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名門校には名門の理由がある。私立中学の雄を創った初代校長の情熱と人格。

麻布中学と江原素六

川又一英/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2003/09/20

読み仮名 アザブチュウガクトエバラソロク
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 186ページ
ISBN 978-4-10-610032-1
C-CODE 0237
整理番号 32
ジャンル 教育学、ノンフィクション
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/01/27

明治の古武士・江原素六。貧しい幕臣の子に生まれた男の情熱と人格が私立中学の雄を創った――。名門校にはかならず独自の校風がある。麻布中学も例外ではない。独立自尊。青年即未来。この初代校長の精神が「自由の校風」を生み、それは百年後の今日も脈々として受け継がれている。常に〈私立〉たる誇りを失わず、日本の近代中等教育の礎を築いた男の魅力ある生涯。

著者プロフィール

川又一英 カワマタ・カズヒデ

東京都生れ。作家、ロシア・ビザンティン美術研究家。早稲田大学文学部露文科卒業後、雑誌編集者を経て執筆活動に入る。著書に『ニコライの塔―大主教ニコライと聖像画家山下りん』『バッカス気分で地球放浪』『イヴァン雷帝─ロシアという謎』『ビザンティン・ロシア 思索の旅』『麻布中学と江原素六』などがある。

目次

プロローグ 明治三十三年麻布中学校開校式
第一章 維新の「敗者」
黒鍬者の息子として
洋学と幕臣意識
頭の「近代」と心の「儒」
敗者たちの沼津兵学校
明治四年のアメリカ土産
教科書と英語教育
新しい時代と「官」の威圧
「教育者江原」の誕生
第二章 麻布区東鳥居坂十三番地
神道の講義に聖書の言葉
死の淵からの帰還
自由民権運動とキリスト教
東洋英和学校の幹事職
十二名の初年度入学生
鹿鳴館という名の欧化熱
期待を背負う新校長
第三章 麻布中学の誕生
各種学校というハンディ
私立尋常中学東洋英和学校
麻布尋常中学校の誕生
「連絡」という名の特典
青年即未来
文部省訓令第十二号
ミッションからの完全自立
第四章 麻布中学と江原精神
江原精神とは何か
ズバ抜けて自由な中学
「官」に対する反骨精神
独立自尊と品性
最後の修学旅行
第五章 麻布・府立一中の時代
漱石が中途退学した中学校
私学優位の時代
イートン流自由主義教育
公・私立のエリート校へ
新制高校と中・高一貫教育
名門校と大学入試
エピローグ 「自由」の行方

あとがき
主要参考文献

蘊蓄倉庫

アンチ苦学

 麻布中学の創設者・江原素六は、終生ストイシズムを貫いた「明治の古武士」として知られるが、明治34年の卒業式で意外な訓話をしている。
 ――苦学を嘗むるというようなことをいうのは、甚だしく誤っております。
 苦学に対して否定的なのである。それどころか、さらに「苦しまないで愉快にやるという習慣を自ら養わなければならない」とまで言う。
 ただし、そのためには自律の裏打ちが必要となる。江原素六の説く「独立自尊」とはこのようなものであった。
 麻布中学は私立の雄として名高いが、それは単に進学率だけではなく、「ずば抜けて自由な校風」にもよる。この独自の校風は初代校長の人格と情熱に負うところが大きい。百年前の訓話からも一端をうかがうことができるだろう。
 江原素六の生涯そのものも興味深い。川又一英『麻布中学と江原素六』には、貧しい幕臣の子であった幼少期から晩年までが鮮やかに描かれている。

掲載:2003年9月25日

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