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二十年後―くらしの未来図―

平尾俊郎/著

748円(税込)

発売日:2004/02/20

  • 新書
  • 電子書籍あり

2024年の我が家。

夢コントローラー、健康診断機能付きトイレ、人間洗濯機、360度回転する一戸建て、お手伝いロボット、掃除不要のバスタブ……。暗い未来図にはもううんざり。童心に戻って未来にワクワクしてみませんか。最新技術で暮らしはどう変わるのか? 二十年後の我が家はどうなっているのか? トイレ、バス、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、ベッド等々、身近な商品の未来から見えてくる快適で愉快な二十年後の生活像。

目次
はじめに
未来図1 トイレ
自動検便で病気を早期発見。光触媒仕上げなら臭いと黄ばみを寄せ付けずクリーンさを維持。

未来図2 バスルーム
主婦の夢「掃除不要」バスタブか、DVD、ムード照明付きの豪華版か。

未来図3 洗濯機
洗剤不要タイプにはまだ先がある。「純水」使用が実現できれば排水も汚さない。

未来図4 ベッドルーム
意外に単純な「夢コントローラー」のカラクリ。カプセル型は至福のリラックス・ルームとなるのか。

未来図5 防犯
割れないガラス、ノブの無いドア、指紋照合システム。完全防犯住宅はパニックルーム付き。

未来図6 エネルギー
太陽熱でエネルギーを自給自足。余った分を売れば一年間で五万円の収入増も。

未来図7 ロボット
鉄腕アトム実現の可能性はゼロ。ただし、相槌上手のカウンセラーロボットなら可能性あり。

未来図8 テレビ
デジタル、プラズマ、双方向の次は? パソコンと合体して全ての家電の中心に。

未来図9 生ゴミ
大苦戦の処理機か、マンション標準装備で大躍進のディスポーザーか。

未来図10 冷蔵庫
お豆腐大丈夫? スーパーから携帯電話で賞味期限をチェック。

未来図11 クルマ
飲酒運転も居眠りもOK、事故率ゼロの自動運転車実現の可能性。

未来図12 キャッシュ
サヨナラ福沢諭吉。ソニー発の電子マネーは流通するか。

未来図13 キッチン
IHクッキングヒーターの普及で、ガスは駆逐されるか。

未来図14 ペット
大ヒット商品「バウリンガル」の通訳能力はどこまで信用できるか。

未来図15 葬式
二十年後は団塊世代の葬式ラッシュ。葬式に革命は起きているか。

未来図16 未来予測
過去の「予言」はどこまで正確だったか。あえて意地悪く現代の目でチェックした。

コラム
人間洗濯機  回転住宅  ゆっくり喋るラジオ
空飛ぶ自動車  個性化する墓

●参考資料

●取材協力

書誌情報

読み仮名 ニジュウネンゴクラシノミライズ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610053-6
C-CODE 0236
整理番号 53
ジャンル 評論・文学研究、社会学、ノンフィクション、サイエンス・テクノロジー
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/01/27

蘊蓄倉庫

「人間洗濯機」って何だ

『人間洗濯機』と聞いてどんなモノだと思われるでしょうか。人間を高速回転させながら水をぶっかける罰ゲームのような機械ではありません。これはサンヨーが1970年の大阪万博に出品した試作品『ウルトラソニックバス』の別名です。その正体は、全身を洗い、マッサージをして、最後に乾燥までしてくれるという仕掛けの全自動式バスタブ。ネーミングもユニークですが、流線型のデザインもいかにも「未来」を感じさせてくれます。「未来」にまだ無邪気に憧れることが出来た70年代らしいアイデアだと言えるかもしれません。『二十年後─くらしの未来図─』では、2024年に私達の家にあると思われる、またはあって欲しい新技術、新商品の数々を紹介しています。『人間洗濯機』の写真をご覧になりたい方もどうぞ。

掲載:2004年2月25日

担当編集者のひとこと

二十年前

 「モーニング娘。」のメンバーの大半はまだこの世に存在していない頃。壇上で暴れるのが好きな新成人が丁度生れた頃。
 二十年前というのはどんな時代だったのでしょうか。一九八四年二月の朝日新聞縮刷版を読んでみました。
 社会党は「自衛隊は合憲か違憲か」などということを論議していました。巨人では斎藤雅樹投手が二年目のシーズンを迎えて、フォーム改造に取り組んでいました。
 テレビ欄にはまだ衛星放送なんてありません。「太陽にほえろ!」も「オレたちひょうきん族」も「8時だヨ!全員集合」も放送中です。プロレスがゴールデンタイムに放送されていました。「猪木・藤原・前田vs長州・浜口・谷津」なんて豪華なカードが組まれていました。 消えていったものもあれば、今でも残っているものもあります。全面広告が出ている「温水シャワー付きトイレ」は、当時は贅沢品に近かったはずですが、今ではどこにでもあるものになりました。
 まだ自宅にパソコンなんてものを持っている人は殆どいません。「ニューメディアと生活」と題された討論会では、高原須美子さんが、「百万円かけてパソコンも買ったりして努力したんですけど、ますますわかんないんですよね」と発言されています。
 当時の人に、「二十年後は、大抵の家にはパソコンがあって、それでニュースでも音楽でも何でも手に入る。無修正画像も見放題です。老若男女が電車で携帯電話をいじっています」と言っても相手にされなかったでしょう。未来の予想というのは難しいものです。
 しかし、それをあえてやってみたのが『二十年後─くらしの未来図─』(平尾俊郎・著)です。この本には、ユビキタスネットワークとか、核融合とか、大仰な話は出てきません。あくまでも私達の家の中がどうなっているか、その1点に絞って書かれています。
 不況が続いているのでどうしても暗い未来予想のほうが幅を利かせがちです。「モーニング娘。」や暴れる新成人の二十年後を考えても別に明るい気持ちにはなれません(個人差があるでしょうけど)。
 でも、この本には明るくて面白い未来が詰まっています。トイレ、バス、洗濯機、テレビ等々、身近な商品がどうなっているのか。それによって私達の日常生活がどう変わるかのイメージがわいてくるはずです。

2004年2月刊より

2004/02/20

著者プロフィール

平尾俊郎

ヒラオ・トシロウ

1952(昭和27)年横浜市生まれ。明治大学卒業。企業広報誌等の編集を経てフリーライターとして独立。著書に『二十年後―くらしの未来図―』ほか。

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