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人間通

谷沢永一/著

1,760円(税込)

発売日:2008/05/23

  • 書籍

「人間通」とは、他人(ひと)の気持ちを的確に理解できる人のことをいう。

深い人間観察を六百余字に凝縮した、現代人必読の金言九十六本。[本文より]◆「親友」絶えざる気働き心尽くしの結果である◆「可愛気」これに代る長所は考えられない◆「嫉妬」人の世を動かしている根元である◆「吝嗇」「臆病」絶対に矯正できない悪徳である◆「自尊心」国民の文化水準が高まるにつれて強くなる……。人の心を掴む名著、復刊!

目次
―――人と人―――
人間通
吝薔
臆病
親友
自負
悪口
空しさ
可愛気
個性
近攻
倫理感
凌ぎたい
競争
鋭気を殺ぐ
舐められる
人褒め
見せびらかし
評判
名誉
羨望
嫉妬
引き降ろし
狐色
持ち上げ

変革期
個人差
甲斐性
処女
恋愛
利得
怨念
―――組織と人―――
聞いていない
草葉の蔭
昇進
威張る
抜擢
功績
仕事師
人材
盛り立て
適正
腕を振るう
―――言葉と人―――
決まり文句
言葉を練る
正書法
仄めかし語法
真理
事大
権威
定説
―――本と人―――
購書
我流
贔屓
古典
評価
新刊書
二番手
書評
君子
若者
―――国家と人―――
意識
温順
自尊心
罵倒
侮蔑
饂飩屋の釜
試験
党派
学閥
出身校
自己紹介
身分
選挙
人気者
権限
優越
科挙
鮃族
意地悪
三宅坂幕府
改革官僚
国家総動員法
霞が関幕府
通達
監視
I種試験
結束
節税
所有
物価
需要
貿易
納期
予測
未来
人間通になるための百冊
後記
対談 谷沢永一・桂文珍

書誌情報

読み仮名 ニンゲンツウ
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 232ページ
ISBN 978-4-10-603607-1
C-CODE 0395
ジャンル エッセー・随筆
定価 1,760円

担当編集者のひとこと

人間通

「人間通」とは他人(ひと)の気持ちを的確に理解できる人のこと。「KY(空気・読めない)」が言われ、その場の「空気を読む」ことが重視される昨今ですが、本当に大切なのはその奥にある、人の心を理解する、人間社会を知るということではないでしょうか。
 本書は平成7(1995)年に初版が刊行された新潮選書歴代ベストセラーNo.1の復刊です。96項目にわたる深い人間観察が、それぞれ約600字の練られた文章に凝縮されていますが、その中には数多くの鋭い一文があり、私は何度も得心しました。「悪口を淡白に発する臨機応変によって人は信用を得るのである」「人は実績に基づいてではなく性格によって評価される。可愛気のある人には叶わない」「人の世を動かしている根元は嫉妬である」「人間の出処進退は損得勘定で考えるのが最も賢明である」「権威は社会の一般人が進んで作り出す偶像である」……。
 巻末に付した、著者お薦めの「人間通になるための百冊」は読書案内として役に立ち、著者と桂文珍さんの対談は漫才のように楽しめます。ぜひ、読んでいただきたい人生論です。

2016/04/27

著者プロフィール

谷沢永一

タニザワ・エイイチ

1929(昭和4)年、大阪市生れ。関西大学大学院博士課程修了。専門は書誌学、日本近代文学。関西大学文学部教授を経て、現在、名誉教授。評論家としても多方面で活躍中。主な著書に、『紙つぶて(完全版)』『司馬遼太郎の贈りもの』『回想 開高健』『文豪たちの大喧嘩』『雑書放蕩記』『向学心』『冠婚葬祭心得』『聖徳太子はいなかった』などがある。

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