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恨みがあるならカネに言え! 日本最古の銭で賭博にはまった天武天皇。借金まみれで潰れた室町幕府。江戸の闇金は年利3600%!

金貸しの日本史

水上宏明/著

756円(税込)

本の仕様

発売日:2004/12/20

読み仮名 カネカシノニホンシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 220ページ
ISBN 978-4-10-610096-3
C-CODE 0221
整理番号 96
ジャンル 日本史、銀行・金融業
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/07/27

貨幣の誕生以来、人の歴史は「金貸しと借金」にずっと振り回されてきた。日本最古の銭で賭博にはまった天武天皇、政府自らが金貸しをしていた律令時代、貨幣が行き届いて徳政令に揺れた鎌倉期、大名から百姓まで借金で縛り太平の世を築いた江戸幕府、明治の文明開化も高利貸しのおかげ……。いつの世でも疎まれながら、しかし決してなくなることのない存在、「金貸し」。全く異質な観点から日本史を読み直す。

著者プロフィール

水上宏明 ミズカミ・ヒロアキ

1955(昭和30)年、北海道札幌市生まれ。消費生活アドバイザー。立教大学法学部卒業。社団法人「日本クレジット産業協会」に勤務。その傍ら、「金貸し」と「借金」に関する文献を読み漁り、独自の視点から日本通史を提示する。著書に『クレジットカードの知識』などがある。

目次

はじめに
第一章 〔律令期〕国家の「米貸し」から寺院の「銭貸し」へ
日本におけるお金の誕生
なぜ貨幣発行を急いだか
賭博にはまった天武天皇
女帝が出した最初の賭博禁令
人類最古の職業
金貸しのはじまり「修多羅供事」
「米貸し」利息稼ぎの源流
日本人にとっての米
現代の年金に当たる「出挙」
銭の出挙とともに
返さなければ来世は動物に
第二章 〔鎌倉・室町期〕銀行のはしり「合銭」
初めての武家政権
平清盛が普及させた渡来銭
銭の流通と生産性の向上
鎌倉、室町人たちの財産を覗く
武士の世に賭博が広まる
鎌倉時代の金利規制
徳政令はなぜ出されたか
代替わりは古来からの発想法
室町の金融機関「無尽」と「土倉」
政府公認の高利貸し
矛盾に満ちた二度目の徳政令
八代将軍義政の混迷
室町貨幣制度の限界
第三章 〔江戸前期〕太平の世に両替屋誕生
秀吉が銭から米へ
家康の貨幣政策
必要から生まれた「両替屋」
そして金貸し業務へ
天下太平の世に借金する大名
米の現銀両替から大名貸しへ
大名たちの開き直り
今に続く「三井」「鴻池」
シンジケートを組み情報交換
第四章 〔江戸後期〕高利貸し百花繚乱の時代
幕府の台所事情
米が命の下級武士
米将軍、吉宗の登場
米本位制の行き詰まり
倹約策のつまずき
「札差」米の運搬業から
享保改革の金貸し対策
幕府による札差仲間の結成
利上げの嘆願に大岡裁き
金主と債務者の間で口銭を稼ぐ
札差のバブルな遊び振り
首が回らなくなった御家人たち
究極の救済措置、棄捐令
遠山の金さんの卓見
「質屋」町人向けの金融
「座頭貸し」盲人保護施策を逆手に
「日銭貸し」「烏金貸し」「日済」「六斎」
享楽後回しの説
第五章 〔幕末〕西洋における金貸しのルール
回らないお金
困った時の賭博頼み
海外からの闖入者
西洋の金貸しとの遭遇
ゴールドスミス原理
信用創造によるマジック
ドルはどう評価されたか
西洋人の理解を越えた特殊な銀貨
豪腕ハリスに押されて
不器用な武士の交渉
大量の小判流出
恵みとなった大火事
第六章 〔明治以降〕文明開化はしたものの金詰まり
ええじゃないか
寺院への積年の恨み
新しい世での新たな負担
リストラされた武士階級
誰のための地租改正
庶民へのしわよせと旧制度の廃止
利息制限法制定
利息引き直しの解釈
西南戦争から松方デフレへ
秩父困民党事件
武装蜂起の悲惨な結末
第七章 金貸しはなぜ嫌われるのか
国家の体裁は整ったが……
銀行制度のはじまり
合併、破綻、銀行の変遷
貫一がもし裁判にかけられたら
漱石曰く「みんな金が欲しいのだ」
あとがき

参考文献

蘊蓄倉庫

富本銭で賭博にはまった天武天皇

 672年、壬申の乱で大友皇子を討ち即位した天武天皇。『日本書紀』によると才能に恵まれ、武徳に優れ、天文、占星の術を得意としたとされている。だが、占い好きが高じて宮中の貴族たちを相手に博打にはまっていったことはあまり知られてはいない――。
 はまった博打は「博戯」という。二つのサイコロを用いて上がりの順位を競う今でいう双六である。その当時、中国から渡来したものだった。そもそも博戯は、最初、占いとして使われていた。それがやがて賭け事のゲームへと転じていったのだ。
 その頃、もう一つ中国からもたらされたものがあった。円形方孔の銅銭である。しかし未だ日本では「お金」としての概念のない時代、銭は単に同じ形で揃えられた金属片、珍品にすぎなかった。銅銭の使い道は、博戯の駒、チップとされたのである。そして日本でも天武天皇の在位の時代、銭が作られるようになる。平成11年に発見された富本銭だ。つまりこれも博戯の駒、宗教的な儀式物として作られたのであった。かくして天武天皇は富本銭で賭博にはまっていったのである……。

掲載:2004年12月24日

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