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プロパガンダ切手で敵国を埋め尽くせ! これはまさしく情報戦争だ。

切手と戦争―もうひとつの昭和戦史―

内藤陽介/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2004/11/20

読み仮名 キッテトセンソウモウヒトツノショウワセンシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610093-2
C-CODE 0221
整理番号 93
ジャンル 日本史、ビジネス・経済、収集・コレクション
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/08/31

プロパガンダ切手で占領地を埋め尽くせ! スローガン入り消印で敵の戦意を奪い取れ! 戦うための武器は、なにも銃器や爆弾だけとは限らない。日中、満州実効支配を巡る攻防。日米、対立する「戦争の大義」の応酬。そして誇示される戦果の数々――。満州事変から日本の敗戦まで、様々な歴史の舞台裏で、まさに情報戦のごとく国家の威信をかけ飛び交った切手たち。そこから浮かび上がってくる、もうひとつの昭和戦史。

著者プロフィール

内藤陽介 ナイトウ・ヨウスケ

1967(昭和42)年東京都生まれ。郵便学者。切手の博物館・副館長。東京大学文学部卒業。切手を中心とした郵便資料を用いて、国家と社会、時代や地域のあり方を読み解く研究・著作活動を行ない、国際的に高い評価を得ている。著書に『北朝鮮事典』『中東の誕生』など。

目次

はじめに
第一章 満州事変から日中戦争へ
郵便を利用した抗日スローガン
軍神・爆弾三勇士の風景印
満州、切手を巡る日中の攻防
正当性を訴える事務総長への手紙
墨で消された「満州国」の文字
描かれた溥儀の肖像
開封・検閲は二・二六事件から始まった
第二章 日中全面戦争
両国それぞれの「盧溝橋」記念
戦果を誇示する記念印
標語入り消印で「挙国一致」
幻の東京オリンピック
英国製だった中国の切手
特印にも謳われた「東亜新秩序建設」
第三章 日中戦争から日米戦争へ
ノモンハンでの挫折
絵葉書になった日独伊三国軍事同盟
ビルマ・ロードは郵便も運ぶ
国家の威信をかけた紀元二六〇〇年イベント
日本軍南下を予見した手紙
対米開戦近し「臨時郵便取締令」
第四章 開戦、太平洋戦争
映画の一シーンだった「真珠湾」記念切手
日系アメリカ人への強制収容通告文
捕虜交換船からの手紙
郵便で読み解く占領地事情
確立された翼賛体制
第五章 連合国の反攻
結成された南西太平洋軍
絵柄になった「ミッドウェイ海戦」暗号解読
待遇が綴られた「泰緬鉄道」捕虜の手紙
自由の女神と蒋介石
占領国独立後も残った日本語表示
対立する戦争の大義
独ソ、プロパガンダ切手の応酬
インパール作戦失敗で頓挫した切手発行
「マニラ解放」とマッカーサーの肖像
第六章 帝国の落日
政治利用された「硫黄島の星条旗」
空襲激化で困難な配達
郵便にまで及んだ倹約
国際郵便となった沖縄宛
制海権失い届かぬ海外便
ソ連参戦を早めた原爆投下
シベリア抑留者からの葉書
サハリン棄民の悲劇
終戦記念日は「解放記念日」
あとがき

主要参考文献

蘊蓄倉庫

歴史的名台詞は「負け犬の遠吠え」かよ!

 太平洋戦争において、日本軍の攻勢に屈し、一度はフィリピンを脱出したマッカーサー。その後、フィリピン奪還に燃え「アイ・シャル・リターン」の公約を果たした彼は、太平洋での英雄という立場を確固たるものにしました。
 アメリカ国内では、生存中の人物を切手に取り上げないという原則があり、マッカーサーの切手が発行されたのは、彼の死後のことです。一方、フィリピンでは「解放の恩人」として、戦後まもなく彼の肖像を描いた記念切手が発行されました。共に本書に絵柄が掲載されていますので、ご覧になってみてください。
 さて、歴史的な名台詞として語り継がれている肝心要の「アイ・シャル・リターン」ですが、実際に彼がこの台詞を発したのはフィリピンを極秘裏に脱出し、無事メルボルンに到着した後のことでした。つまり「アイ・シャル・リターン」と捨て台詞を吐いて、フィリピンを去ったわけではないのです。皆さんはご存知でした?
 なあんだ・・・・・・。名台詞は、要するに「負け犬の遠吠え」だったのかよ!?

掲載:2004年11月25日

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