校に進む頃には日本神話への反抗期へと入っていた。そして今では古代ギリシャ・ギリシャ神話研究を専門にしている。
 しかし、30歳を超えた今になり、日本神話と和解したいと考えるようになった。「古事記を学び直したいな……。でも難しいからな」。クリスマスの朝に湿った土器の匂いで起こされた経験のない幸運な方々でも、こういう気持ちを持たれる方は多いと思う。
 そんなところに彗星の如く現れたのが本書、『古事記―日本の原風景を求めて―』である。
 何よりも心惹かれるのは、「今も日本神話が生きている」ことをあらゆる手法で体験させてくれる点だ。文章、イラスト、写真のバラエティの豊かさ、ダイナミックさ、面白さ。例えば冒頭の神話語りでも、現代風にカスタマイズされた語りの面白さが光る。「アマテラスはびびって天の岩屋に引きこもる。……八百万の神々はクレバーなオモヒカネの知恵を借り、アメノウズメにセクシーダンスを踊らせて大騒ぎ」。(本書17頁)
 心躍る対談や、研究者による神話の舞台への旅行記、巻末にはなんと「神武東征すごろく」まで付いている。
 白黒の文字の平坦な世界だった古事記が、鮮やかに立体的に浮かび上がってくる。古事記の呼吸まで聞こえてくるようだ。神社の写真のすみに写る、手を合わせて祈る人々の姿。海の安全を守る宗像大社に今は車のお祓いに来ている人々の話。私たち現代の日本人もまだ、古事記と地続きの世界の中にいる。日本神話はまだ生きているのだ。
 当たり前の話のようだが、ギリシャ神話畑にいる私からはどうしようもなく羨ましい世界だ。ギリシャにもパルテノンをはじめとして多くの古代の神殿が現存しているし、世界中から観光客が訪れている。しかし、今はそこに巫女も神官もいない。神々に香を捧げる人もいなければ、お祭りに集う人々もいない。ギリシャ神話の神々の信仰は1600年も前に終焉を迎えているのである。
『古事記』編纂から1300年の今もなお、神々の古き社があり、人々は柏手を響かせている──日本神話のなんと稀有なることだろう!
 その事実を体験させてくれる本書は、一級の学問的エンターテイメントだ。まさに古事記版ディズニーランドである。父をはじめ、多くの大人たちが子供を連れて行きたがる理由が分かる。
 子供の頃、弥生土器の代わりにこの本が枕元に置かれていれば、私ももっと早くこの世界に加われたかもしれない。

(ふじむら・ししん ギリシャ神話研究家)
波 2017年10月号より

目次

【対談】古事記こそ日本文化の原像
梅原猛×上田正昭
〈超速読〉
ユルわかり古事記
監修・三浦佑之 文・芸術新潮編集部
イラストレーション・伊野孝行
【グラフ】古事記の風景
文・芸術新潮編集部
1 日本創世の舞台
2 出雲の繁栄の果てに
3 日向に天降る神々
4 ヤマト王権の光と影
5 見えてきた都のかたち
【紀行】ヤマト古事記あるき
三浦佑之×上野誠
【最新研究】いま改めて古事記を問い直す
解説・三浦佑之
神話のふるさとマップ
〈特大ふろく〉神武東征すごろく
五月女ケイ子のレッツ!! 東征
イラストレーション・五月女ケイ子

まとめテーマでくくる 本選びのヒント

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