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釈迦に説法

玄侑宗久/著

748円(税込)

発売日:2004/04/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

「あるがまま」より「ないがまま」。

一つの人生観に縛られていませんか? 目標や希望の実現に向けて「頑張る」ことに囚われすぎていませんか? 苦悩した青春時代、禅僧を目指した修行時代、禅僧と作家の二束の草鞋で歩む現在――。幾多の経験を通して、身の回りの出来事や、世間を騒がせた事件に触れながら、息苦しい世の中を、「楽」に「安心」して生きていくきっかけを教えてくれる。一話一話、読むほどに、心が少しずつ軽くなっていく。

目次
はじめに
渋柿のそのまま甘しつるし柿
渋柿の甘さ
一隅を照らす
鰯の頭
二つめの人生観
村八分について
個性という束縛
明るい町内会
「ないがまま」からの出直し
めでたくもありめでたくもなし
バンザイ
くらぶれば長し短しむつかしや
タマちゃんと、寂しい「安心」
瞑想の中だけの「恒久平和」
正統なき「東洋的正統」
胡散くさいということ
戦争と自殺とユートピア
「宗教」と宗教心
うゐのおくやまけふこえて
僧侶とお酒
僧侶が長生きするワケ
「あの世」までの四季
音韻の力
ネコもシャクシも
無理な原則めざすウラボン
一人でもできる「お彼岸」
いろは歌
冥土に、おみやげは不要です
禅的安心の作法
シャカリキ──あとがきにかえて
初出一覧

書誌情報

読み仮名 シャカニセッポウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610066-6
C-CODE 0215
整理番号 66
ジャンル 文学賞受賞作家、宗教、ビジネス・経済
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/01/27

蘊蓄倉庫

シャカリキとは?

「しゃかりきになって働く」といいますが、この「しゃかりき」、辞書には「躍起になって何かをすること」とあります。なんだか、眉間にしわを寄せて、険しい顔で働いている人が脳裏に浮かんできません? とっても余裕のない感じがします。では、「釈迦力」と書くとどうでしょう。なんだか、ゆったりとしたおおらかな力を感じるから不思議です。
 中国の『易』の考え方に「陰陽」があります。「陰」は動かず、包み込む根源性、「陽」は動き、枝分かれする力。私たちの理知は枝分かれのほうで、思考を逞しくして細い枝まで登りつめようとします。しかし、根本が充実していないと、枝葉も枯れてしまいます。この根本の、吸い上げ、包み込むほうの働きが、「瞑想」となります。この瞑想によって発現する力こそ「慈悲」であり、それこそが「シャカリキ」なんだそうです。ぜんぶ『釈迦に説法』の受け売りですが、常識だと思っていたことを覆される、けど面白い本です。
掲載:2004年4月23日

著者プロフィール

玄侑宗久

ゲンユウ・ソウキュウ

1956(昭和31)年、福島県三春町生れ。慶應義塾大学中国文学科卒。様々な仕事を経験した後、京都の天龍寺専門道場で修行。現在は臨済宗妙心寺派の福聚寺住職。デビュー作「水の舳先」が芥川賞候補となり、2001(平成13)年、「中陰の花」で芥川賞を受賞。著書に小説として『アブラクサスの祭』『化蝶散華』『御開帳綺譚』『アミターバ−無量光明』『リーラ 神の庭の遊戯』『龍の棲む家』『テルちゃん』『阿修羅』『四雁川流景』『光の山』など。他に『私だけの仏教』『まわりみち極楽論』『禅的生活』『多生の縁』『釈迦に説法』『禅語遊心』『現代語訳 般若心経』『禅のいろは』『荘子と遊ぶ』『無常という力』などがある。

玄侑宗久公式サイト (外部リンク)

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